ドアを開けたらまだ真っ暗で
少しめげたけど
新宿行き高速バスの始発は5時3分
元気を出して、君に会いに行こう

バス停は牧場の横、畑の中
途中が手探り足探りの真っ暗で
牛が寝言でいつも驚 ....
 気象台横のごつごつと張り出した岩の上に、よじ登るようにして立ちあがれば、海峡と町の景色が突然足の下にひろがる。そしてその先、海峡の向こうには、白い岩山の山脈がゆったりと雲の下に姿を見せ広々としている .... 小舟を浮かべて 新しい世界を求めて
僕は旅に出ようと思います ひとりで

生きていく才能のない僕は
誰かが傍らにいてくれないと
ウサギのように震えて死んでしまいそうです

それでもひとり ....
 出会いは不思議と偶然でも、あの時でなくてもいつかきっとそうなったと思うほど、二人何かに導かれるように知り合った。
 大学の図書館で、いくらもない日本語の本の中から、読めそうな小説をさがしている時に ....
まことしやかに伝わる嘘を
信じてただただ突き進んでた
貴方の背中を私は見てた
貴方の涙は見えなかったわ

私は貴方を失って
ぽつねんと一人立ちすくんでた
叫んでは獣に気づかれ ....
昔の女に電話しそうになった

たわいもない話をして

うちに来る?なんて言葉のあと

ふつうを装うのはもう御免だった

電話しても会えなかったかも知れない

駅でビジネス本を一万円 ....
己かわいさに泣くよりも
口を結んで仕事しな

そおすりゃ
田舎の母さまに
粋な便りも書けるだろうし

まんまるお月様登る国で
ぶくぶく溺れる事もなし

貴方十五の ....
冷たくなってきた風に漂って
きみは何処を向いているのですか


田んぼの脇に咲くススキ
あでやかな花に囲まれて
色づく葉っぱに包まれて
それでも自らの身体を染めることはなく


華 ....
 マロニエの街路樹が黄葉に色付き、小ぬか雨が毎日のように降り始めると、もう秋冷の季節がやってきていた。
 まとわり付くような秋雨の中、娘ははダウンタウンで彼と落ち合うと、一緒に通っている大学からのバ ....
{引用=

光のあふれる
みなもは、しじまの
はぐれた啄木鳥の子どもが、背を黒くし ―●―
オークの幹をつついています

水音にささやかれる樹の間は、
あたたかな池畔のひろがり

 ....
この世に生まれることのなかったあの子も

あの世で新型インフルエンザにかかってやしないか

息子の看病をしながらそんなことを心配していた

ウィルスも死んだらあの世にゆくのだろうか

 ....
香の濃いコーヒーの匂い

時間など忘れてしまいそうな一時

走るのを止めないのは

駆け抜ける風が心地いいから

旅にでるからもちものはきびだんごで

そういって後にした

数 ....
色が死んでいく季節の中で
鮮やかに咲く秋の薔薇
何故それほどに、と
数え切れぬほど問われたけれど
同じ夏と冬の狭間でも
身を切られたことがない人たちに
その違いは決して分からない

そ ....
 
 その髪のすぐ下、右の肩に小さな木の葉のような痣があった。
 重は、その痣を見ながら、自分にも葉の形の痣が腿にあったのを思い出し、ほんの一時同じ家系か、一族かそんな血を持つ娘を目にしているよう ....
軽やかな部屋
羽ばたくように
真鍮の鈍い光の反射

中空にあるのは
現世から浮かびあがろうと
何ものにも縛られたくないと
軽やかな意識で瞑想したいと
でも思っているのか

未熟なま ....
風のつよい満月の夜だった

荒れ狂うものは風しかないようだった

風は目には見えなかった

近くで音と圧力がほどけていた

夜いちめんの雲が月の光を吸っていた

それらがブラマンク ....
全寮制の中学に通っていた

六時から十時までは

途中休憩をはさんで学習室で勉強だった

中間試験が終わった十月の土曜日

その日だけは自習時間がなかった

テレビ室には二十人くら ....
{引用=off



部屋の明かりを消しても
真っ暗にはならないんだね。
夜たちからは、もうとっくに
ほんとうの夜なんて
消え去ってしまったみたい。

街灯の光がカーテンを透かし
 ....
もっと息子と向き合えよ
と 夫は言う

筋ジストロフィーの息子は
23才になった
もう 完全に大人の男だ

あの頃
あの6年弱は
わたしにとって格闘の時代だった

小6の担任から ....
 
