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小さな啄木鳥が
枝のむこうに
隠れて鳴いている
霜に白く
苔に覆われた墓石の上に
戯れる小栗鼠
韜晦する記憶のメレンゲ
青い雫
仄かに紅く冷たく
かじかんだ ....
町から街へ
子供から大人へ
僕の小さな足が
大きな坂道を下る
池の周りを囲う家並み
そこら中で
夕食の匂いがして―
母さんも料理を始める
僕は父さんの為に
ビールのグラス ....
江古田のアパートで阿鼻叫喚していた頃
鎌倉高校前の砂浜で
途方に暮れる
溢れる涙は
激しい波打ち際で海の滴になる
どれだけ涙を流せば
砂漠は森に還るだろう
ドキュメン ....
1、私
道路のわきに沿っている
白いはしごがひどくゆがんで見える
テールライトが砕け散ってしまっていて
私はここにいない
頭の中でゲシュタルトが崩壊していくように、
二足歩行の ....
071214
クジラの物差し
いらんかね
イランの金持ち
知らん顔
お金の無い国
匙投げる
お金のある国
見えたので
仕立屋銀次が笑い出す
....
僕を作った女の子は
満足そうに、駆けていった
僕はなんのためにここにいるの?
なにをすればいいの?
動くことも話すこともできないし
寒そうにしてる人を ....
きみがしあわせになれれば
それでいいと願っていたあの頃は
うそじゃないと信じたい
だけど、
なみだがこぼれて止まらない
今も、ぼくは、
いつかのこころの真ん ....
自転車に飛び乗って聖蹟桜ヶ丘へと漕ぎ出す
夕刻は燃えはじめていて
ペンタブレットを壊してくれた天使に少し感謝して
関戸橋
私みたいに粋がった多摩川を見下ろした
嵐がえぐった流域は
新しく生 ....
灰色に曇った窓の雫を
つ、となぞると
白い雨は上がっていて
弱々しい陽射しの予感がする
こうして朝の死角で透けていると
ぬるい部屋全体が
わたしの抜け殻のようだ
だんだんと色が濃 ....
耳の、奥
疼くであろう膜は
憂いのように湿りを帯びて
たしかな変化を
告げる
その呼び声に
ほんの少し瞬いたあと
通り過ぎる光の筋は
私が知る ....
あかん 好きに なったら
あかんのや けど
好きなんや
あかんと 思えば 思うほど
けいたいの
でんわばんごうの
並び方さえ
好きなんや
せやから 抱いているとき
辛いじかん ....
日が暮れる
夕空に星が輝いた
大きな月ものぼった
満月だ
タワーに灯りがともった
家々の窓にも
お店のショーウインドウにも
月が追いかけてくる
黒い山の ....
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風の遺書
風の遺書を
思い思いに握りしめた
少年たちの
あしあとが
続く
空を
いくすじかの
涙がながれて
いきるって
かなしい?
....
ひかりの葬列のような夕暮れに沈む、
クラチャニツァ修道院のベンチに凭れる、
白いスカーフの女の胸が艶めかしく見えた。
捲り上げられた白い腿は、悲しげにも見えた。
わたしの少し疲れた掌のなか ....
指専用のバス停に
思い思いの格好で指が並んでいる
やがて指専用のバスがくると
指たちは順番に乗り込んでいく
おそらく指にしか
行けないところがあるのだ
慰めが必要だったのは
本当は誰だっ ....
きみのりんかくをぬいあげていく
オルガンの重さが
ひかりににていて
急に
まぶたがいらなくなる
砂糖の
あじをわかりたくて
紅茶ばかりのんでいる、午後
猫が行った
声に体 ....
パイを焼き上げた
外はこんがりたぬきいろ
中は湿ったきつねいろ
眺めて味を想像する時
食べてる時より良い顔
眼には優しさの炎
口元は甘い微笑み
恍惚に濡れた午後
煙を立てないオ ....
ばうばくとしたあさもやのなか
かいじゃうにただやうとしのかげは
こひわづらひのおおはまぐりのためいき
しんきろうのまちまちは
さまよえるあはうみのごとく
こつぜんとしてすがたをけし
とつじ ....
乾電池が足りない
と昨夜寝言を言ったあなたは
夢の中で久しぶりに
何を作っていたのだろう
今日は朝から雪が降ってる
あなたの故郷のように
たくさんではないけれど
もう誰も
あな ....
みみにかみをかけるあたしをみて
はぁとを溢れ零したあなた
そこはかとなく単純だよ
そまった紅はあたしが引き受ける
ほおをなでてあげるから、こちらにおいで
かわい い
ふ ....
あれへんのー
ないのー
ん、納豆半額。
ないのー
なくなってもたんかいな
あ、あったあった
兄ちゃんちょとごめんな
伏見のおっさん
ギョーザをさがすおっさん
うわっ
玉子割 ....
運ばれてゆく
ものがたりについて
ずっと聴けずにいたことを
ようやく受け取ったのは
はやすぎた夏、の
たてがみ辺りの
なごり風
眠る、ということが
どれほどの守りで ....
(2007・9・19)
突風に流されてきた雷がうちの庭に落ちた
しばらく前から庭に住み着いていた、
愛らしい雨蛙が焦げてしまった
咲き始めていた萩の花も散ってしまった
....
浸された水は
つめたく
ねがえりもできないほどに
なぜか凍みたまま
あの人ごとをさらって
いって
かなしい
のふちにいるあの人
たしかにいかされ、芽生え
一つの
さむさの中にい ....
鍋の中でパスタがふやけるのを眺め
ご飯が食べたくなって炊飯器をいじる
惣菜を見に行くとパンが焼きたてで
一斤買う
テーブルの上では
マグカップとポタージュの粉が
昨日からずっと待っていて
....
深夜の路上に
空き缶がひとつ
ぽつりと立てて置いてあった
こおん
とけっとばしてみると
そこいらじゅうから
わああああ
と逃げてゆく子供らの声がして
にわかに恐ろしくなったものの
わ ....
背中でみず色をうたっている
こんなにも乾いているから
詩のたましいを“ふたあつ”もつ子の
みずのうた
誰もいない広場に
けやきやいちょうが積もっている
小さなひざをミルフィーユに沈める ....
冬の朝の肩口を
ふゆ
となぞり、柔らかさを与えてみる
100℃が滑り落ちていく、
白い学校から海までの坂道のなかで
袖をつかまれたまま
伸びきってしまうラーメンのような
(海はきらき ....
通り雨に打たれ駆け込んだ小屋には土の臭いが染み付いていた
雨水を吸い込んだ地面は懐かしさを醸し出す
ぞっとしたのは呼吸を感じたから
深い土色をした男がこちらを伺っていた
恐怖を感じなかった ....
チーズ
が(ないの) 浮き輪
に
括りつけた
銛、
け ....
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