出かけようとして出かけられなかった朝に
ひとりの女性の顛末を知る

喩えようのない過去の行状
足跡の是非はともかくとして
不治の病に長らく臥していたとのこと

病棟の小窓に映す時代の移ろ ....
息も凍る 寒い夕
その仔は

少し積もった 雪の上に
ちょっこり乗って
ふるえていた

雪よりもグレーがかっている
もう
鳴くチカラさえなえている

そっと
手につつんだ

 ....
到達出来ない極みがある
それは遥かなる山上の氷のなかに咲く花のように
近づこうとして
近づいてはいけない

わたしは、
ビニール袋を口にあてがう過呼吸症候群患者のように
こと ....
テレビ放送を後にして
二階の部屋から そっと屋根に上がる
両手を組み合わせて
ベントラー ベントラー と祈る
星空の彼方から
ユーホーが くるはずだった

それは極秘情報であり きたとし ....
女であらむとすること
男に対し、
性的対象としてこちらを見得ない少年を除外した
男という男の全て
青年、成年、中年、老人にさえ
醜い青年、醜い成人、醜い中年男、醜い老いぼれに対してさえ
女 ....
いつもそこにいる

あたしのこころとおんなじだ

あたしのこころはいつも

あたしのそばにいてくれている


東郷公園よこの坂道

そこをすっとくだってしまうのは

いつも惜 ....
 農業をする蟻ハキリアリをみていた
 福山雅治が
 素っ頓狂な声をあげた
 列をなして葉っぱを運んでいる
 きりとった葉っぱをミドリの帆にして巣穴に運んでいる


 蟻の道が ....
お肉は脂多めの
ロースがいい
揚げ油は
ラードがいい
玉ねぎは
やわらかめのほうがいい
タマゴはとろ〜り
半熟がいい
(そうそう、三つ葉も忘れずにね!)
女房には無口でいて欲しい
 ....
北東の隅にある茶色いシミは
無鉄砲で幼いエネルギーが
やるせなくせり上げた僕の山脈

山肌に滲んだ汗と涙は
入り組んだ等高線に弄ばれながら
諦めに良く似た水色の帯となり
 ....
あたしは妬む
他人の有り様を妬むのだよ
若い者、綺麗な者、愛に浴す者、持てる者達が憎らしい
だから顔がほら、こんなに腐って黒くなってしまったのさ

あたしは疎む
邪魔立ては許さない
前を ....
{引用=



真夜中に犬の声がかけてゆく


やっと帰宅した息子と
息子の帰宅を待っていた家内が
ダイニング・テーブルではなしをしている
声が
ボソボソきこえる

テレビの ....
{引用=
どぶ川に棄てられた
あの子はどこへ行ったかな
しろい柔肌を
葉っぱみたいな深緑色にして
ぷかぷか浮いて流れていった

幼い兄妹がそれを指差して口づさむ

(ごらんごらんあれ ....
机の上に置かれた 
黒い本の中に 
うっすらと、顔がある 

自分の貧しさに震える私と 
遥かな昔に交した約束を 
今も語っている 

蝋燭の火が 
風にふっと、消えた 
暗闇から ....
聴く、という姿勢で 
石の上に腰かけ 
微かに首を傾けながら 
瞳を閉じる少女よ 

冬の冷たい風に襟を立て 
凍える私の前で 
風に耳を澄ます 
銅像の少女よ 

閉じた瞳の裏に ....
駅前のデパートが閉まると聞き
短い帰省の間、立ち寄った
商品のない売り場と
間もなく解雇される店員たちの笑顔が
とても痛々しかった

逃げるようにエレベーターのボタンを押したとき
七歳の ....
気楽な女の
お一人様も 珍しくない
今日日(きょうび)

あたしはアイツに
すっぽかされて

居酒屋のカウンターに
座った

日本酒 熱燗!
刺身と焼き椎茸

椎茸を網であぶ ....
愛さえあればなんてね
でもそれってお金で買えそうな気もするよ

何もしないからと言いながら
私の背中に変なのを押し当ててくる

そんな安っぽいんじゃなくてさ

至高の愛
とか
無償 ....
雪の降る日には
わたしの手は凍えてしまい
擦り合わせても
擦り合わせても
ちっともあたたかくなりません

デパートで500円で買った手袋をして
いっしょうけんめい擦り合わせ
じっと火を ....
看板ばかりが大きな
古ぼけたシェブロン 
停留所のサインも なにもないそこに
長距離バスがやってくる

テール・ランプの冷たい光りの帯
夜の街は、行き場を失った静けさに満たされ
月の光さ ....
浜町で地下鉄を降りたら
明治座を背にして
とっぷりと暮れた
甘酒横丁をまっつぐ歩く

