{引用=
ゆるい傾斜を登ってゆく
幸せそうにショッピングバッグを抱えた女にとって
街が壊れたよるを窓から眺め
水晶の破片が星のようにきれいね、と
うたうことだって可能なのだろうか
その美し ....
三月十一日・午後二時四十六分、彼はデイ
サービスの廊下でお婆さんと歩いていた。前
方の車椅子のお爺さんが「地震だ」と言った
次の瞬間、壁の絵は傾き、施設は揺さぶられ
る海上の船となっ ....
カセットコンロが 家族の顔を照らす
真っ暗闇 手さぐりで 求め合ったぬくもり
ただ いっしょに
居られるってことだけで
こんなにも 幸せ 感じられるんだね
私たちの すべてを ためし ....
雪が降る
音のない洞窟に
音楽を幻視する作業員たち
雪が降る
味の素みたいだ
時がゆっくりと崩れている
時が蝕まれることだけを数えている
これ以上なにかき ....
うらぎりの雲がうかぶ
青空のした
ぼくは
ぼくを問いただしていた
オマエハ ナニヲ シテイルノカ
と。
おおきな地異が
おおきな波が
きみから
大 ....
予測を許さない
千年に一度なる天災は縮尺を正常化し
次なる大災害が百年後とは誰も言えない
事態は悪化する
現状維持の喫水線を越えたら人為は
人智が利用する原理を制御できない
物資を ....
笹を切り ( 橋を渡る
)春過ぎて)風は方舟 )木漏れ日に(うねる瀑布の堰
それは、幾度か荒波を乗り越えてきた稜線
回顧する遠来の砂」
光、深く、奥へ、
奥へと足跡を辿れば
....
政府に文句などない
最悪の事態なんて
タイムリーに通達されるわけない
四五時間後がいいとこだろう
それでも速いぐらいだろう
いま小田原の弟のところにいる
小田原から ....
青空ってさ
手の届きそうもない遠くにあるから
青空と言うのかな
*
何ができるのか考えてみる
誰かが
とかじゃなくて
わたし自身でできることを考えてみる
*
....
小さなものたちが
それぞれに
自らの場所で躓いている
その中に僕も君もいて
むすうの僕と君が
それぞれに
自らの小さく見える
けれどもほんとうはもっと大きい場所で
同じように躓いている ....
いのちの綱を両手で握り、彼は崖を登る。
時に静かな装いで彼は足場に佇む。ふいに
見下ろす下界の村はもう、{ルビ生=なま}の地図になっ
ていた(少年の日「夢」という文字を刻ん
だ丸石が背後の ....
声と言葉のパフォーマンス、PPWを主催している。(PPWについては僕のフォーラムのHPを参照してください)
また、同じ場所で服部剛さんが主宰しているぽえとりー劇場や、別の場所で催される詩の朗読会で、 ....
荒川洋治が書き記す、詩についての文章は、批評家や評論家のそれとは違う。意図的であるのかどうかはわからないが、エッセイ的であることをやめようとしない。しかし、カン所はいつも的確に押さえられており、透徹 ....
{引用=晴れやかな正午に
土砂降りの深夜に
ショーウィンドウ越しにわたしの海辺に寄って
砂浜で輝く貝殻を拾う
追い越して先回りする足取り
空瓶がひとつずつ埋まっていくたびに
はばたきの向こ ....
やっぱ自然には敵わないよね
今年はやたら寒いだけかと思ってたら
河津桜は紅いろの可憐なほころび揺れているし
これはとばかりにお出かけした越生の梅林
朝晩は冷え込むためなのか未だ七分咲き ....
編者は泉鏡花文学賞受賞者で、童話や詩も書くマルチ作家の寮美千子さん。そして掲載されている詩の作者は当然ながら実名を避けて、標題にある通り少年刑務所の〈受刑者〉となっています。
なぜ、この詩集 ....
終戦(敗戦)記念日であった8月15日の西日本新聞朝刊1面の「春秋」欄に、まど・みちおの戦争協力詩の話題が書いてあった。テレビのドキュメンタリー番組を観ての感想みたいだから、観られた方もいるかもしれな ....
【無為自然】
最近、写真を撮ったり絵を描いたりする。日頃からよく風景を眺め、虫や鳥や野生動物や雨や雲を注意深く観察したりして、クソ田舎で無為自然な生活を送っている。
そういう無為自然の視点 ....
どこまでも続こうとする坂道
喘ぎながら
繰り返される独り言のような呪文
聞きながら
やみくもにしがみついたあなたの背中
眠ったふりしながら
安いおしろいに混じった汗の匂い
嗅 ....
前号の「どんな本読んだ?」に、わたしは辻征夫の『貨物船句集』をとりあげ、詩のフィールド・ワークの領域拡大に寄与する俳句表現という捉え方で一文を書いた。しかし、辻征夫の試論という視点で書く時、その延長 ....
吉原幸子が亡くなってもう何年になるだろう。その吉原と近しい間柄だった石原吉郎が亡くなってからでもすでに三十年が過ぎた。一年がとても早く、時代の移ろいのスピードが加速度的に年々増してきている気がする。 ....
