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あなたと
よるだけに であう うたを
よるだけに わかれる うたを
こよいの まんまる しゅるり ほどいて
よるだけしか みえない うたを
よるだけしか きけない うたを ....
列車に乗り
外からの赤いランプが
暗い寝台を照らせば
望郷の始まり
そのまま眠りに入って・・・
朝になって乗り換えをして一時間
その後バスに乗り30分
そしてバス停を降りれば
....
電柱の光の下
吹雪の光の下
からだに積もる雪をはらう子
はらってもはらっても
雪は来て
髪は 揺れて
通り過ぎる低い光に
風は終わり
また はじ ....
霧の間に差し入れられる
細く小さな指の雨
霧が一度震えるのを見る
傘ひとつ分だけ熱くなり
灯ひとつ分だけ冷えてゆく
線路から吹く風を歩む夜
あちこ ....
堕ちた孔雀が集まる場所で
ただひとりかがやくものは傷を得たもの
白く織られた光の羽の
かすかなほころびから見える花
光や音の波の向こうに
見えること 見えないことの向こうに ....
(た)
たーちゃん
僕は「たもつ」だから
君は僕を
たーちゃん
と呼ぶ
たーちゃん、それとって
たーちゃん、あれしまって
たーちゃん、どう思う?
君の声に
溶けかかった僕は
....
山へと向かう道の角を
一本の木からあふれた花が埋めてゆく
新月の原
うずくまる獣
高く低くつづく夜
響きのなかに現われる
草色の歌
波うつ獣の背の上に
花 ....
街でついつい男の人を
宝石に
変換する
裾に 白衣ののぞくメガネは
傷のついたオパール石
チャイナ帽 歩きタバコの初老は
家のないラピスラズリ
梯子に登りたそうな ボーダー2 ....
ひらたく長いパンの両端を
いとおしげに抱えている子
何度も 何かに捧げるように
持つ手を変えては見つめる子
パンはやがて消えてしまうけれど
君のからだの一部になる ....
こんなにちっぽけなものでも
ここにある と 静かに語る
ただ黙って積もり
その日の風に 明日の模様を描く
その日の波に 昨日の夢を揺らす
永い永い時間を抱いて
ここにある と 静か ....
どうにか起きた
朝5時前
闇には 冬がまだ居座る
動きたくない
温もっていたい
そんな心を 叱りとばして
私の今日が始まる
辛いなあ
眠いなあ
だ ....
開いた左の瞳から
閉じた右の瞳に応える
言葉だとわからないほど
小さな言葉で
あたたかさと重さの言葉で
話しつづける
常にあたりを流れていて
片目を閉じると現れる
会 ....
まんじゅうの中には多分
夜
があるのだろう
だから
こんなにも甘くて
どこかに行きたくなるのだ
背中に負った
水の赤子が
たぷたぷたぷたぷ
寝息を立てている
雨の日 かさをふたつさし
雪道の上をざつざつ歩くと
まわりからたくさんの
水の寝息がやってきて
....
ふと手に触れた夜が
地平線を見せてくれた
幻と幻の間をふちどる
ほんとうのかたちを見せてくれた
水たまりの上に跳ねる言葉を
橋の向こうから見つめるもの
影と影の間のまなざし ....
せんえんさつ
ちょきん
ちょきん
はさみのおと
ためても
ちょきん
....
大きな
とても大きな野原に
今 という
それまた大きな川が
流れていました
その川の川辺には
とても絢爛な冠をかぶった
優しい心の人がいました
その人は ....
思いがけない玩具から
いくつも朝が現われる
適度にすすけた声からは
何羽も鳥が飛び立ってゆく
現われては消え
融けこんで
小さく小さく また現われる
朝も 鳥 ....
でっぱらない 私
仲間と入ったレストランで
おんなじものを食べて
美味しいと騒いでる中で
一人だけ
まずくて食えないとは
言えない
まあ 好みは色々だからねえ なんて
誤魔化したつ ....
あたしの胸に刺さる棘
痛々しい過去の繊細な記憶を
いじるようにグイグイとのめりこむ
綺麗な薔薇には棘がある
だからあたしに棘は無い
棘はあたしの敵
棘だらけの彼女は愛されて
棘無 ....
小麦粉と
砂糖と
バターと
卵
まぜまぜする
焼いて出来上がり
お菓子は簡単
相手を思う心と
優しさと
相手の心と
少しの切なさ
まぜまぜする
告白して出来上が ....
小学生の時の話で
学校に行くと先生が休んでいて
自習の名目で
突然試験をやらされた
わからない問題は後回し
けど 記憶にないから
答えず終い(俺はね)
そ ....
昔の。
例えば、中学一年生のときの英語の教科書を読んでやろうかと、
いやにえらそうな気分になったので声に出して、読んでみた。
最初は単語ばっかり、
後半に段々難しくなってくる。
発音も怪 ....
光がはじまりの場所へと帰ってゆく
夜が組み上がるその前に
夜が夜を追う
本当の夜の道を
雲の白だけが照らす
新しい天使 旧い天使
離れない手と羽
離れない歌と ....
今日も瞳に敗れつづける
残雪の上の土の機械
生まれたばかりの春のように冷たい
小さく静かに逝った星が
何も生まない姿をさらし
ひとつきりで浮かんでいる
次の宇宙がはじま ....
正直に言います
今 あなたを見つめてました
ふいに目があって
慌てました
アッカンベェをしました
正直に言います
アッカンベェは 嘘です
心でそう言っ ....
いつものように
笑ってるから
元気なんだと 決めつけないで
いつものような
笑い顔は
いつもヤリキレナイって ことなの
涙とか
ふくれっ面とか
そのままに
出せないってことな ....
汚れた傷は癒えない
そんなはずないけれど
血が出ている
腐ったような
溢れ出る憎悪が
僕を縛っていて
今にも真っ暗闇に消えそう
こんなに汚れた僕のような
醜くも同じ感情を
....
午後に消える鳥の声
冷えてゆく街の鉄の音
夜の波 海の嶺
黒い光のなかの
座することのない独つの星
風の名も
静けさの名も知らず
滅んだ国と
けだものの国の間をさ ....
道が濡れている
闇のなかをゆく
果物のにおいの布
夜はたしかに来る
やわらかさは去る
音は去る
星の網をすり抜け
あるべきところへと
歌のはじめと終わりの ....
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