地球の公転軌道がほんのわずかずつ
ずれていることを憂うガリレオの
思いを想い過ぎて
抑うつ気味になった僕は
バナナがいいと聞いて
毎朝食べるようになった
いつか太陽の手をはなれ
地球 ....
あんなに耳障りだった蝉の声も
虫眼鏡で集めたみたいな痛い陽射しも
まるで色あせ始めた遠い物語
なだらかな坂道を自転車でおりると
向かい風がほんのわずかの後れ毛を揺らす
時折小石が顔を ....
昔あなたが
歌ってくれた
丸い月に
響く歌は
僕の心を揺らしている
懐かしさの陰で
小さな背中が
泣いている
作り笑いの
裏側で
指折り数えた夢
いくつ諦めてきたの
叶 ....
異常気象というけれど
二十四節気はまだ狂っていないようだ
啓蟄にはたしかに土の匂いが漂いだすし
きのうは処暑で
あきらかに暑さが退散している
加害者づらしてエコを論ずるよ ....
そそくさと去り行く夏の記憶を確かめようと
深緑色に澱むお堀ばたを訪れてみた
色とりどりのウエアでストレッチに余念の無い肢体は眩しく
人恋しさを見透かされてしまうようで
遠慮がちにちょっと離 ....
それは
地上のものではない
空にも夜空にも宇宙にもないもの
かたちの留まらないもの
それは雨でもなく
雪でもないそれは雷でもなく
彼方の蜃気楼にも
此方の胸の内にも浮かばれない
....
なにか物足りない
一生懸命な女が好きだ
そとに出さなければ
かくし通せるせつない気持ち
でもこれは仕事だから
公共性のないことは言えない
通せない
悲しいとき
貫くべき ....
淡々と行く夕方の通学路
ガマガエルが鳴いている
少年の胸には外れた左手
少し折れ曲がっているけれど
大切な左手
昔から、クラスの中で浮きまくりの少年
授業以外で口を開く事はない
....
夕暮れの風が民家の風鈴を鳴らし、
茜色のまなざしで今日をねぎらうように、わたしの頬を撫でてくれる。
その涼しさに、ほっとして深く息を吐く。
庭先には、萎れた朝顔が脱ぎ捨てた服のように垂れ下がり、 ....
秋の日に魚遡行して運河あり
鉄筋の錆びて曲がれる捨てた街
雑草が茂る空き地に蝶遊ぶ
明日を30回数えた午後
空からたくさんのきのこがふってきました
私はそれをとてもきれいだとおもいました
きのこは
隣に住んでいたハイカラなおじさんを連れて行きました
私はおじさんはもう見 ....
ひとの悲しみは
心と身体で感じて
はじめて分かるものだ
あたまで理解しても
思えているかは分からない
ひとの悲しみを聞いても
いいことを言わないようにしている
....
夏の夕暮れ
散歩する僕を突き放すように
雲は遠く空を覆っている
沈んで行く太陽に照らされて
黄金色に光っている
あたりには
雨の匂いが満ちてきて
遠くから雷鳴が聞こえる
....
「こんばんは。ご機嫌いかがですか?」
暗がりから現れる“青いふとっちょ”
眠れない夜半
どこからともなく
やって来ては
僕の悩みを聞いてくれるんだ
心強いんだ
「今日はどんな嫌なことがあ ....
朝焼けは随分きれいで
青紫のしじまに黙りこくり
そっとアクセルを踏み込む
見慣れた速度で
過ぎていく風景をやり過ごす
少し肌寒くなったようで
エアコンのスイッチを消した
仄かに燃えて ....
高き塔 自由の名を聞く都市煙る
上腕骨 燃えて滴る髄の文字
海の深度が落す魚影
時刻む魚群深まる海の意味
明るさに愛と慈悲のみ栄えてる
音楽が満ちて今 ....
ここしばらくは
疲れ過ぎていたから
なんら記号と変わりなかった
わたしの名前
わたしを呼ぶひとは
わたしを必要としているけれど
その必要を満たすのが
わたしである必要は
ど ....
第一幕
私に穴があいてしまった
安物のメビウスを架けて
これはピアスだと言った
第二幕
私に穴があいている
冬場は雪で埋まるけど
夏場の私は晒し首
....
風呂上がりの
弱りきった小さいお婆さんの体を
気の早いOさんがタオルで拭き
気の付くMさんが傾きを支え
気の穏かなIさんが、パンツを穿かせている。
日頃ああでもないこうでもない ....
咳が止まらない
咳をするたびに
砂を吐く
新型のインフルエンザだという
汗ばんだ 熱を孕む額が
妙にかさつく
少しずつ
崩れてきているのだろうか
それが現れたとき
随分と騒が ....
木の葉落ち風語るを聞き
光のために木の葉みな手を広げ
幹 黒々と明日を夢見ている
スキップする/スキップして笑い/唄う
遠ざかってしまった青い空も雲の上には
きっと、まだ残っているのだろう
目に見えないからと諦めてしまうのは
いけないことではないのでしょうか
背伸びした位 ....
家の押し入れにしまってあった誇り被ったギターを
みつけだしてそこから僕の人生は決まった
一人もくもくとそのあまり音がよくない安物ギターを
朝から晩まで引き続けていた
将来はビッ ....
届かないと思っていた扉の取っ手は
いつの間にか腰の位置になっていた
背が伸びて視野が広がる
遮っていたものに追いつき追い越し
世界の大きさに少しずつゆびが触れる
もうすっかり ....
ノリの良い曲を
聞きながら
君のカットを待ってる
午前9時
静かに待ってる
僕を尻目に
店員さんと楽しそうに
おしゃべり
この後何処に行こうかと
思案する僕の横を
流れる車
....
090820
再導入された
資本主義と
評価を得たが
貧乏暮らしが
良くなるわけではなくて
お金持ちが再評価されて
資本の形成が促 ....
はじめて日の出を見た
はじめての春がきて
はじめて二本足で立った
はじめて箸を持って
はじめて友達ができた
はじめてひとりで電車に乗った
はじめてのピアノは嫌いだっ ....
憑依を着ることもある悪魔よ
進化して天使になれよ人どもよ
退化して臭い嗅ぐ毛物悪魔ども
だきしめる
骨ごとだきしめる
フルパワーが続くまで
たましいがふれあっている
鈴のねがきこえる
宇宙からきこえている
じかんのまえで
ぼくらは迷える子羊だ
....
そよ風サラリ
夕飯マッタリ
仕事はハッタリ
帰ったらグッタリ
お茶はヒンヤリ
音楽はユッタリ
作詩はドッサリ
料理はアッサリ
散歩はノンビリ
勉強はバッチリ
海藻をチョッピ ....
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