富永太郎という詩人を知ったのは、わたしが詩を書き始め、相前後して中原中也を知った時期とパラレルな関係にある。実際、中也がその生地に記念館ができるほど人口に膾炙されることがなかったなら富永は、おそらく ....
人は誰もダラダラと
洟が出て
人は誰も咳くしゃみ
繰り返す
ちょっぴり寒気して
体温計ったら
38度5分も熱があるだけ
人は誰も会社学校に連絡して
人は誰もただひたすら
布団で寝るだ ....
乾いた大地に
夏の厳しい日差し
しおれてしまった花に
水をひとしずく下さい
*
空っぽになった部屋で
なくした希望を探す
仕方がないと言いながら
耳障りなため息を吐く
* ....
仏間に坐って
うなだれ
首を
さしだしていたことがある
白刃の前に
ながれる水音に
耳を澄ませていたことがある
客観的なまでに静まった ....
まもなく幸せになれるでしょう
と言われても
不安感の先立つ今日この頃だから
それって、ほんとかなと首をひねってしまう
フィギュアスケートとかのスポーツ番組みてると
まもなくまもなくっ ....
手のひらの小窓にあなたから写真がとどく。
風にあおられた火が波のように打ち寄せる深い
闇のなかにわたしたちが暮らす岸辺があるみた
いですね。
怖くもあり、それが真実の勇気であるようにも ....
かたちを見つめる
虚無がしずかだ
茶室に作法がこだまする
石庭の顔いろで
抹茶が飲み込むデスマスク
宇宙の鈴の音を聴いている
エイトビートのピアノ鳴る
声が消 ....
ギザギザの
気温の折れ線グラフの
端がほつれて
光の縦糸が
眠たそうな家並に
垂れ下がる
カチカチに
凝り固まった表情筋の
端がほつれて
微笑の横糸が
路地裏の野良猫を
追い ....
うかれているしかなかったのだ
さびしかった
信じられないくらいの
さびしい状況にいたのだった
いちかばちかのような気持ちだった
だから
うかれているしかなかったのだ ....
……とある蛙さんのおすすめリスト
(2997)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
何も特別なことなど起こらなかったように
-
高梁サト ...
自由詩
9
11-3-19
日の丸の旗_ーSAVE_JAPANー_
-
服部 剛
自由詩
4
11-3-17
『光よ届け』
-
座一
自由詩
10*
11-3-17
雪が降る
-
吉岡ペペ ...
自由詩
6
11-3-17
きみに寄り添う
-
石川敬大
自由詩
11*
11-3-17
マザー・ネイチャー/マンメイド・ベイビーズ
-
salco
自由詩
7*
11-3-17
史跡を巡る__‥Ⅱ
-
アラガイ ...
自由詩
6*
11-3-15
小田原城にて
-
吉岡ペペ ...
自由詩
3
11-3-14
たいせつなひと
-
恋月 ぴ ...
自由詩
20*
11-3-14
小さな君への挨拶
-
岡部淳太 ...
自由詩
17*
11-3-14
今を登る_
-
服部 剛
自由詩
4
11-3-9
【批評祭参加作品】朗読についていくつか
-
rabbitfighte ...
散文(批評 ...
9*
11-3-8
【批評祭参加作品】文法に果敢に肉薄する文学
-
石川敬大
散文(批評 ...
5*
11-3-7
シンクロニティ
-
高梁サト ...
自由詩
12
11-3-7
梅見のひと
-
恋月 ぴ ...
自由詩
15*
11-3-7
【批評祭参加作品】空が青いから白をえらんだのです_奈良少年刑 ...
-
石川敬大
散文(批評 ...
8*
11-3-7
【批評祭参加作品】まど・みちおの戦争協力詩
-
石川敬大
散文(批評 ...
6+*
11-3-7
【批評祭参加作品】詩を特別だと思ってる人たちへ
-
相田 九 ...
散文(批評 ...
11*
11-3-6
柔らかな化石
-
nonya
自由詩
15*
11-3-5
【批評祭参加作品】遊びごころという本気_ー辻征夫試論ー
-
石川敬大
散文(批評 ...
5*
11-3-5
【批評祭参加作品】石原吉郎の可能性_ー石原吉郎試論ー
-
石川敬大
散文(批評 ...
6*
11-3-5
【批評祭参加作品】近代詩へのリンク_ー富永太郎試論ー
-
石川敬大
散文(批評 ...
7*
11-3-5
風邪
-
花形新次
自由詩
5*
11-3-5
悲しみ
-
未有花
自由詩
23*
11-3-3
タタミのうえの椿ふたつ
-
石川敬大
自由詩
23*
11-2-28
まもなくのひと
-
恋月 ぴ ...
自由詩
20*
11-2-28
潮の岬__2011
-
たま
自由詩
23*
11-2-28
茶室のデスマスク
-
吉岡ペペ ...
自由詩
5
11-2-28
ほつれる
-
nonya
自由詩
22+*
11-2-27
さびしかった
-
吉岡ペペ ...
自由詩
16
11-2-27
1
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3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
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