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ただ星が瞬くだけ
それだけなのに
ほろろん ほろろん
君が泣いているかのよう
僕も瞬くよ
ほろろん ほろろん
互いを圧し合う青のはざま
渦が渦を巡る陽の道
空の水たまりを数えている
浜辺の藪にころがる鏡
鏡に空が映ると
鏡は笑った
おまえは
空じゃない
水 ....
泳ぐことはいろいろと不思議だ
泳ぐためには
そこに何かが満ちていなければならない
水でなくてもいいし
冷たくても冷たくなくてもいいけど
なめらかに
位相を変えながら絶えず包み込んでくる ....
遠い管楽器の呼吸が
校庭にゆき渡る
共鳴して震える放課後の
まぶたが橙色にうつ伏せて
伸びてゆく睫の影が、滲む
正しく失われたチャイムの
赤い、低い、余韻
その、金属の香 ....
日曜日に開催される
みどり市で
みかんの盆栽を
かって
収穫祭に
よんであげるよ
それまで
夢の中で練習するから
今は目につかない
ところにいてよ
なん ....
朝焼けは夕焼けに似ている
赤ん坊と老人が似ているように
どちらも生命の底力に満ちている
朝の6時半に店のシャッターを開け
芋粥を作る母さんの割烹着
糠床を掻き交ぜ茄子を一本取り出し
畑の歪 ....
空と海の青は
ときどき入れ替わっているのですよ
見下ろすのに疲れたときや
見上げるのに飽きたときに
日が落ちて
水平線がなくなったら
つるん
空の青は滑り台を滑るような
楽しさと一 ....
その夕方は
台所のテーブルに
向かい合って座り
母は
きんぴらにするために、ごぼうを
笹がきに削いでいた
わたしは、その灰汁で黒くなった指の先、手を
目の中に映し撮りながら
小窓か ....
{引用=
【パンばかり食べていると外国人になる】
}
昔
こぐま印のしょくパン
という名称の食パンが
近所のスーパーで売られていた
近所の小さい食品工場で
おばさんたちが手作りして ....
水面に
拡がるカァテン
一つ
二つ
三つ
割れる
俺は今
間にあって
どうしたものか
思案する
俺の脚は
久し振りの故郷の質感に
くつろいでいる
俺の ....
海進、海退、
海峡は境界だけど
ブラキストン線なんか越えていこう
ヒグマおいで
ツキノワグマお行き
キタシカもキタタヌキも
ニホンキツネもニホンタヌキも
オオルリシジミもオオルリオサムシ ....
きょう
ウルトラマンに会ってきたので
ぼくは なにも考えられない
たあくんと 暗がりで手をつないで
ウルトラの星を 映画のスクリーンを
ふたり 見上げてきた
あきらめなければ夢 ....
*
黄昏のおわりの瞬きに、大いなる怒りにみちた光の星雲
が交差しあう天蓋にむかい、傷ついた男たちが大声で叫
びあう。その声に応じて晴れてゆく天空には、たえず
うつくしくしみわたる遠い霧のような ....
夏のおわり
夜風をあつめて
帆をたたみました
骨のぬるい晩のことです
しん、と澄み切った屋上の一隅で
片付かない、ちっぽけな一匹のままでした
(金属製 ....
秋に夜が訪れて
炭酸水が流れこむと
暗い海の底
音もなく稲穂が揺れる
えら呼吸をはじめる
溺れないように
母が子守唄を歌う
目を覚ますまで
魚になる
泡をこらえて ....
いつものことだ
水色が果てしないどこまでもいくひろがり
それを俺たちは空と呼びます
焦燥感に腹を蹴られ
挫折に身を切られながら両腕をのばし
手のひらをひらく
真実はいつだって指 ....
らせんのような共鳴を感じる
ピアノをたたくゆびの柔さに似た
無邪気さの中で吸う空気
どこまでも青くひろがる
世界の端っこで
どうしようもなくうばいあっては
求めあう
わたしと君のすが ....
海の中にいた
ここは地球なのだが
靴を脱いでいるから
地に足が着かず
やわらかい席の
おしりの感触が消えそうで
前の席の 男の子 女の子
野鳥のさえずりに似ている
夏は タンパク質 ....
ダニエルは犬だ。ゴミ箱の前で、線路の影で、
夜を待っている犬だ。月が湿っている。赤くなる
空の前で、ゴミ箱がぼやけている。陽炎の
中のダニエル。ゴミ箱は青。霧雨も
降らないのに、電車は光をつけ ....
焼肉やラーメンを食べることも
すっかりなくなってしまった
さいきん
インド料理やタイ料理にはまっている
油やニンニクでつくりだす料理が
からだにつらくなってきたからだ
....
屋久島の暮らしでは
無数の鯖が
村人達の手から手へとまわり
こころからこころへとめぐり
一匹の鯖を手に
樹木のように立つ老人は
不思議なほどに
目尻を下げる
夜明 ....
あふれる光の流れを
掬う
祈りの手の形で
殺戮は今もつづいている
日ごと心が死ぬのに
たむけるのは
忘却なのだ
潮騒の音がきこえる
千もの傷に
ただ一つの愛
なつか ....
消すことのできない現実を
生きる
杭はすさみながら立ちつづける
抱きしめようあやうい姿の今を
山が沈む陽を抱くように
山鳥はねむり
私たちはひそかに地の種となる
抱きしめ ....
オレは
ズボンを脱いでパンツも脱いで
レフトを守っている
どんなフライも捕ってみせる
さっきだってお腹からずさーって滑り込んで取ったじゃないか
ところで球場を見渡せば
カメラがいくつか ....
海辺の杭だった
薄い色をした砂浜に
もうどこに打ち込まれたのか
砂に埋もれてしまって
分からない
どれだけの長さだったのか
その突き刺さった底が
砂に埋もれてしまって
分からない
....
・
掃除をすると
部屋の四隅から
無限に白い米粒が出てくる
表面は乾いて
埃にまみれて
まるで
昔わたしが産み落として
そのまま捨てた卵のようだ
・
遠くに見えるラブ・ホテルの ....
風の音がした
ふり向くと誰もいない
十八歳のぼくが
この街をつっと出ていく
いつも素通りしていた
その古い家から
いつか誰かの
なつかしい声が聞こえた
敷石を踏む下駄の
細い ....
太陽とは何だ
太陽のうんちをたべたい
心とは何だ
心から真っ直ぐに思う
愛闇とはなんだ
真っ直ぐなバナナあ、食べたい
今夜 泳いでいるの子よ
真っ暗が暗くなっても 人が愛して ....
雨が降ってきた
ていねいに すこうしずつ…
部屋の中にいると
外の寒さが まるで
「ひとごと」のようになっちゃうからね
わすれないよう
....
くまをね
くまをおんぶして歩くの
会社行くときも
映画観に行くときも
フランス料理食べに行くときも
くまが可哀想なんじゃないんだ
私がくまがいなきゃもう歩けないんだ
ねえ く ....
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