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空を渡る種の帯の下
あなたは何故暗い笑みを浮かべているのか
原のなかで
明るい風のなかで


無数の角と無数の羽が争い
多くが失われ多くが生まれた
双つの光が向かい ....
曇の上の雨
陽が照らす鏡の背
朝の径に降るかけら
午後の径をすぎるひとひら


空の海が
黝く干いてゆく
まばたきのなかの無数の月
夜が 流れ込んでくる


 ....
雪の下の
肌色の蝶
何もかも
左目の隅に置き忘れた朝


血の涙を流す鳥の背に
雪と鉄の音は降る
水のなかから空を見る径
光の傾きに消えかけた径


なかば沈ん ....
冬陽の前を
横切る行方
薄茶色の双つの背
海に落ちる水を見つめる


ひとりの葉が水を昇り
やがて季節を時間を昇る
誰もいない広場の
影だけを手に記してゆく

 ....
小さな歯車の音が降る
遠くへと去る足音も
積もりつづける夜の光も
淡い動きに満ちてゆく


光の器の心は欠けて
路面電車の灯を見つめ
ひとりの子が
ふたりの声で歌 ....
背に花の生えた猫が
午後の雨を待っている
二つに分かれた坂道の
曇に近い方を歩いてゆく


休み休み進むのは
花が重いからかもしれない
午後に夜にひとつ咲き
朝に昼に ....
灰色の空の下
灰色の占い師たちが
灰色の広場に集まっていた


占いの順番を待つ行列を
灰色の煙がすぎていった
螺子を横に倒したかたちの
巨大な灰色の建物を
人々 ....
白を白に放ちながら
白は白に落ちてくる
誰もいない冬の隅に
放ち 放ち
放ちつづける


空をゆく窓の内から
なかば水没した都市を見つめた
四つ足の群れがつくる水紋
緑 ....
まばたきが
夜を夜に迎え入れる
十二月が
十二月の指をすり抜けてゆく


遠く青空は鳴りわたり
音の紋は燃えひろがる
水を駆る光
光をついばむ無数のくちばし


 ....
灰に埋もれ
陽を見る火
森に斜めに沈む光を
鳥の群れは追ってゆく


振動が夜を包み
左脚ばかりを進ませる
夜は静かに
足跡に満ちる


ざらざらとした光のなか ....
重たいドアを押して外に出ると
階段を数段上ったところで
思わず立ち止まる

百貨店の屋上は
すっかり様変わりしていた

複雑な段差を組み合わせた
明るい色調のウッドデッキ
オリー ....
右手に枯花
左手に造花
冬の雨と骨
水の径のひとつの影


陽の無い朝
海を照らす目
壁に描かれた
絵に消える羽


遅い午後
遠いはばたき
原に散らばる
 ....
草の下の街
葉の影の底
光の板の重なりの塔から
三つの時間の羽がひろがる


子らは右を駆け
川は左を流れる
原が 水草が
光と光のまばたきを追う


水の ....
ひたした場所の反対側が
常に常に染まりゆく
血溜まりが紅葉になり
水の底から空を見ている


空には無数の雛人形が
淵の目をして見つめ返す
夕刻は夕刻を着てますます ....
見えない夜の身代わりに
川は蒼く蒼くなり
金いろの径を従えて
海へ海へ落ちてゆく


けだものは居る
けだものは居ない
曇の十字
光の前の小さな羽


隙間 ....
 
あなたとわたし

その狭間にあるわたし

それだけがほんとのわたし



 
空から落ちた
無数の楽器が
土の上で砕けたまま
鳴らそうとした音を鳴らしつづける


顔を撫でては去ってゆく
浜辺に打ち上げられた
硝子片に満ちた死骸から
熱は羽のように ....
あるはずのない坂道を
誰かが歩む音がする
山頂をすぎ
上へ 上へ
歩みの音は止むことがない


ほんの少しのなまぬるさ
小麦の路に沈む指
灰の刃が生えた洞
滴の音に ....
墓地と背
鎖を手に
見えない声
遠い灰の音


雨が
雨のための径を通り
去ってゆく
傘の無い街を
照らす幻日


呑まれゆくものに
小さなものらに ....
両端が見えないほど長い橋の上
ひとつの影が立っている
呼びかけても応えない
近づいても近づいても近づかない


夜の左脚のしびれから
次々に飛び立つ火の鴉
水たまりの波 ....
雨に映る音たちが
雨の後も浮かびつづけ
夜の片方を震わせて
指の冷たさの上に立つ


ひとしずくはひとしずく
守れなかった約束に
目が覚めては手をひらき
重く冷た ....
歯と歯の雷光
眉毛の吹雪
顔になれない顔を被り
今日もぐるりと宙を巡る
時間を切り取り
器の内の水の上に置く
ゆうるりと巡る光に
指を ひたす


失くした大きさと
後に得た小ささ
つりあい無くつりあう径を
風が 静かに揺らしている

 ....
鉄は不可思議の組み合わせ
ひとつにひとつ
燃えさかる蛇
器の海を呑み干すけだもの


灰の駅 灰の汽車
川底を浚い
放る羽
光を終えた光に群がる


凍えた青空 ....
太陽のようにほどける髪が
小さな鈴の樹を隠している
地から昇るたくさんの音が
空に晴れを運び込む


虫から生まれる滴が
霧のなかの径を見ている
銀の歪みに映る
碧い ....
心臓の検査で二時間待たされた
結果説明をするのは
驚くほど穏やかな話し方の医師だ
この穏やかさは
草食動物がまどろんでいるかのようなぼんやり
草食動物が説明しはじめた
非常に穏やかにしかし ....
窓の内を飛ぶ鳥が
ますます大きく ますます遅く
重なる紋を浴びながら
粉の光を泳いでゆく


触れることなく覆う雨
横へ横へすぎる雷鳴
見え隠れする鳥たちの
波ばかり ....
消えない泡と見えない泡が
手をつないで終わりを見ていた
おぼろな背中 光の蔽い
けだもののかたちの曇を見ていた


指を灯す指を絡め
指を照らす光を見ていた
歪ませ ....
降りたはずの人が
まだ乗っているのに
そこに居る人々は
誰も何も尋ねないのだった


列車がいつのまにかバスになり
やがてワゴン車に変わっても
共に乗っている人々は
 ....
記憶の穴の水流に
映っては去る音と影
はばたくばかりで飛べない径
小さな本を敷き詰めた径





いつも何か言いたげな
消えない羽を呑み込んで
蒼と灰の時間 ....
砂木さんの自由詩おすすめリスト(4706)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ひとつ_羽音- 木立 悟自由詩8+16-3-18
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しずく_秘名- 木立 悟自由詩816-2-4
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ひとつ_曳光- 木立 悟自由詩415-11-1
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迂回路と虹- 木立 悟自由詩515-10-26
棄天使の地図- 木立 悟自由詩715-10-19
ノート(52Y,10・10)- 木立 悟自由詩215-10-19
ふたつ_ふたたび_Ⅲ- 木立 悟自由詩315-10-9

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