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くぼみに合わせたように
はずむ はじく
その球体
まつ毛の先に
手の中に落とすと
水たまり
手相は小さな 細い川
まるで地図帳の
一角
屈することなく
落ちて ....
ダイヤモンドが燃えた
白い皮膚で
月が燃えているという
小さな嘘で
笑い飛ばしてしまおうよ
わずかばかりの白い炎が
燃え尽き果ててしまう前に
穴のあいた靴下を
霧雨のより糸で繕 ....
泣きはらした様な空が
広がり
あたしのうちまたを
細い暖かい体液がまたながれて
玄関の先の土を濡らしてる
うすぎたない腕を
切れそうな糸のように伸ばし
母が若い稲のようにふさふさとゆれ
....
ごがつのかぜ、ごがつのかぜ、
さあ目を閉じて
さあ目を、
開いて
すー
はー
空から、山から、やってきて
ほほを撫でて
河童が顔を出して
また ....
若草色に綴じこめた瞼のうえから
わずかに身をのりだして夜明けを待つ
もう 冷え切った息を止める必要もない
もう
五月だから
去年の金魚
紅い軌跡を残したまま闇に ....
閉め切りのカーテン
何色のどんな柄でもよかった
ピーナツをかじりながら
大嫌いなジュースの作り方ばかり
ずっと思い出してた
信号機の跡には
いま
犬小屋が建っている
列車のとま ....
{引用=
青い夜道
降りしきるものに
真紅がまじり
花片を踏みしめ近づく
白い脚先
冷たい絹に包まれた
やわらかな しなやかな
抱きしめても届かない身 ....
「別れる日は決めてあるんです」
あどけない顔をして
サラッと彼女は言う
離別の餞まで手に入れた
お人形のような瞳には
背景の妻子の温度は伝わらない
サーモスタットはいつ壊れるかわからないの ....
胸のいたみに身をまかせ
予感のまえで肘をさすった
空がこどくを叫んでいる
あたらしい緑が燃えている
だっくだっくと坂を下る
つないでいるのは骨だった
春にむか ....
凍えてる
なんて
いいわけを隠して
プールサイドに
埋めた
水草の気持ち
僕の
好きだったもの
すべて
きみに見せられない
夜が
こないことに
なんの疑問もないなら
朝に ....
さすらいの
すべてがやさしく
しみるとき
風の
しるべの
まぶしさが、近い
背中や肩を
通うながれは
さらわれまい、とした
ひとつの道すじ
だれかの瞳に
年月に
....
沈黙の果てに
静寂は
ない
世界と
切り離された
闇も光も
届かない場所に
それは
あるだろう
僕が
望むことは
....
080525
すべての商いを忘れ
品川駅に行く
新幹線に乗って
旅をする
南から来た男が
北から来た男の顔を眺める
擦り傷から血が滲み
転んだのか ....
空から新聞を配達した
鳥が
雲の匂いをさせて
日付変更線をまちがえて
落ちてくる
少しずつ速度を上げて
時はわるびれた様子もなく
記事が
ところどころ切り取られていて
それ以 ....
きみの目がかけている
としたら、きみの
目を
虚無にむけて
あげるようにして、わたしの目が
見ている、少しもよくならない
時間を、
(世界の、世界への投げ
出し、
おたがいに ....
戻らないこと、離反
して、
きみは分からないまま、もう
戻ってはこない
場違いだけが、そこにあると
して、
きみが話すがままに
する、
わたしの
もっとも奥で、きみが
他の ....
いつも同じ帰り道を
なんとなく遠回り
知らない道を進んでく
帰れなくてもいい
どこかへ行きたい
押し寄せる
ネガティブな風
たまに来る
気持ちい夜風
....
あなたはいつも
わたしの
開かれた窓でした
そこにはいつも
新鮮な空気が流れていて
清潔な水色の空とつながっている
たとえばそれは
岬の草はらの淡いスケッチで
たとえばそれは
ガ ....
雨曇りに包まれた
135号線沿いの海を
古い友だちと歩いている
どんどんどんどん歩いてく
楽しくて嬉しく ....
恋かそうじゃないかって
いったい誰が決めるんだろう
ただの気になるひと から
好きなひと に変わるのはいつなんだろう
恋したのなんてずいぶん昔で
なんだかもう 忘れてしまってる
....
宇宙の紺を大気が薄めて
僕らに届く青は優しい青だ
あくび顔の5月の空には
雲と一緒に飛行船が浮かぶ
思わず追っかけてみたけれど
踵の靴擦れがちょっと痛くて立ち止まった
地平線をビルが削 ....
量るために落下する
側面にうつる
まよい
もてあます問いを
ふかくうめて
はずされたかすがいを
もうひとつの手は
握っている
風はやさしい。
夜の街道は
甘い匂いに充ちていた
火を付けるまえの
煙草の葉のような
甘い匂いに充ちていた
ぬくもり
ふれあい
ひこうせん
夜の街道は
甘 ....
電車の中で目をつむると
ずっとトンネルの中にいるような錯覚をおぼえる
でも実際の電車の窓の外には
それぞれの家々と
それぞれの生活を送る
それぞれの家族がいる
そんなことを考え ....
雨の日にはかなしみに服を着せ、傘を持たせて出歩かせる。普段は裸のかなしみは、はじめ服を着るのを嫌がるけれど、すぐに慣れてはしゃぎだすのが、いつものこと、ぴったりした服 ....
わたしのなかの夏、が
嘘をついている
生まれたばかりのやさしさと
おぼえて間もない過ちに
うっすら、として
汗をかき
絶え間ほどよく
やわらかく
涙の意味が熟するよ ....
{引用=ふたりきりでも まだ
さびしいので
ラジオをつけると あなたは
雨音だけで充分だと言った}
愚痴を云わないけれど聞けない
つまらない女ですから
晴れ女でいいねと羨ましが ....
僕達は容易に
たくさんのものを失ってしまう
取り戻す事のできないものですら
時計はその時を
刻み付けたまま沈黙している
瞼の裏に
残響だけを刻み付けて
無くなってしまったものを ....
よなかになくのは
ほととぎす
あっ
おどろいた
ちいさくなってきくこえ
れいぞうこが
まんたん
ほととぎす
まよなかのさえずり
とおくへ
いっちゃった
でも
まだきこえ ....
埃がつもってる
それは雪にはならないので
もうすぐ季節がかわる
電話ばかりかかってくる
かけているのは私自身
足音だ
建物というのはおかしい
きのこの形をしたタワーのようなひとり ....
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