 重も、その娘に手を差し出すと、つとその手を握り締めて暗い廊下を、何人もの男をそうしてきたような慣れたいざない方で部屋へと連れていかれる。
 そんな時、言葉など必要ないのが、いまだに英語もまま ....
高校生時代の友人と三十年ぶりに連絡を取るようになり、MLで音楽談義などするようになった。

ジョニ・ミッチェルを聴けという。ツェッペリン、パープル、クイーンが好きなやつだっただけに、その変貌ぶり ....
わかったことがある。

これまであらゆる現代詩を読んでいても、言語的な感動をしたことがない。

そのことが、自分の作品にある致命的な欠落(文字の連なりに付加価値を与える要素)の正体であり、そし ....
例えこの世界が嘘だとしても
私の頬を包んだ
貴方の手の温もりは
真実だと泣いた

波が打ち寄せる岸壁に
叫んだ
私の人生は終わりだと
何故貴方達は言うのか
自らの人生でさえ
危うい ....
   踏切


仮に待たされたと考えて
横切っていく貨物列車の裏側には
「さよなら」さえも存在しない
元々は一方的に出来合いとして扱われていたのだから
どこにも間違いはないと言えるのだが ....
 北の海は凍てつく潮風がのし掛かるような厳しい冬空の下にあった。
 北上してきてやっと大洋から入り組んだ細い海峡へ、そして最後に港のある入り江に辿り着いた帆船はどれも内陸からの荷が町まで届いておらず ....
これが何を意味するかは解らないけど、


この痛みは確実に、私の身体を蝕んでいる。




何とかしなくちゃとは思うのだけど、

行動に移す程の事でもないかと、思ってし ....
十月さいごの日だまりが

ぼくらに光を継いでゆく

風のしたで悲しみをかまえ

いちばん好きな他人を失う


恋人の不実をまえにして

ぼくは悪くなかったのか

神様、怒って ....
 町の誰もがそれを知ったとき、多分、それは、男の女への未練だろうと噂した。
 女とその娘がどこに行ったのか、町の誰も知らず、男に聞かれても皆ただ首を振るだけだった。
 男は、女が灯台のある島の赤い ....
「そっか。そうだね。見つかっちゃったんだ」
 サッカーの練習から帰ってきたHiromiは、Sayoの話を聞くとそれだけ口にしPenneの頭をなでていた。
 Sayoは大きな旅行用のバッグを持ってく ....
探しているものは案外そばにあって
あちこちひっくり返したりしてるその手の
袖口に引っかかっていたりする


最後にきみを見たのはいつだったか
霧がかかったみたいにぼんやりとしているけれど
 ....
……とある蛙さんのおすすめリスト(2997)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
君に会いに行こう- 西天 龍自由詩6*09-11-6
「落陽」(3/3)- 月乃助散文(批評 ...2*09-11-6
冬の船出- within自由詩10*09-11-5
「落陽」(2/3)- 月乃助散文(批評 ...3*09-11-5
或る女- 田園自由詩409-11-5
昔の女- 吉岡ペペ ...自由詩8+09-11-4
下呂小唄- 田園自由詩409-11-4
きみはほうき星の足跡- あ。自由詩27*09-11-4
「落陽」(1/3)- 月乃助散文(批評 ...3*09-11-4
「うつわの水」- 月乃助自由詩5*09-11-4
あの子の看病- 吉岡ペペ ...自由詩609-11-3
夢の中に飛込んだ- こめ自由詩1409-11-3
秋の薔薇- 西天 龍自由詩3*09-11-3
「冬の肌」(3/3)- 月乃助散文(批評 ...2*09-11-3
薄暮の部屋から- kauz ...自由詩11*09-11-2
あかるいブラマンク- 吉岡ペペ ...自由詩509-11-2
中二の秋- 吉岡ペペ ...自由詩509-11-2
off- 夏嶋 真 ...自由詩3009-11-2
時代- 森の猫自由詩12*09-11-2
「冬の肌」(2/3)- 月乃助散文(批評 ...4*09-11-2
北米版『北の宿』か_Joni_Mitchell_&_Jame ...- A-29散文(批評 ...1*09-11-1
現代詩をそんな読み方してないゆえに- KETIPA散文(批評 ...9+*09-11-1
温もり- ミツバチ自由詩7*09-11-1
滲みゆく月- 中原 那 ...自由詩11*09-11-1
「冬の肌」(1/3)- 月乃助散文(批評 ...4*09-11-1
侵食、怖畏。- aokage自由詩4*09-10-31
ぼくらは光を継いでゆく- 吉岡ペペ ...自由詩2109-10-31
「あざらしの島」(4)- 月乃助散文(批評 ...3*09-10-31
「波の声をきいて」(13)- 月乃助散文(批評 ...5*09-10-30
秋桜は大人になってゆく- あ。自由詩15*09-10-29

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