人通りも疎らな通りを
吹き抜けていく北風が
飼い馴らしたはずのひとりぼっちを
カ ....
 なにが有効な手なのか
 わからないままに
 かれは
 もう、とっくに
 地図に表記されていない場所にきていた

 音がない
 姿がない
 赤い血が
 ながれることのない ....
さびしい気持ちなんてものはない

なにかが気持ちをそうさせているだけだ

なにかがあるから

そうなる気持ちなんだとしたら

なにかがなければ

気持ちなんてものはなくなるはずだ
 ....
りすはおばかだ。どんぐりをどこへ隠したか忘れる。

ばあさんもおばかだ。鼻紙をいろんなところに隠して忘れる。

エコを心配して、ばあさんを叱ってはいけない。ばあさんには、ポケットの中、パンツの中、枕 ....
そういうじぶんをきらいになるしか

あなたとは別れることできなかった

オレ泣きそうだな、なんかさ

あなたをきらいになれないから

そういうじぶんをきらいになるしか

あなたとは ....
{引用=
小さな籠の中からこちらを見やる
黒々としたきよらかな眼
欲しがる言葉も持たぬ
やわい毛糸玉のような身体を掬い上げ
背筋に鼻先を埋めれば
滴り落ちる真水で濡れそぼる羽
愛すること ....
はだかんぼうな大銀杏の木
それでも寒々しさは微塵にもなくて

なんだか凛々しい

思わずさわりたくなって
てのひらで逞しい幹にふれてみれば

生きているんだ

木なんだから動きもし ....
ミロのビーナスは

両腕で僕を抱き締めようとして

両腕をきりおとされた

あの黄色い満月は

巨人が少しづつ月を食べて

そして初めて三日月になった

あの太陽は好きな人と目 ....
「鬼は外!福は内!」
節分になると そういう声も聴きます。

豆を蒔くのも 畑や庭に撒くぐらいのことでしたら
1年のうち1日ぐらいは と我慢もしてきました。
 
「福は内、鬼も内」と言う地 ....
{引用=
両の手で耳を塞いで
押し寄せる血潮の波の
遥か遠くの音を聴いている

真夜中に

わたしはわたしの体が
排除しようとするものを
いつまできつく
抱き締めているのだろう
 ....
ベランダにでて月をケイタイで撮るひとがいる

月のしたで勉強を誓うひとがいる

試験は春ごろだろうか

どこにゆけば

安定した幸福を感じつづけられるのか


天体はまちに住んでいる

オリオンがから ....
……とある蛙さんのおすすめリスト(3008)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
顛末のひと- 恋月 ぴ ...自由詩22+*11-2-7
白い仔- 森の猫自由詩5*11-2-6
『氷のなかに咲く花』- あおい満 ...自由詩4*11-2-6
未確認飛行物体- 砂木自由詩8*11-2-6
おミズ鉄則- salco自由詩3*11-2-6
東郷公園よこの坂道- 吉岡ペペ ...自由詩911-2-6
ハキリアリにおもう- 石川敬大自由詩24*11-2-6
カツ丼唄- 花形新次自由詩3*11-2-6
ボンヌ図法としての僕- nonya自由詩16+*11-2-5
三鬼面- salco自由詩6*11-2-5
浮遊するレジ袋と真夜中に棲むものの声- 石川敬大自由詩14*11-2-3
魚の子- 高梁サト ...自由詩10*11-2-2
不思議な目_- 服部 剛自由詩711-2-2
裸の木_- 服部 剛自由詩711-2-1
とても控えめな愛に育まれていた頃- 西天 龍自由詩24*11-2-1
ひとり呑み- 森の猫自由詩5*11-2-1
かさねるひと- 恋月 ぴ ...自由詩20*11-1-31
あたたかい手- within自由詩8*11-1-31
帰郷- 月乃助自由詩14*11-1-30
- nonya自由詩17*11-1-29
パカッと割れた苦悩なんかない- 石川敬大自由詩17*11-1-28
なにかと気持ち- 吉岡ペペ ...自由詩111-1-27
りすとばあさん- 阿ト理恵携帯写真+ ...7*11-1-24
別れの流儀- 吉岡ペペ ...自由詩211-1-24
きよらかなめ- 高梁サト ...自由詩7*11-1-24
ふれるひと- 恋月 ぴ ...自由詩24*11-1-24
世界の本当の真実- こめ自由詩1311-1-24
節分大空襲- 北大路京 ...自由詩11*11-1-24
泡の花- 高梁サト ...自由詩8*11-1-23
天体の住むまちに- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...1111-1-23

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