私という群れ
かいぶつ

私は私という個人
私という集団
私という交差点の
私という雑踏

私の往来から
私を見つけ出そうと
私が手を伸ばせば
全ての私が邪魔をする
私の手は振り解かれる

やがて私の歩行が途絶えると
私は私が何ものなのか
皆目、見当がつかなくなり
私の目的地は消失する

そして彷徨する私は
私でない他者の足音に
耳を澄ます


自由詩 私という群れ Copyright かいぶつ 2008-10-31 00:35:13
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