僕の考えた妖怪
妖怪助けてー
肩から上しかない妖怪。
浅瀬で助けを求める。肩から上しか見えないので、川が深いと思って
助けに飛び込んだ人が顔面を強打して死ぬとその肉をむさぼる。
善意に ....
雲なんか空に置いてみる
ひいらぎ束ね振って祓う
木と私の間に確かに秋がある
泳ぎだす
香にオーブンから ときはなたれ
あたたかな うれしさに
まるで熱のある魚のように、
いいえ ちがう ちがう、
喜び
だからこそ
うかれ キ ....
やらねばならぬ
そんな夜
寝不足の目は
赤信号だけど
コーヒーと気合を
入れなおして
今晩は
やらねばならぬ
9月だってば
9月になったんだってば
それで何かが変わるってわけじゃないけど
夏の記憶には「さよなら」したし
もう後悔なんてしないと決めたのだから
秋だってば
秋になったんだってば ....
ことしベトナムにいったときに
この穴にベトコンが隠れていたんだ、
という穴にははいらなかった
はいらなくて正解だった
狭い所が年々苦手になってきているようだからだ
きょう ....
月夜に現れたみずうみに 僕は裸になって
飛び込んだ。別に入水自殺をしようってわけじゃない。これは
ひとつの儀式のようなもので、言うなれば自然との同化、共有
されるファイルを独り ....
変身
人工物の動脈硬化
カテーテルを入れて抜いた
声変期
脱皮・変態
モルヒネを入れて抜いた
静脈にモルヒネを
流れ
川としての
求め、得、失い、求め、得、失い
の連関
それはリ ....
泡粒の数だけ思い出があり
からからからと音がする
競走はいつでもいちばん最後
ひとあし遅れて着いた小さな菓子屋で
真っ先に選ぶのは瓶入りのラムネ
にじみだす汗を乱暴にぬぐい
....
眩しい朝日に目を覚まして
窓を開けると
冷たく澄んだ空気が
まだ開けきらない
僕の目を
優しく撫でていきました
外の町は
少し霧に覆われていて
近くの山は
かかる霧に朝日が反射し ....
腰袋に小さな穴を開けて
そこに花の種をつめている
みんなの言ってることが分からないのに
分かったふりで失敗したので
監督に怒られている
まばたきをしている間に
ミートボールを盗まれた
ト ....
夏の 目の高さに芝があって
そこに 白爪草が 咲いていたって
むすめが おぼつかなく 歩きはじめたって
あたしが それを わらって見ていたって
あたしは やっぱり
なくしてる
....
確率変動が起こるのであれば
それわそれわ滑稽なことですね
楽に死ねると思わない方がいい
死ぬことに楽など通用しない
安楽死を望んでもそれは不可能
何故なら安らかに楽しく死 ....
ハノンにカノン
そしてバイエル
短小のタスクは
凛々と遊び
バビロンの塔は
脆くも崩れ去り
マンモンも神門も閉ざされ
幽門と噴門は灼熱と化した
そを空に問うても ....
大気ゆさゆさ揺れて急ぐ秋
台風を秘かに待って夜の雨
雨音に虫のすだきが溶けてゆく
相田みつをの書に素直になれない
そんなもんじゃないと反発してしまう
宮本輝の登場人物のセリフに素直になれない
そんなもんじゃないと反発してしまう
そんなもんじゃない
ならどんなもんなのか ....
心にあふれる かなしみには
おもさが あるらしい
だって 涙はきまって
したに したへと
おちていくもの
それに、
どこかでだれかの涙を
受ける器は 小さくって
た ....
ものがたる 星から ふってくる
はねのおと
ほろんだ鳥族の 夢が はかなく
僕の部屋の 窓辺に
ながれ つく
星をねがう
走鳥類のまつえいが
ねむる
広げた灰色の つばさが
....
散ル散ル朽チル
September, high tide 気がつけば
波高き9月になって風の音が憂鬱を
足元の砂に埋めて 耳元でいつまでも
鳴り続けていた千のアリアをそっと
水に溶いて空 ....
残暑に解けているヒモ結ぶ
こことそこ無名の余白に虹が架かる
日没が誘う秋の夜の暮れるを待つ
孔雀さまよえる詩人に園開く
命の華らに梵天の配慮は水やり
....
選挙カーはすれ違う僕を威嚇するかのように
年増うぐいすの声をぶつけてきたので
思わず
避けてしまった
遠ざかるにつれて
ドップラー効果の適用で
声が低く転調されていった
「 ....
レシピが載ってる小さな冊子は
もうすっかり秋でした
外はまだ夏を残しているというのに
お店には
もう秋刀魚が並んでいて
レシピには
栗にキノコ
鮭に鯖が踊り
美味しいお米と
デザート ....
夏の夜風にあたろうと
歩いたいつもの道影に
黒い{ルビ塊=かたまり}が、ひとつ。
四つん這いの蛙はぢっと
夜闇を、睨みつけていた
翌朝歩いた{ルビ同=おんな}じ場所に
....
遠く名も知らぬ国の山頂で
待ち焦がれた炎は消え
緑立つ少年の波は
今や金色の秋にもえ
激情は嵐を忘れ
ただ ただ思い出を吹きすさぶ
燐光は空たかく
せいのび ....
眩しい舗道に
蝉、おちた
鳴くのをやめて
飛ぶのをやめて
褐色の羽根に
ちりちりと熱が這い上っても
黙って空を仰ぐ
湿った真昼をまとい
木陰にくっきり分けられた ....
影長く夕暮れても一人の街
書物に忠誠尽くせば背が伸びる
孤高なる生はち切れて射す秋陽
単独行もの言わぬ行なり詩文よ
言葉の海に網打って意味を捕る
金色 ....
我が思うのは
迷宮の地獄の解読図のもとめかた
今日は誰を明日は誰を
そう考えて毎日を過ごす
理由はどうあれシッポをふんじゃったのは罪深き貴方
時は視ていた
その踊る ....
明るい都市の夜空に雲の轟音
バラバラと飛行灯の明滅
ウォーキング昏き夢など見続ける
鶏の眼がじっと視透す我が来世
街路樹に秋日さんさん都市眠い
夕暮れの縁側
ふと気が付けば
秋はすぐそこで
僕の憂鬱を抱えて待っています
ああ
夏が終わるのか
そう呟けば
少しばかり涼しい風が
心の隙間を
通り過ぎていきます
夏の ....
時追鳥を 知っていますか?
時間を追いかける鳥 それが、時追鳥
大きな羽根に小さな身体 頭は小さく 尾羽根は長い
七色の鳥だと言う人もいれば 真っ白だったと言う人もいる
ゆっくり過ぎる ....
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