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身のまわりの色彩が不思議と淡くなる夜
胸のうちに浮かぶ
いくつかの
花の名
鍵盤をやわらかに歌わせる指たちの幻
夢のうちを
あるいは予感のうちを
あえかにかすめていった 星のよう ....
お風呂さん、ありがとう
今日もあなたに浸かることができて幸せです
あなたの清らかさとあたたかさが
今、とても尊いものに思えます
わたしは寒いのに裸になりたい
裸になりたいのにあたたまりたい
....
きょうさあ
ほいくえんつまんなかったねえ
おもいついてためしに
ぼくがいえば
すこしだまったあと
おもしかった
ほぃこえん
ふすまかどこかをじっとみつめて
ひらいた
....
雲がのびてゆく
編み目を広げて
ただの雲と思うなよ
まだまだ空は広いから
犬の甘え鳴きが
のびきってほどける日を
知らせようとしている
つめたく湿った朝
目がさめると
屋根から鳥の足音が聞こえる
降り立って
昨夜の戦況を
せわしなく伝えていた
兵士の声は力尽き
衛生兵の途方に暮れた
足音が聞こえる
数匹 ....
愛ということについて
そのことをぼくはたくさんの人々が考えては
よくわからないとその一言にまつわる
その一言のもつ浮力だけに頼るように
やりすごしてきた
ぼくはその一言についてまわる
さま ....
一玉35円の「ゆで」と書いてあるうどんを買ってきて
愛用のチャルメラ専用なべに水を注ぎ
ちわちわ言ってきたところに
かつお風味的なものを
小さじ 1
更に「だし入り」と書 ....
人に聞くものでも
道に聞くものでもなく
恥じらいの衣を脱いだとしても
僕たちは凍えない
世界中のどんな子猫よりも
いたずらに柔らかくて
鳥にでもなってしまいそうな
かけが ....
「詩人不在証明」
不在を、証明せよ、と、書き殴られた、黒板、放課後、幾つめかの、チャイム、掃除用具入れの、造形美、誰もいない、教室の、大気。
足元から伸びる影を追いかける、ような、 ....
夜の車は魚のよう
鯨のお腹を撫でてごらん
石ころは皆ラッコの卵だよ
広場の彫刻に影が貼りついている
向こうで手を降ってるのは誰だろう
口の端から小さな泡
泡に浮 ....
こどもの頃
お正月とお盆になると
母の実家に行った
山々にかこまれた盆地に
田んぼが海のように湛えられ
島のように点々と
街や集落が浮かんでいた
遠くに見える
おおきな島に駅 ....
熱が下がった朝
起き上がるとまだ
少しだけ喉が痛い
でも、気にならないくらい
だから
顔を洗う
洗濯機に洗濯物を入れ
スイッチを入れる
台所の椅子に座って
湯が沸くのを待つ
....
わらっていた
こどもたちは
もう鉄塔から降りた
手のひらに
赤錆を
たくさんつけて
ひとりが
鉄錆 ....
雨の降る日は
日付のかわるころまで
うしろを向いて
引き算をかさねる
ふるえる
自我を
だれか認めて
(いいですから)
背中の色が
抜 ....
突き抜けるというのは
一人で
ここではない場所へ
旅立ってしまうことだ
と思っていたけれど
みんなを
見たことない場所へ
連れて行ってあげることだ
と 思った
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前向き
おやすみ
夢のなか
今夜ね
いっぱい
キスしよう
甘いね
ケーキの
クリームです
なんだか
心に
水道水
....
081103
冗長度の高い黒髪を梳かすときに
クロネコの背中が見えた
クロネコは背中を丸め
3メートル前を走ってゆく
大馬力のハーレーだから
....
窓をあけて
冬の匂いがしたら
温かいコーヒーを一口
いつもとは
ちょっと
違う味
長い長いマフラーを用意しよう
可愛くて温かい手袋
お気に入りのコートと
あの人が好きだと言ってく ....
生活のために消えゆく詩人
嵐の夜よ
おまえはもう
アイツを連れてくる事はないのか
たくさんのものを見送っていく
蒼いあなたは
さびしみを歌う
霊的なまでの美しさで
新た ....
土曜日の夜は飲みにいく相手がいるほうがいいとか
日曜日は家でぼーっとしていてはいけないとか
この年になったら定職についてないとまずいとか
乾杯のときくらいビールが飲めなくてはいけない ....
ここ二、三日
左手が肩口から固まって
Qの形で落ち着かない
机で眠る
危うく落ちて
急激に浮かび上がると
肩の周囲が一メートルほど病んでいる
そこの辺りがやっかいに絡んでいて
虫の ....
冬眠 の猿
の尻尾 の
揺れてる
木のうろ の口
(猿は冬眠しません、ええ、わかってます、、しないんですけど、、、)
050115
みじんこ
こすもす
ゆりの花
左うちわの
いもようかん
ひっくり ....
きのうの夜
妻とけんかしたのだ
きっと疲れていた
今日は帰りたくなかった
だから僕は家の前を通りすぎていった
同じ色の
とても小さな家が
線路沿いにつづいてる
青でもなく緑で ....
発泡した軽石は海にぷかぷかと浮かぶので
さしずめそれは人の身体
海は空の鏡と言い得て妙
波長が合えば共鳴してくれるか
海風を真向かいにバグパイプを
水平線まで届けと
音が満ちる
そこ ....
しんや、こっちおいで、
さかもり、したからだは
あまくおもいじゅうりょくでりょうてをつかまれるのです
ラーメンのこってりとんこつしょうゆあじを、ゆるりゆるりと螺旋階段のように、
体は浄化してい ....
コンクリートのうえに
アスファルトのうえに
死骸、生き物のむくろ
虫や鳥や微生物どもが
生活のキスをしている
どこに向かいどこを巡る
どこを巡りどこに向かう
....
風のなかに紙をつくって
まとりついた髪を嫌って
高い音を出す高い音を出す
かあのなかで指へなだれて
走ったなかで血を流して
かたい音を出すかたい音が出るはず
あさがきました
ふゆの
あさがきました
どおりで
さむいとおもったわけだ
*
さむいから
さむいので
あさをむかえることにしました
でもやはり
さむかったのです
それ ....
あなたは教室で
いつも頬杖をついていた
窓から外の景色ばかりを眺め
それ以外はすべて
無関心のように
頬杖をつくあなたは
とても大人びて見えた
同い年ということが
信じられぬく ....
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