赤い屋根のお庭には、
たくさんの死骸が
ごろごろと横たわっていました
胴体を切られた者達が、

七重八重になって、乱雑に
ひしゃげた腕が
その間に差し出されては、
修羅場をいっそう ....
僕が林檎をかじっているこの世界は
銀色の象の胃袋の中にあって
銀色の象が星を喰う世界は
英語を話す蛇の海馬のあたりに浮かんでる

英語を話す蛇が
日本語を解読しようとする世界は
すべてが ....
うすももいろの{ルビ襦袢=じゅばん}の
冬に{ルビ纏=まと}えば
きぬの{ルビ温=ぬく}さ

衿をくいと抜き
腰ひもをきゅうと締める
そのうえに伊達〆をきゅうと締める

足元に着やすく ....
平坦な道をとぼとぼ歩いていくことが
いつしか当たり前になっていて
地図にない道を通ろうとすることを
鼻で笑うことが多くなった

冗談を言うつもりはさらさらない
仮にそうであったとしても
 ....
今夜の月が黄色なら
綺麗に身支度を整えて
遠くに旅へ
小さな奇跡が
起きますように
ピアノのラの音を頂戴

たくさんの荷物は要らないの
そう
好きな音楽だけでいいかも
思い出なんて ....
大事なものには形が無い
無いものを確かめようともがく

心はあるか?
心は見えない
心はさわれない
心が無いと思う人はいない

大事なものには形が無い
無いものをほしがって今日も泣く ....
うつむきながら
老婆があゆむ
右の手にしたほそい杖
すりきれたコートにつつまれて
冬の濡れた芝の上を
さまようように
あきらめたように

差し出す雑誌に
日本のことがかいてあるの ....
線路の上の林檎のような
男と女の営み

線路の上の林檎のような
私の心臓

絶頂はそろそろかたかたと
思わせぶりにやってくる

線路が震えるだろう
それは林檎に向けて必ずやってくる ....
自殺が話題にされると
じぶんの引き出しに
自殺が入り込んで来る

まさかじぶんが
そんなこと
今は有り得ない

この実感が曖昧なことに
しばらくして気づく
自殺よ、忍び寄らないで
 ....
はるか昔、深海で織られた地層は
湧き上がる二つ対流の狭間で
荒々しくこそぎとられアルプスとなった
そのせめぎあいで
この谷を境に
やむを得ず東日本は南北に向きを変えたという

山中に住む ....
花びらを口に含む
美しさを
儚さを
自分のものにするため
理解するため

永遠の貝がら
柔らかく張りのある
食べられることもなく
散りゆく姿を
傍観しているのは
狂い咲きはじめた ....
   言葉を、さがすのです 

   くろうしながら
 伝えるのは
  もどかしい けれど

本当に言いたいことは 
行の間や【。】のなか
星の間のくらやみや
言葉のすき間にかく ....
かつて心を置き去りにした土地で
足元を掬われないように前へ、前へ

敷き詰められた岩の隙間で浮かんでいるのは
汚れた発泡スチロールの欠片ばかり
忘れられたオモチャの残骸は
ひきつった笑顔を崩さないよう ....
すべてを失ったはずだった

あれから家に辿りつくまで幾度と無く転んでしまい
死装束にと亡き父に誂えてもらったリクルートスーツ着てきたのに
あちこちに鍵裂きを作ってしまった

死への船出がこ ....
プリズムを
とおしたひかりは
なめらかな
グラデーション

うつろう色みを取り出して
あか き みどり と
括ってしまえば
そのなめらかさは失われ
大雑把さに囲われる

そん ....
暗中模索の日々のなかを

わたしはきょうも

わたしはあしたも

きょうという日々を生きるだろう


ひとの夢がわたしの夢に沿わないとき

わたしはそのひとを

愚かだと決め ....
鳥の飛ぶ
銀のピアスをもらったよ


こいつったら ときどき
姿をかえるから
翼を広げてとびまわる


だから、耳をひっぱったりして、
やんちゃな赤ちゃんみたい 
でも、ありがと ....
陽の光が徐々に弱まり
空気も冷たくなって
そろそろ冬が来るのだと気付く
一人に慣れている私でも
この季節は人恋しい
人混みに紛れてみても
近くのコンビニの
おでんを求めてみても
寂しい ....
少女のような
その逆のような
真ん中かも知れない
だけど男ではない

