僕がまだ若い頃
居酒屋に行って
この酒を飲むたび
いつも最後には吐いた
全部吐けば楽になる
我慢してはいけないと
口に突っ込まれた白い指は
いつもやわらかだった

外で吐けとか
ト ....
弟ガイウ
母ガ癌ダト
マルデ命ヲツカサドル神ノヨウニ
母ノ余命ハ半年カラ一年
私ハワライナガラ
ソレヲ知ラナイ母ニ
来ルコトモナイカモシレナイ
来年ノ旅行ノ話シヲシタリスル
海ヲ渡ッテ ....
僕の中で何かが決壊するとともに
完全に終わった
真夜中は爆発して
ウルトラマリンの朝が始まる
その青さったらなくて
スコールのように
目にじゃばじゃば入ってくるんだもの

原色の獰猛な ....
びゅう と風雪の中 てくん てくん 
雪ん子は 雪を踏まずに てくん と
滑って 凍らせながら歩く
やがて 着いたのは 雪の露天風呂

白くてキラキラした柔らかな雪が
やさしく降りそそいで ....
野生の鶏が森に溶ける朝
立ちのぼる夜の残り香
白く踊る靄
女たちのはごろもの袖が
空に還るよう
斜めに抜ける鉄道の跡地に
芽吹く春を見守っている
私の肩に麦をふりかける人よ
瞳は黄金を ....
雪の降りた朝に
わたしは吸い込む
冬の鳴き声を
しっかりと逃がさないように
両の耳で
抱きしめる
冬の呼気を
愛おしいから
二度と離れるのはいやだから
この手は放さない
おはようが
はいる
からだ
{引用=
夕暮れの戸口を悪魔が叩いたら
手の甲を扉の隙間から差し出して
蒼褪めた唇にくちづけを乞いたい
それは夜風に晒され芯から冷え切った
明日のいとしい人であるかもしれないから

ラン ....
さかあがりが できないころ
さかあがりのあいまに
けんかした
さかあがりのあいまに
学校へ 行った

おまえんちの家の前の空き地に
むかし なまくびが ならべら ....
{引用=
白夜に立ち尽くす
冷えた足取りで
散り散りになった落ち葉を拾い集める
記憶を繋ぐ喪失の季節に
最愛を探す仕草だけが影を重ね
闇を深めてゆく
切り取れば
ひとつの証明にもなりそ ....
 草のなかにレールをみつけた
 錆びた鉄の平行な二本線が
 弓なりに
 ここから延びていた
 または
 この草のなかで
 すっぱりと裁断されて尽きていた

 あおぐらい記憶 ....
世間のしがらみだとか 
上司への気遣いだとか 
余計なゴミ屑の積もった山みたいな 
日常の地面から 
ふっと、足裏を浮かべて歩いてみよう 

渡る世間の鬼達が 
幻に透きとほ ....
ゾロリ
色のない
貧血の頬を
滑るカミソリ

ピリリ
痛みのような
微弱電流

プクリ
鼻の左下
盛り上がる
赤い液体

チッ!
煩わしいだけの
日常茶飯

ゾ ....
それは男が汚れた靴下を脱ぐ時
それは女がきついガードルを脱ぐ時
みじめに軋るベッドの上で
広い背中を白い手指が所在なげに抱く時
愛はそれぞれに
互いを壊し満たそうと足を引きずり
見栄えのし ....
横はいりなんかしてないのに
ちゃんと並べと咎められたことがある

トラウマになってしまったのか
また文句言われてしまうのではとオドオドしてみたり

私って気が小さいのかな

それからは ....

午後四時
青の上から
橙や赤や紅色が
塗り重ねられてゆくのを見ながら
大急ぎでベランダのシーツを取り込む
あのうつくしい仕事をしている人が
どんな人だかは知らないが
時折
ゆるめ ....
               110221


どのキィーでもいいのですと
演奏家のお兄さん
とびきりの笑顔を向ける
今年85歳の父が
謡いたいといい
出せない声を張り上げる
初めて ....
{引用=
何かを見出そうとして足掻く
行き着くところは一緒であるのに
違うと、対話する

主観と客観の狭間で彷徨う
科学の発展とともに神秘が勃興したように
絶えず揺れ惑う幻のような実在を ....
僕らの回りにモノは、過剰になければならない。
そうでなければ高すぎて、中古の2LDKでさえ買えない。
供給過剰ぎみでなければ、僕らは豊かさをあじわうことができない。
モノが過剰にあるということは ....
真っ白な 
掃除機を
眺めては
何もせず
かといって
洗濯もせず
飯だって
宅配ピザを頼んで
そんな風に
君の
ぐうたらな一日が
過ぎてゆく

