暗い部屋の一角を 橙に染める白熱灯
闇と光の境界面に 一羽
透けた油色の水鳥が 羽根を休めて
緩い波紋 円の波を生んでいる
この胸まで 波は 広がっては消え また広がる ....
おとなになってから
倫理をふみつぶして歩くことが多くなった
仕事も人間関係もそんなことが多くなった
大義名分なんてそんなあるはずもなく
屁理屈と意地と感情でそれを選んでいた
....
モノを言わせたければ
いろんなモノを
見たほうがいい
綺麗じゃないモノや
馬鹿げたモノを
もっと食べさせてやれば
君の可愛い節穴だって
とてもお喋りな
武器になるかもしれない
すれ違い様のカンニング
嗚呼、陰湿!
やたらと大きな箱に入っている金属片は
確かに鋭利な形をしているが
触れたならば崩れ落ちそうなので
威嚇する顔つきはどこか可哀想
捨てられないか ....
やたらと動きのよい男は
チーフを取り出して涙を拭う
そして顔を傾けて囁く
女は台本通りに今宵二度目の愛を誓い
嗚呼、悲劇などないのだ、と
そして舞台袖の暗がりでは
黒髪を撫でつけた ....
積年の黒くかびた墓を
新しく建て直すために
取り出された骨壷
つるりとした陶磁の表面は
寒々しく
気を抜くと体温を吸い取られそうで
鳥肌が立つ
生きていた頃よりも
死後の青みが ....
大河に落ちた
他愛ない葉っぱにも
一年に一度は
特別な日がやって来る
浮かんでいようが
溺れていようが
沈んでいようが
渦に巻かれていようが
おめでとう
を投げつけられたら
(できるだけ爽やかに ....
小学生のころ正義帳なるものをつくった
表紙には宇宙に浮かんだ地球の絵を描いた
その絵のうえの余白に、せいぎちょう、と記した
1ページめにはまず、せいぎのるーる、五箇条を書いた
あの頃といまも考 ....
知らない遊びを怖がって
炭酸飲料で約3%に希釈した恍惚を飲み干す
最初から分かりきっていたこと、花より団子
お利口さんな日々を過ごしてきたものだから
東淀川がどうしても大きく見えすぎて ....
君はいつか僕に会えるだろう
人は意外とかんたんに
見知らぬ遠い場所までいくことができるから
僕も毎日、想っていた
父さん母さんに連れられて
テニアンやサイパンにまで
砂糖黍畑を ....
へえ、そうなんだぁ
今はもう小さな児童公園の近くに祠があるだけで
不忍池と同じくらいの池がここにあったなんて信じられない
畔にあった茶屋のお玉さんが身を投げたのでお玉が池と名づけられたと ....
あなたが送ってくれた手紙を読みながら
まだ一度も会ったことのない
あなたの笑顔をかんがえる
そういうときの私は
太陽に向かってノーテンキに咲いている
この島のハイビスカスなのです
平淡な 板上の 安定した 金属の 丸い 群れ
平淡な 板上の 安定した 金属の 丸い 群れ
平淡な 板上の 安定した 金属の 丸い 群れ
平淡な 板上の 安定した 金属の 丸い 群れ ....
雫の滴るココロノヒカリ
波紋の静けさココロノヒカリ
ココロノヒカリココロノヒカリ
月の明かりにココロノヒカリ
戦車の音鳴るココロノヒカリ
ココロノヒカリ
....
あ
声にならないひとこと
君はテーブルに突っ伏す
修学旅行で撮った百数十枚の
写真をテレビに映して
得意げに/楽しげに
拡大したり縮小したりして
鑑賞していた時のことだった
....
涙が止まらない君を
為す術もなく眺めていた
いちばん綺麗な君を
見せてくれてありがとう
涙を流し終えたら君は
見慣れた景色の中で
自由になればいい
でも
また咲きたくなったら
会おうね
き ....
↑ ← ← ← ←
私はぼんやりした人である
だから空へ登って行きたいと願う 手段は問わない ↑ ....
あおい蕾が
春の嵐にぽきん、と折れて
公園のくずかごに捨てられている
花の命のありかがわからなくて
こわごわ抱いて家に帰る
光に翳すと
やわらぎながら
ほどけてゆく部屋
輪郭をも ....
試合前の練習中
選手たちにノックしようとしたら
突然彼は胸を抑え、
バットを握ったまま
グランドに倒れた
担架に寝かされ、救急車で運ばれた彼を
原監督が、チームメートが、ファ ....
空色が失われた夕暮れ
プラタナスの老樹は幾重もの
たわんだ ながい枝
微風が、
せわしなく滑り抜ける
教会につづく坂の並木は、
夕日に染められ
刈り込まれたばかりの
青い芝生の ....
なんとなく書きたくなったので。ざくっと。軽く。軽く書いたら怒る人は怒りそうだけど。今回は怒られるの覚悟で。ホームレスのことで思い出すこといろいろ。
※
とりあえず、正直なところ、こんな程度 ....
弥勒の雨の降り初め
緑青の音階が透きとおった
川はもう
市街地に集合して海に戻りたがっている。
手のひらに(砂の塩)
29℃の残り香が開け放たれた窓を過ぎ、
鉄の雨が降った
クリーム色を ....
それにぼくはふたをしたのか
みてみぬふりをしたのか
きもちをコントロールしたのか
あきらめたのかわからなかった
でもいまゆめのなかで
あなたのもうひとつのなをよんで
はずかしくて
ホ ....
つまらない昨日にしがみついて
幾つもの朝を見過ごしてきたから
君が咲いていることにも
まったく気づかなかったんだ
いつまでも蕾んでなんかいられない
ホヤホヤの空元気と一緒に
「いってきます」を吐い ....
見せてくれ 男ダイリン 血の花火 バンジージャンプの 紐なしバージョン
{引用=
どこまでも遠浅の海岸で
白波を追いかける明方
目覚めると涙を舐めていた
すぐ熱いシャワーで
洗い流そうとしたのに
いつまでも耳奥から波の音が消えずに
こんな音
溺れる前に ....
嵐のまんなかで
ページがくられるように
きみは離れていった
永遠なんて言葉で
さよならしたふりをするのなら
ふってくれたらいいのにね
もう二度と会えないひとなんて
ほんとうにいるのだ ....
ねえねえねえってば
私がパソコンの画面指差してるのに
あの人は我関せずとばかりに出かけてしまった
公園の桜でも眺めに行ったのかな
パソコンの画面に目を戻せば何だか騒がしい
う〜ん ....
目で探りながら
手で解ったふりをする
口で汚しておいて
肩で諦め切れない
そんな浅はかで気紛れな
自分の中の振り子を
ひとときだけ止めて
佇んでみたけれど
森の深い呼吸が
耳の後ろをくすぐるから ....
笑うことが苦手な君は()の中で笑っている
掴んだ言葉や色を
悲しみの下地に上塗りする
黒の透けた白い肌が
本当の君から目を反らす
人々は摘んで食べては
口々においし ....
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