薄曇りの空
昼の明度が低い
苛立ちを泡立てたような
街の雰囲気のなかを歩くと
泡に包まれた静電気が
渇いた頬にぱちぱち当たる

降るならば降ればよいのに
水の腐った匂いがする透明傘を片 ....
寒村にも桜が咲いている

老婆が田んぼをととのえている

大飯原発に向かっている

福島第一のまわりにも

かつて静かな時間がながれていた

田んぼのつぎの担い手は

いまどこ ....
  まがいものに
  きみは
  こころほれて



  まがいものに
  きみは
  いやいやをして



  だけど、きいて。
  しんじるということは
  う ....
取り残されたみたいになって

みじめになって

ずっとひとりだった

そんな気持ちを

久しぶりに忙しなく味わっていた

こころの恐慌は

津波のように水位をあげて

無責任にふくれあがっていった

 ....
春がその鋏をもって髪を切り落とすことで
年月はまるで少女でした

幼さ故に軽々しい
その唄声は温い雨
弾むような花の手を
この手で掴む術もなく

彼女は舞台袖から飛び出すと
馬を駆っ ....
 川面で光の魚がはねている
 春と霞を点描で描くのはぼくではない

 土手の並木の樹勢のなかを
 グングンふくらみ育ってゆくもの
 ふくらみみもだえて勢いを増してゆくもの
 樹 ....
地震や原発の心配や不安より

育った町や仕事への帰属意識に

人は大義名分を感じてしまうようだ

人生で得てきた引き出しなど

育った町や仕事とくらべたら

まるで信用されていない ....
上澄みの中を泳いでいた
透明ではなく薄く白濁した温い水の中を
紅い尾鰭をゆらゆら振って
指差すふくみ笑いを払い退けて
腹の下に感じる見えない水底の冷たさに慄きながら
ゆるんだ流れに身をまかせ ....
{引用=――淋しい鳥の夢をみた、
  あなたは一体誰ですか}

シーガル 夢をみたの
お前の心臓はとても温かかった
わたしとあわせるとちょうどぴったりして
シーガル 夢だと知りながら
お ....
            110412


ふしだらな
感じやすい
企みを
ひそかに抱き
か細い悲鳴をあげて
かわは流れてゆく
拡がる景色の果て
外国船が汽笛を鳴らし
風が凪いだそ ....
道の遠くから 
何やら呟き続ける男が歩いて来る 
すれ違う瞬間 

「答は{ルビ空=くう}だ、答は{ルビ空=くう}」 

繰り返す呟きは背後に小さくなってゆき 
遠ざかる彼の背なかも小さ ....
少し前から
気づいてはいたけれど
僕のナイフは錆びている

もうリンゴの皮すら剥けないし
エンピツを尖らすこともできない
誰かの心を抉るどころか
靴の踵にこびりついた昨日を
こそげ ....
きのう 被災地の蔵人さんの作ったお酒が とどいて 嬉しかった。タイミング 良すぎで届いたので、涙が ちょちょぎれたくらいに嬉しかった。ネット家計簿ソフトを開くと、被災地にできることが何か解らない、 お .... 水面を見上げると
ちいさなおんなの子の顔

こちらの様子が気になってしかたないのか

大きくなったり小さくなったり




わたしだけの世界
酒屋さんの軒先に置かれた古い火鉢
 ....
あれはもう 海などではありません
すべてを喪失させる 
漆黒の 巨きな悪魔の使い

瓦礫のやまの影に
行き場をうしない
銀鱗をわずかにみせる潮溜まり

確かにあのとき あたしは泳いでい ....
ふるら

ふるり

舞い落ちる
薄紅色の憂鬱に似たもの

らるら

るるり

鼻先で笑う
どちらの岸にも辿りつけないもの

うるら

うるり

降り注ぐ
乳白 ....
むかし、むかし、
世界なんて滅びちまえ
って切に願っていた少年がいたんだ
でも、
いざ、世界が滅びる
その日に
彼は
僕とお母さんとお父さんと
あと、同級生の千絵ちゃんだけは
救って ....
すこしぬるい冷たい風

くるまが横をすべってく

電車のおとがつれてゆく

ふつうに夜桜さいている

コンビニ袋ちりちりちりちり

なんでこんなに悲しいのだろう


知らぬま ....
もしもわたしが
素っ裸でいたら
あなたは
何をしてくれるでしょうか
ナニをしてくれるでしょうか?
平凡だけど
手と口使い
わたしのことを
イカすでしょうか
性の奥義に身をまかせ
あ ....
サク ラ サク