目の前の
紙くずを
ゴミ箱 ....
絵描きの家には絵筆が数えきれないほどあった
太さが様々な絵筆が ところ狭しと並んでいた
絵描きは嘘をついていた
彼は絵描きではなかった


どこかに球体があった
それはそれは丸かった
 ....
 猫のようなKといると
 ぼくの言葉の文脈は乱れふあんな小波が打ちよせてきて
 とても平叙文ではいられなかった

 煎じつめれば
 煎じつめなくても
 Kは妻で
 Kは猫だっ ....
午後 4時44分

見上げると
東の高く

薄い青空に
少し欠けた

白い月が
浮かんでいた

立春もとうに過ぎたのに
しばらく
引きこもっていた

たまっていた
所用 ....
うすあかりの光りがまだら模様をえがく夜
わたしは、私を忘れる




「風が出てきたみたいだ。梢の影が踊っている。
 ここには、街灯はないのだから…」

「月明かりね。風音が変わった ....
27で父を亡くした

あのとき
あたしは
もぬけのからになった

数ヶ月
母と暮らした

父の大きさを
影響を
思い知った

もう
何十星霜も
たっているのに

未だ ....
いくつめかの丘の上で
目から流れ落ちる汗を拭った
いったい誰のための汗なのか
そんなもので救われようと思ってる
自分がちゃんちゃら可笑しいよ

勾配の緩やかな所を
選んで登ってきたは ....
なんども抱き合っているはずなのに

抱き合うと

懐かしくなるのはなぜだろう

清いものはふつうつめたいものであるはずなのに

抱き合うと

清らかであたたかな気持ちになれるのはな ....
凍ったまま
凍ったままで
夏を待て
降りたシャッターの前に
右手をかざし
瞑目の、水晶の立像となって

冬はお前を追憶の塔にした
透明なお前の体を通して
青い青い海原が見える
光の ....
私がよく行くインポート専門のブティックがある。
ショップ名は「armoire caprice」
(アーモワール・カプリス)
もしかしたら御記憶の方もいらっしゃるかもしれないが、
以前この現代詩 ....
楽しいことがあると
「こんなことながくは続かないんだ」と
戒めのために
開くペラペラの表紙
集合写真のわたくしは
右上の丸のなか

人並みの生き方を
望んでいるけれど
なぜだか
い ....
……とある蛙さんのおすすめリスト(2997)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
飲めん酒- 花形新次自由詩4*11-2-27
- 月乃助自由詩1211-2-26
2012- 真山義一 ...自由詩2111-2-26
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鶏の香り- たちばな ...自由詩15*11-2-25
逃がさない- within自由詩9*11-2-25
扉のむこうにあるもの- 阿ト理恵自由詩9*11-2-24
やわらかなくちづけ- 高梁サト ...自由詩4*11-2-24
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スローダンス- 高梁サト ...自由詩5*11-2-23
ノスタルジックな軽便鉄道の駅頭にて- 石川敬大自由詩20*11-2-23
旅人_- 服部 剛自由詩111-2-23
- nonya自由詩14*11-2-22
合一- salco自由詩15*11-2-21
並ぶひと- 恋月 ぴ ...自由詩22*11-2-21
美術用品のある日常- 吉田ぐん ...自由詩3311-2-21
エニー・エンター・キー- あおば自由詩4*11-2-21
選ぶ、捨てる、- 高梁サト ...自由詩3*11-2-21
僕ら- 吉岡ペペ ...自由詩211-2-20
ひどい一日- 花形新次自由詩8*11-2-20
絵描きと球体の話- 相田 九 ...自由詩1311-2-19
横須賀の港でぼくは猫にうんざりしていた- 石川敬大自由詩17*11-2-19
白い月- 森の猫自由詩16*11-2-19
肌あわせ- 月乃助自由詩15*11-2-17
父の影- 森の猫自由詩6*11-2-16
丘を越えて- nonya自由詩10*11-2-16
たましいの調べ- 吉岡ペペ ...自由詩311-2-16
雪夜の試み- salco自由詩5*11-2-15
クローゼットの秘密- 渡 ひろ ...自由詩16*11-2-15
集合写真- 花形新次自由詩6*11-2-15

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