助けを呼んでいる
キュンキュンきてる
アマリア・ロドリゲスの
歌声は無垢な群れ


路面の電車、壁と見まがう ....
■■■■■■■■□□
■■■■□□□□□■
■■■■□□■■□□
■■■■■■□□■■
■■■■■■□□■■
 
{引用=           
これは、リンゴの木の前に立っている私 ....
回転を少し止めた朝は
おだやかな
エメラルドの生地で

ひとつの心臓もない
白い砂床に
波のつぶやきを聴く

貝の肉のような
とりとめのない柔らかさに憧れ
ギリギリと角質の擦れ合う ....
うすい長袖の体は震える
氷結晶の霜が震わせる
暖房の効いた部屋に
逃げ込まないで
震えている
{引用=死して尚も取引される彼
死を回避しながらも墓石に値をつける詐欺師の群れ
安らかな終焉にまだ続きがあったなら
それでも彼は穏やかに旅立っただろうか}

シャーマン達が今日も街中で炎を焚 ....
大阪を発ち東京に向かっていた

車窓の闇のせいで
一瞬夜のような錯覚を覚える
これは朝の暗さなのだ
車内の匂いがまだ人間に撹拌されていない

車内の明かりの鮮度に目がなれてゆく
車窓の ....
{ルビ=
突然のお手紙失礼致します。
何をと思われず、どうか先をお読みください。
この手紙は、招待状でございます。
私どもの国にいらっしゃいませんか?
急なご連絡でまことに恐縮ですが、
私 ....
飛騨高山へと走る 
ローカル列車には 
マレーシアの5人家族が 
横一列に、座っていた。 

カメラを首にかけた夫が 
向かいの席にいた僕に 
英語で話しかけてきて 
僕はカタコトの単 ....
わたしがうさぎだった頃
この世は赤いもやがかかっていた
花びら一枚にも手が届かないので
うつむいてありの行列を眺めるしかなかった


わたしがひなどりだった頃
飛び立ちたくて仕方がなかっ ....
テーブルの上には、
分からないことばかり
整然すぎるほど あふれ
どれが なになのかを
さがして、時間を費やすけれども
けしてそれは、愚かなことなどでは
ないのです。



 ....
まだぼくが幼かったころ
不倫あいてに
星野道夫の旅をする木を読んであげていたことがある
あいてはそのまま眠りたかったに違いない
まだぼくは幼かったから
からだをいたわるふりをして
あいてに ....
マッチ売りの少女にでもなった気分で
その鍵穴を覗くのがわたしの日課となってしまった

この街へ引っ越してきた当時はタバコ屋さんだったトタン屋根の並び
ちょっとしたお屋敷風の黒塀に
その鍵穴は ....
……とある蛙さんのおすすめリスト(2997)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
X_29.50- 月乃助自由詩5*09-12-5
火星に生命がいた可能性- 瑠王携帯写真+ ...7*09-12-4
仕度- 笠原 ち ...自由詩18*09-12-4
あまのじゃく- 中原 那 ...自由詩17+*09-12-3
moon- ミツバチ自由詩17*09-12-3
大事なもののかたち- 朧月自由詩609-12-2
Maria- 月乃助自由詩7*09-12-2
線路の上の林檎のような- 瑠王自由詩5*09-12-2
自殺- 吉岡ペペ ...自由詩809-12-2
時の記憶- 西天 龍自由詩9*09-12-2
儚くも咲くために- within自由詩10*09-12-1
「花_束」- 月乃助自由詩8*09-12-1
防波堤の風- 中原 那 ...携帯写真+ ...12*09-12-1
知るひと- 恋月 ぴ ...自由詩23*09-11-30
ククル_プリズム- 笠原 ち ...自由詩5*09-11-29
きょうという日々を- 吉岡ペペ ...自由詩609-11-29
銀のピアス- 月乃助自由詩9*09-11-29
ポケット- ミツバチ自由詩6*09-11-28
無垢な群れ- 吉岡ペペ ...自由詩509-11-28
りんご写真- 月乃助自由詩6*09-11-27
貝夢想- 佐野権太自由詩16*09-11-27
鳥の孤独- within自由詩5*09-11-26
鳩の多い街- 瑠王自由詩4*09-11-26
朝暗いうちに- 吉岡ペペ ...自由詩809-11-26
「こびとの国からの招待状」- 月乃助自由詩4+*09-11-26
記念写真_- 服部 剛自由詩209-11-25
わたしが変化していた頃- あ。自由詩16*09-11-25
別れの灯り- 月乃助自由詩5*09-11-25
アラスカ行きの約束- 吉岡ペペ ...自由詩509-11-24
鍵穴のひと- 恋月 ぴ ...自由詩21+*09-11-24

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