愛といのちは似ているかも知れない

どちらも永遠ではないところが

どちらも生きることそのもののようなふりをしているだけで

なにかもっと大きなものの仮の姿のようなところが


自尊 ....
お前と一緒に暮らしていて
いつも思い知らされるのが
与えた分だけ与えられるとは限らないのが愛だということ
誰よりお前を愛している
手入れされた上質の柔らかな毛皮
しなやかな体つきや
綺麗な ....
青空模様のタイルに覆われたような
ガラス天蓋のあるコンコースを歩く
ひとけのすくない午後の駅には
のどかな旅愁が満ちている
上空は強い風が吹いているのだろう
立ち止まった路のうえを
雲が落 ....
{引用=

大さわぎでなく
ゆっくりと歩む
足の裏に感じる砂の感触を確かめ
けして温かくないけれども
柔らかく反発してくるようなそれを
一足一足 注意深く進まなければ、
見逃してしまう ....
ぼくは4〜5年前に、馬野幹くんが以前主催してた朗読会で、映像で流してくれたのを観たんですが、平成3年、蜷川幸雄さんの演出で、当代一流の詩人たちによる屋外朗読会があって、それをNHKが特集で放送した .... 帰巣本能とはなんだろう

なんのたとえ話なんだろう

いったいどういう宇宙を

ものまねしているんだろう


時間は帰巣する

宇宙の果てより始まりのほうに

ぼくは惹かれて ....
変わらない景色に馴染めなくて
冬の雨も相変わらず嫌いなままだ
冷たい言葉遊びに対して
拒絶という、純粋すぎる答えを与えてくれた
微かにも願ったことがあったなら

さらば、青い花


 ....
主の居ない実家の風通しに行って
帰京する日の昼食は
親父が通いつめていたラーメン屋

生前
親父は帰省していた僕が帰京する日には
決まってこのラーメン屋で一緒に昼食を食べた

それだけ ....
詩はどこで生きるか
 =朝日新聞谷川俊太郎インタビュー
  「詩はどこへ行ったのか」から考えた事=

 世間的には、詩集も詩論も人の目に触れる機会はどんどん減っているように
私には思える。ア ....
雪は表面につもる

広い表面につもったり

たとえば枝のような

細い表面につもったり

雪、かわいらしいなと思う


それは雪ににている

朝おきたら

ぼくの広い表面にも

ぼくの細い表面にも

 ....
強く
ゆびで押すと柔らかく凹むほどに
紅く、
林檎


食べ頃をうっかり
逃してしまったものだから
どうしたものかと
思案している


その薫りやわらかく
そのかたち未だ林檎 ....
{引用=決して君には映らないのに
何故君は私に映るのだろう}

林檎の皮を剥こうとも君ほどの素顔はない
時の奥にみる廃虚のように
冬の底に横たわるマグマのように
不謹慎ながら、なんて君の炎 ....
もう壊れてしまったから
捨ててしまうのですか?
ぼくの紡いだ時間の縦糸が
ぷっつりと切れてしまいました

重たい
川に入ると
そのままでは浮かんでこれない

壊れ物だけが集まる遊園 ....
さよならの野生
ナイフのエッジできりきりと裂いていく
さよならの野生
悲しみを等価性のある液体に移して
さよならの野生
夜の星の硬いまたたきをかぞえて
さよならの野生
今カイエ・ソヴァー ....
時計の円周を2秒で6度分進むかのような時間の流れの中で
水平線が白輝しているね
だとか
 
海水は同じように岸へと波を打っているのではなくて
 ....
あたらしい
灰色海の貝をさがしてたら
天使をみたよ 濡れた砂の手で
子どもの頃にだって、
こんなことはあったのかもしれない
忘れてしまっても
白い貝殻だけが残されたり

アザラシの ....
あしたの気まぐれ雪人形
雪がふっても
雪がとけても
あしたの気まぐれ雪人形

いっしゅんだけの男と女
無償の愛には
心中の制裁を
いっしゅんだけの男と女

命のリミッター外します
 ....
1.
泣かない 泣かない NaNaちゃん
泣かない 泣かない NaNaちゃん
NaNaちゃん NaNaちゃん
泣かない 泣かない NaNaちゃん

悲しいときには いつも
空を見上げて  ....
こぼれたミルクは飾りボタンの溝を泳いで
くるくると光を跳ね返していた
いつまでたっても混ざり合うことはなく
胸を埋めるような匂いが辺りに漂い
大気ばかりが乳白色に濁っていた


窓の向こ ....
指のさき
雪がひとひら、消えました

わたしの熱を、あら熱を
かくまうように
消えました

うなずくべきことなど
何もないけれど、
わたしは確かに
うなずきました

す ....
かんかん照りの星空に

ふたりの哀しみ

狂いなく配置されている

ぼくらは模型の街にいるようだ


ふゆの夜が

星粒を散らしている

見上げるたび

眩暈してふらつい ....
あの靴はどこにいったの

あの靴はなに色だったの


いつのまにか靴は

あたしのなかで赤い色になっていた

愛はいのちと

コインの裏表になっていた

だから血まみれの靴なら

あたしのなかにあるわ ....
あなたの中には穴がある
なるほど
あなたは「あな」の「た」だ

あなたの中には鉈もある
なるほど
あなたは「あ、ナタ」だ

わたしは何も持ってない
「綿」では何の「足し」になろ

 ....
僕は星が好きなんだ。とくに月が好き。
 地球や太陽や月も星なんだよ。ときどき忘れちゃうこともあるけどね。
 
 月。
 満ちたり欠けたり。
 細くなったり太ったり。
 丸くなっ ....
星の数だけ浮かんだそれぞれ孤独なロダンと
それぞれ頭の中で試されるモダニズム
泣きべそをかいた子供が唯一カギを持つこの城で
誰も知らない自分だけの
誰も知らない自分だけの
宇宙へと旅立ちます ....
雨が好きだと 聞きました

コンクリートを細く打つ
水粒達の音を聴き
空間の糸筋楽しむよう
貴方は窓辺で薄い雨
気だるく眺めているのでしょう

お願いです

雨を愛で入る貴 ....
無言で参るお墓には
先祖が眠るとおもわれる
震えて見える母の指先
なにが思い出されているのだろう

泣いているのと尋ねれば
なにも言わずに首ふった
母の手には グラスがあった
琥珀の色 ....
年若い側近たちが

まじめな顔をして公文書を焼いていた

四月の夜だった

焚き火の明かりが

周りの壁に影をめくっていた

憔悴した彼がそこに立っていた

髭のうえの彼の鼻が ....
路面電車から降りた羊飼いのみる夢

葡萄酒はとっくに尽きて月が出てる

錬金術師は金色のイングリッシュハーバーを

一杯の砂漠の水と共に ほんの少しの干し葡萄を

小さな箱で あい色の ....
川が流れていた

彼らはまだ海を知らないのに

ぼくは彼らが海に行くのを知っている

声などひとつかけてやろうか


ひとが土手を歩いていた

彼はまだ天命を知らないのに

 ....
……とある蛙さんのおすすめリスト(2992)
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