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 寂聴歌

現実、男はブス ....
いまは、両親の甘い海のなかで、ゆるやかに生きて、息をしている気がする。 空の一番青い所から
滑り降りてきた木枯らしが
寝惚けたネクタイを
強引にたなびかせ
腫れぼったい意識を
心地好くシュリンクする

秋晴れハレバレ
ハレバレハレルヤ

空の一番柔 ....
ぶきように
ふるえている手をつなぐ
つながるのはふうかしたおもいでの、

ねつをもって
氷のようなこころのだんぺんにふれる
とけると、かすように

まちがえないように
きすをかわ ....
ネオン輝く夜の巷
路地裏の狭い石畳を入ると
淡いランプの明りに
浮かび上がるバーの扉



ここは[遠い昔のバー]で
スツールに腰掛け
おしぼりで手をふいて
まず一杯[今のリキュー ....
悲しくもないのに

悲しい風が吹いている

透明でもないのに

透明な風が吹いている

色などもうないのに

空しいものなどもうないのに

悲しくもないのに

悲しい風が吹 ....
家の裏に立つ一本の樹は
その背に
深い森を持つ

家の裏に立つ一本の樹は
その後ろに
もう一本の樹と
もう一本の樹を持つ
家の後ろに立つ一本の樹は
その背中に
もう一本の樹と
も ....
愛されるより愛したいと思っていたのは
愛してくれる人がいたから
飢えた狼の側には 怖がって誰も近付かない
お日さまの周りには 人が集まるみたい

僕は影だ ずっと前から 君の影だ 
嫉妬と ....
ネットでできた詩友さんは いつも消えていくので
あまり深追いはしない いつも
忙しくなったんだな 飽きたんだな
ひとときのやりとりが 良い思い出になるように
なんて 気を使っているわけでもない ....
ひとを愛せなくなったと
あなたは嘆き

はなから愛なんてなかったのにと
わたしは呟いた




大切なのは感動なのかな

与えて
与えられて

生まれたての感動はぷるんと ....
曇天俄に渦巻く暗雲
突然驟雨秋の雨
大粒の雨横殴り

気取ったスタイル
すぞ濡れる 悪意


心ひらひら風の中
涙ひたひた雨の中

多くの悲しみを含んだ雨が
幾度も幾度も降 ....
小さい頃ママに
この匂いは何って聞いて
キンモクセイを知った

それは秋で
僕の生まれた季節で
嬉しいなって思った

ママなんて呼び方
ありえないって思う時には
もうママは天に召さ ....
エテカリンブルクのイパチェフの家で
一九一九年七月一六日から一七日の間に
人知れずロマノフ王朝が最期を迎え
ニコライ二世と后妃アレクサンドラ
長女オリガ、次女タチアナ、三女マリア、四女アナスタ ....
終末を知らないロマンチストたち
シンプルを形にして
世界を手のひらにのせたがる

枯れない花を得た途端に羽化してゆく
繊細な彼も
前衛的な彼も
シンプルに還ってゆく
 ....
すごい、すごいすごい
宇宙のように遠く高い空
遠近の狂う大きな雲
ああ、美しく真直ぐな世界
間違いない
今僕の正中線はここにある
遥かに見える松並木を超えて
空を行く為に。
ほいと 見知らぬ人から 
土のついた球根をもらった夜
その人の 笑顔が こだわりのなさが 
他人の私に わたされた 球根が
わたしの夜を あたためる

昼間と違い雨が降 ....
雨が降ると私は
主を失くした犬のように大人しい
夫を亡くした妻のように淋しい
世界は私と一体何の関連性があるのか
此処に生きている意味などあるのか
いや、予めの墓標に過ぎないのだと
そんな ....
見えないものは 自分の心
つかんでも つかみきれない

知っている
年月だけで語るなと
胸の奥から私が言う

もう少し
もう少しで見えそうで

見えないから
知りたいからの旅の夜 ....
あなたが不幸になるのは絶対いやなのに

幸せになるのも絶対いやなのは

まだ好きなだけじゃないからなのだろう


幸せなあなたを見かけたら

飲めないお酒に酔ってしまったような

 ....
足音忍ばせ獲物に近づく
シルエットはしなやかなBLACK CAT

月の粉を散らしたネイル
纏う香りはスノウフレーク
イチミリの隙もなく磨き上げて

すべてはココから
MISSION  ....
やわらかく
きみのこころをおして
はねかえるおもい
すとれっち
いきをゆっくりはいて
かたくななきもちを
しなやかにする

りらっくす
きみがあたえる
あたたかなあいで
まあ ....
落ち葉を拾って
小さな切手を貼って
送ろう
つたえる人はいないが
つたえることなど
無いが

手紙を
送りたいのだ
たぶん
未来に

まだ生まれない
現象に
ツタエタイ
 ....
生きてるだけでもうけもん
さんまちゃんは言う
そうだね

ときどき
2ちゃんねるをみる
実にうつくしくないことばの羅列
そうだ
ボクらは紙一重で
生きてる
生きてない

ここは ....
嘆きを海に投げかけてみた
試練の波が激しく返り

嗚咽をあげた私に
百雷の海鳴りが

怒涛のように
私に叱咤激励を置いていった
どうして私が名前を変えなくちゃいけないの

結婚に向けて大人にならねばと思いつつ
決まりきった事 承知した事 そうしたい事
であるにもかかわらず

持って生まれた姓を 旦那の姓に変える
 ....
僕等は、いつのまにか 
否応無く人生という列車に乗っていた 

やがて、この列車は 
御他聞漏れず地上から浮遊してゆく 

いつか、必ずブラックホールの暗闇を 
一度は通過するという 
 ....
電車の中で、遠藤先生の本を開き 
アウシュビッツを訪れた日の場面を 
旅人の思いで共に歩く 

   * 

昔、囚人だったカプリンスキー氏は 
黙したまま背を向け 
赤煉瓦の古い建物 ....
振り出した手形の期日をさきに延ばしてもらおうとアポもとらずにユキは仕入先の材料屋さんに朝駆けをした

その建物に入るとき一瞬ホアシトオルのことを思い浮かべてユキはクスッとほどけたような気持ちになっ ....
君の季節
君の季節
君の季節がやってきた
君色に吹く風は
あの頃のいさかいとはまったく違って
とても優しくて
だから余計に寂しい

君と一緒にいた頃より
君と別れてからの方が
君を ....
世界は認識の中にある
平面に沿ったGのみの世界
天井が眼下に
床が頭上に
滑り落ちながら
眼下に床が
離れた鉄棒の上から
回転しながら上昇し
そのまま落下する
視点から眺める部屋 ....
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