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思い出1匙。
買う買うといって今なお買ってもらえてない約束のおもちゃ。

思い出1匙。
けれども負ぶってくれた背中はごつごつした筋肉のベッド。

思い出1匙。
毎朝のテレビ争奪戦で何度も ....
未だ無くならないイジメの自殺/教えてくれよそうなった経緯(いきさつ)
弱い者囲んで何が楽しい?/そんなお前見て親は悲しい
死ぬほど怖い物は無い/そんなのを選ぶことが怖い
それほど苦痛を感じてた/ ....
次の私が抱える各問題に答えなさい。

問1.存在価値を証明しなさい。







問2.夢、希望、理想を求めなさい。







問3.心の空欄を埋めなさい。
 ....
{引用=晴れやかな正午に
土砂降りの深夜に
ショーウィンドウ越しにわたしの海辺に寄って
砂浜で輝く貝殻を拾う
追い越して先回りする足取り
空瓶がひとつずつ埋まっていくたびに
はばたきの向こ ....
やっぱ自然には敵わないよね

今年はやたら寒いだけかと思ってたら
河津桜は紅いろの可憐なほころび揺れているし

これはとばかりにお出かけした越生の梅林
朝晩は冷え込むためなのか未だ七分咲き ....
別に何かを求めて彼といる訳ではないのだ。

コルツのどろり甘い煙がすでに雲掛かった部屋へ愛と共に吐き出される、白い幻影。
吐精の済んだ男は深いため息をついてさっさと私に背を向けている。
 ....
世界の裏にいたとき
とりとめもなく群がる人間の雑踏の絵が、ありました。その絵の中に、自分の体はハッカ飴みたいに白く浮いているのではないかとふいと足下を見つめる女の人が、いました。女の人ははたからみて ....
{画像=110307010254.jpg}
{引用=アカハチ}
 ....
一日に
二度の食事
少しの甘いもの
四十分ほど湯舟に浸かり
一本のチューハイか
グラスに二杯の安ワイン
十本の指を磨いて
文章を書いて眠る

一週間に
二度か三度性交し
新し ....
ふと目覚めた枕もとに
思い出がきていた

いつなのか
だれのものなのか
わからないのだけれど
波の音が聞こえる

思い出の持ち主がいないので
尋ねることもできず
わたし ....
乾いた大地に
夏の厳しい日差し
しおれてしまった花に
水をひとしずく下さい

*

空っぽになった部屋で
なくした希望を探す
仕方がないと言いながら
耳障りなため息を吐く

* ....
手のひらの小窓にあなたから写真がとどく。


風にあおられた火が波のように打ち寄せる深い
闇のなかにわたしたちが暮らす岸辺があるみた
いですね。
怖くもあり、それが真実の勇気であるようにも ....
私という人間は、一冊の本なのです。 

四角いからだに手足を生やし 
不恰好に揺れながら 
人々の間を往くのです 

私が通り過ぎる時 
誰もが振り返り 
「何だい奴は」と{ルビ嗤=わ ....
たましいのかけらになったって

いつもいつまでもいまも

あなたのそばにいる

ふあんもかなしみもない

ハッピーエンドに

ふたりしてかならずゆけるから


十年まえ

 ....
陽射
大きな橡の緑
葉に反る光と陰
春になる
過去に捨てた春になる
輝く線路に支配される列車の様な
敷かれた道を進む美しい塊になる

窓には冬から帰った命が開いている
線路沿いに ....
彼の名は確か太郎といった
そうではないかもしれない
宏だったかもしれない
武だったかもしれない
なんにせよ
平凡でいい名前だった
そんな気がする

彼は足が速かった
かけっこをすれば ....
コーヒーカップの底のコーヒーが
透明な水をうらやんで
不意に自分を分解しようとする

夜空に浮かぶあの月が
蛍光灯をうらやんで
宇宙に電気を通そうとする

わたしは
友達をうらやむけ ....
絶望をしっているかい?
と聞かれたら、キミはなんと答える?


知っている、と言えるやつはしらないだろう
わからない、と言うやつもしらないだろう
知っていると思う、
と言うやつはちょっと ....
れんちゃん、お眼目がとろとろ
おひるねの時間
ママはお出かけ
ぼくはギターのれんしゅう

外はさむいから畑しごとはおやすみしてしっかりれんしゅう
きらきら星と
メリーさんのひつじ
ター ....
排気ガスに舞い上げられた
小さな春を吸い込んで
私はこの街に生きている

裁判所前の桜
足繁く通った病院
水面に揺れる手漕ぎ舟

私はこの場所に居る


アスファルトにポ ....
琥珀色のサウンドトラックが、
頭蓋骨の内側を濡らしていく
すっかり皺が減り、ツルンとした私の大脳皮質


鼓膜までねじこむイヤホンや
タイムラインを流れる電子文字で
刻まれたものが薄れ、 ....
音をはずした
指先が曲がり
おこがましい
眠気へと倒れ
込んでしまう

彼女は私に嘘を吐きました。その嘘はあまりにもたくみでありましたから、私はその嘘を見破ることなど、したくなかった。した ....
今夜もお風呂に入れてあげる
一緒じゃないと危ないからね
眼鏡をはずしてあげよう
シャボンでブラシとシャンプーも

手ですくってかける
温かいしずくは
バスルームに響く魔法の音
湯気の向 ....
世界が声を失くしても
消えない音符と手を繋ごう

脳が奏でる
たった一つの音楽

外国語よりうんと近くて
私が使う日本語より
少し遠い言葉達

その歌の中に自分を見た
その人 ....
君の手のひらの
大きさと
あたたかさと
少しの戸惑いが

わたしを少しだけ
女の子に
してくれたよ
――しゅるり。

白いシャツが微かに鳴いて

仄かに上気した首筋
淡い名残の花

貴方は未だ気づかぬ儚い枷


――とくり。

夜気に熱を奪われて

冷えたシャツ越しに
 ....
あの夏の終わり
それぞれの心に鍵をかけて
僕らは別れた
積み重ねた思い出は
壊すことも
ましてや忘れることもできなかったから
鍵をかけて封じ込めるしかなかった

ふたりで泣いて
さよ ....
奥深くで疼く痛みを別の痛みで誤摩化す

何の解決にもならないけれど今のわたしにはこれしか方法がない

ピアッシング

周りは医者でやれだのピアッサーを使えだのと五月蝿いが

わたしは針 ....
ほんのちょっと 甘いモノが欲しいだけなのに
それが何なのかぴたりとは分からない

それはチョコレートではなく
クッキーじゃない
カスタードも 粒あんも マカロンも違う

小さな頃
ミル ....
植木鉢が並べられていた
山もみじとかかれていた
老人はそこに山をみていた

枯れ葉が舞う小道は
細い光りが差し込んで
枝に小さな動物を遊ばせて自然は呼吸する

はせる想いで薄くなる瞳で ....
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