平和な世の中
退屈なオートメーションの日々に
のみこまれて
僕はロボットになってしまいそう
相変わらず
テレビの向こう側は
悲しいニュースばかり
なにをもって
正義と言うのか
歴 ....
心に優しく そして 人に優しく
やわらかくなろうよ
今日も笑顔に花が咲く
太陽 そして 青い空 白い雲 緑の大地
広大な海のように澄み渡り
ゆっくりと からだをのばそう
深呼吸しながら
のびのびと の ....
秋の風がふとく吹いた
東京のしたの方に台風はあった
商店街は黄金いろで
人間の顔をしたひとびとが
ふとい風に吹かれて
黄金いろになじんでいるのだった
親を大切に ....
長いあいだ
気づくことがありませんでした
そう それは、旅人たちのしごとなのですね
忘れそうになれば 時にさそわれてくる
軒先に落ちてくる雨色の
無定期の知らせは、
空を裂く
雷 ....
雨を乞うて
孤独を満たすの
暗闇に押し黙った私には
この空はあんまりにも
明るすぎる
最近貴方の口から
愛しているが聞こえない
不安定な二人の関係
とても曖昧で
このままじゃ悲し ....
弄び過ぎたライターの火は
煙草を近づけると消え
明日は
昨日の中に終わっていた
何か伝えなくては と思いながら
言葉が壊れていくのを見つめ
会話はいつも
始める前に途切れていた
....
この季節になると思い出します
行きも帰りもバスでした
山奥の芋煮会場に着くと
澄んだ風が吹いていました
肌が乾いてなつかしい気がしました
網目になった体を
すうすう吹き抜けてい ....
巨きな木箱は赤杉の
爪をたてるように 水をそそぐ
息をふく焼け石を投げ入れ 囂々
貝を煮る
牙をとぐ 原始からの導きは
何をも与えられていながら、
選ばず それだからこそ月明の
静謐な ....
本に挟んでおいた
しおりの行方はまだ分からずにいた
どうしてかな
簡単に人を裏切るのに慣れてしまったのは
有効期限まではまだまだだけど
速めに使っていよう
自分さえ ....
典麗の色香は、純白の
輪舞する翅が揺れている
{ルビ無言=しじま}なひろがる花弁にぽつねん
ショー・ウィンドーの森の囲いにたちんぼが、
哂い声をあげた夢は、
苔むした褥を足にして
胡蝶 ....
気付けば漕いでた
ブランコ ぶうらん
始まり無い終わりも無い
背景
満月
ブランコ ぶうらん
逆上がり浮腫む半身
くの字の両脚激しく痺れ
血が巡らずに鼻から出血
ぶうらん ポタリ ....
酒で意識が蕩けていく瞬間
わたしが何を想うかは知らない(誰も知らない)
男友達の顎の下の陰であったり
女友達の腕の白さであったり
簡単には片付かない酔うままの気分で
わたしはよるをはかりもし ....
{引用=うずくまる。
からだの表面積をちいさくして
世の中の37%を遮断する。
わたしのまるいふくらみと
わたしのしろいふとももをくっつけて
ひとつ。にすると
やわらかな鼓動を感じ ....
夕立/突然の豪雨と雷鳴が轟いた
それは子宮の中で聴いた母の心音のような気がした
時折、去来する淋しさは冥府からの呼び声に思え
無言で空を見上げると、大きな穴が開いていた
依りかかって生きて ....
広葉樹に秋陽 輝き濡れている
世 離れて 遠くから持って帰る
空想に空想 重ねる秋日和
富士山の裾 色めき撫で肩だ
富士おんな山なれば火口に欲情す
己 ....
泣いているの?
きみが破り捨てた祈りが
わたしの掌にうずくまって
ぽろぽろと涙を溢している
こっちにおいで
抱き締めてあげる
温かい体温で
全てをのみこんであげよう
子供の頃見 ....
空に伸びる
まっすぐに、高く刺しつらぬくように
あんたのとがった先で、身動きをやめた
その瞼を閉じたすがたが追うのは
玲瓏なさやかな風、そして
ささやく色づき始めた秋の街
ザワと色をな ....
パンドラの蓋がずれた
安物の蝶番のせいだ
イライラしていたせいで
乱暴に扱った
最初は煙
嫌なニオイがする
煙というものは蓋を閉めても
漏れてくるからね
も一度蓋を開けて
きちんと閉 ....
わたしたち、結婚しました
うす桃色の踊るような文字と
着物姿で微笑みあう男女の写真
はがきを持つ指の腹から
じわりじわりとあったかさが
組織の中まで浸透してくる
温度の正体をはっき ....
さやかで悲しい朝なのに
夏の匂いをかぎました
感謝でむせぶ朝なのに
黒いこころもありました
ひとのこころはどうも遠くて
応酬ばかりのありさまでした
さやかで ....
■秋
すべての色を飲み込んで
ただ透明である、秋
■チャイム
夕陽が窓ガラスに映ったとき
風がいつも置き去りにするもの
■図書館
古びた新築の匂いがする
■デジャヴ
....
私だってムカつくことくらいあるよ
いつだって泣き出したいもの
いくら神様を信じていたって
いくらきれいなものが好きだからって
現実、そんなこと言ってらんないでしょ
だから諦めることに ....
手にあまる
廃屋の残照
すぼまり 壁のない木の間で
林檎の古木は やせて
皺寄せた彩雲にのばされた からまる腕
実生の木 は、
今 ほろほろと 終わりを迎える
小さな青い果実を せい ....
書物に手を伸ばす 善行
坐したままのAV行為が業となり
昏い体に妙法は良薬
悪魔・天使 流動して 築く
心待った家路の果てに
ゴールデン・プラムの たわわな枝の
くちびるを這わす 実は あまく
ちっぽけなあたしを待っていて くれる
鳥たちを 楽しませないために
そう ジャムにしよ ....
私たちは
眩暈がするような速度で
転がり続けなければならない
変化すること
それが何よりも重要で
変わらなければ私たちは衰退する
そんな強迫観念に
いつの間に囚われてしまったのか ....
ふざけてるニャン
逃げ出したシャムが見上げる 四角いそらの路地裏に
もこもこ綿菓子ぐもは、午後のにわか雨のふる
おおきな雨粒は、天のしうち
だれもが 足をはやめる わらわ ....
Tiger's tears drip on the spoon
小さじいっぱいの塩の海
Tiger's dears flop on the dish
小皿いっぱいの原生林
Ti ....
溶接の火花とぶほど推敲す
また一つ霧中に荼毘 灯りゆく
雲割れて百条の光 降り降る
昔から
隅に居るような子供だったので
かくれんぼでは
何時も鬼をやらされた
両腕で眼を覆って
だけど
じゅう数えるまでは
どうしても待てない
いち、に、もういいかい
すぐ振り返ってしまう
隠れ ....
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