たわわな薄紅色も
頬を撫でる花風も
輪郭が和らいだ街の影も
去年とは変わらないけれど

わずかなためらいと一緒に
飲み干した酒の味は
去年とは違う

サクサ ....
めったに喋らない叔父さんが神さまのまえでの作法を教えてくれた

神社にはいるときは一礼せなあかんのや、

帽子はとらなあかん、叔父さんもジャケットぬぐさかいにな、

神社は真ん中歩いたらあ ....
君のこと愛しているよ
って
叫べるほどに誰かを愛したことあったのかな





おとこの子
男のひとを「きみ」って呼ぶ

私に似合わないのは判っているけど
敢えて、そう呼んで ....
眠りによりそう
咲きおくれた百合の白い想い
写真のなかにおさまったあなたは、
昔見せた笑顔のままで
私をみつめる


じゅうぶんに苦しんだのですから
もう休んでもよいのです
生き ....
 棚が倒れて割れた窓ガラスや試験管
 フラスコやビーカーが床に散乱している
 海水に浸された真綿が入るシャーレが傾いて静まっている
 実験室の椅子にすわるかれの顔をおぼえていない
 ....
もしも
ピアスをあけるなら
耳でも鼻でも
ヘソでもなく
余った皮にあけるだろう

ナニをする日は
リング状のを付け
うまい具合に
チンポを通し
剥けてるように
見せるだろう

 ....
失ってゆく
失ってゆく
毎秒毎時毎日 失ってゆく
だから食べる
おなかいっぱい食べたい

一生懸命話す
漏らさないよう聞く
でも満たされないから
恨みごとをいう

届かないのはあ ....
誰かの誕生歌と
鎮魂歌が同時に流れる車中で
渇いた舌が沈黙で痺れる

硝子を打つ冷たい雨つぶ
凍結に感染したわたしの横顔は
雲の隙間から漏れる薄明かりの中で
蜻蛉のように
透明にしろく ....
雨が降る

黒い雨が降る




夢の島

誰が名づけたのだろう

ぐぐったところで明確な由来などでてきやしないこの島で
静かに眠り続ける一艘の船

東西冷戦の最中
高 ....
ウマウアカの谷に
春が来たよ お嬢さん
ウマウアカの谷が
歌っているよ お嬢さん

聞きかじったフォルクローレが
頭の中でループする

空を突き刺す白い山脈の彼方から
響いてくる ....
 こわれてゆく街のなかで
 こわれてゆく耳になって
 ぼくは
 通りすぎてゆく乾いた硬い音をきいていた
 ビル風に
 靴とアスファルトの
 靴とデパート通路のリノリュームの
 靴 ....
……とある蛙さんのおすすめリスト(3008)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雨に踊るものたちは皆、笑っている- 木屋 亞 ...自由詩3*11-4-15
ふるさと- 吉岡ペペ ...自由詩311-4-15
まがいもの- 草野春心自由詩4*11-4-15
水位- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...511-4-15
春がその鋏をもって- 瑠王自由詩9*11-4-14
春に酔う- 石川敬大自由詩22*11-4-13
逸民- 吉岡ペペ ...自由詩111-4-13
紅い尾鰭- 渡 ひろ ...自由詩19*11-4-13
シーガル- 石瀬琳々自由詩9*11-4-13
ぷらちな- あおば自由詩7*11-4-13
壺の音_- 服部 剛自由詩411-4-12
ナイフ- nonya自由詩16*11-4-12
今こそ、詩を書こう。- るるりら散文(批評 ...10*11-4-12
揺れるひと- 恋月 ぴ ...自由詩28*11-4-11
泥のなか- 月乃助自由詩9*11-4-10
ふるら- nonya自由詩15*11-4-9
青春- 真山義一 ...自由詩1611-4-8
一晩じゅうが始まるころ- 吉岡ペペ ...自由詩1111-4-7
性の奥義に身をまかせ- 花形新次自由詩1*11-4-7
サク_ラ_サク- nonya自由詩12*11-4-5
叔父さんと神社- 吉岡ペペ ...自由詩511-4-4
咲く花のひと- 恋月 ぴ ...自由詩21*11-4-4
陽だまりに- 月乃助自由詩21*11-4-2
廃校に立つ未来の子どもたちに- 石川敬大自由詩19*11-4-2
もしもピアスをあけるなら- 花形新次自由詩2*11-3-30
失ってゆく- within自由詩7*11-3-30
春のせせらぎ- 高梁サト ...自由詩411-3-29
傘をさすひと- 恋月 ぴ ...自由詩20*11-3-28
ソング_・_オブ_・_インディオ- nonya自由詩15*11-3-26
女性性に関する一考察- 石川敬大自由詩17*11-3-26

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