すべてのおすすめ
車が一台も通らない道路の横断歩道でも
私は信号が青になるまで待つ人間だ
誰もがそれは無駄なことだと笑うが
私には忘れられない記憶があるのだ
小学生の頃、同じような横断歩道で
信号が赤だった
....
戦陣の背後に黒い山脈が 影絵のように拡がっていた。
狼煙のけむる夜、
恐れよりも闘うことの歓びに身体が震えている。
「死と生の戦い 」
生きのびても、
ただ死ぬまでつづく日々が残 ....
札幌の六月はまるで
長崎の三月のようで
違いを挙げるとすれば
もう桜は咲いていないくらい
午前中まで降っていた小雨
午後にはすっかり止んだけど
慣れようもない寒さはそのまま
心を照ら ....
窓と壁のはざまから
水のような顔があふれ
外を見もせず消えてゆく
風が光に 光が風に
裏切りの等価を与えるとき
狭いところ
熱いところ
いたらぬ波をくりかえす舌
輪 ....
満ちていたものは見えなくなり
いたのかどうかさえわからない
かたちはかたちを保てぬほどに
すばやく色も無くすぎてゆく
影のなかに潜む影から
うつろな虹がさまよい出でて
....
月光を浴びて生まれた一人の少女
その唇から
言葉がツタのように伸びてからまり
あの家を覆ったの
家の中には
青白い顔をした少年が一人
小さな椅子に座っていて
コーヒーミルを回していた ....
いつだって夏は長かった
測量を終えたばかりのヘルメット姿が
今年もだ、とかそんなことを言っていた
確認したがるのは何故だろう
何日と、何時間何分何秒
それを知ったところで
今日も君は
左 ....
つづくふるえ
つづくからだ
水紋は光に変わり
散ってゆく
何かを燃やす夢からさめて
手は緑にくすぶっている
灰のなかに芽吹くもの
誰が蒔いたか知れぬ影
金の ....
言葉を乗せた花びらの
来る上空から
甘い香りが立ち込めて
手の平は夢遊にひらめき
高く 高く 開くよ
ワタクシの生きた
気の上で回れ 花吹雪
ら行は霞んだ空を瑠璃色に ....
空から降りる水膜が
樹に到かずにあえいでいる
夜になるもの なれぬもの
道をひたす波の無い波音
夜を映し
夜をわたる
静かに歩みゆくかたち
そばをすぎるかたちが重 ....
1番歌
パr櫛・錯視ill・sa沙羅-双樹?)、楠ノ木々,nガ!
(イップ、射x一譜!午前の蝶r々・触覚ニィ、朗々ロウw!)
胎動ノ街、揚々とls凍てルル3時ha.Nmノ流布すギジ 円 ....
薄い眠りの表層に
愛しい物語が広がる
つかみどころのないストーリーを
諦めたくなくて
覚めてしまいそうになる自分を
何度も呼び戻す
せつない私
恋のようでもあり
思い出のようでもあ ....
すべてのたましいが
リンになって
夜を燃える
海は
黒く世界を閉じて
ちゃぽん
何処かで魚が跳ねる
私
泳げないから
たぶん沈んじゃいます
ずぶずぶ、って
そういって ....
見える水音
見えぬ水音
草を伝い
草を描く
影を避けて
水を歩む
雨のあとの
浮き沈む道
おぼえられ
わすれられ
名前は鳥のようにすぎる
地は蒼い
....
森の貝をとり
水にひたし
透きとおるのを待つ
巨大な草の{ルビ族=やから}の
息つぎを待つ
湿った土
霧が告げる鳥
岩をしめす手
声 匂い 熱
姿以外の緑 ....
の丘に
咲いたダリアの一輪の
唇の頬のうなじの太ももの蹄鉄の
隠された場所の
の丘に
びっしりと生えそろう数億のダリアの一輪の
唇の頬のうなじの太ももの
暴かれた場所の
の丘
....
ふたしかな季節を
灰の午後のかけらを
染まるようで染まらずにとおりぬけ
雲を燃す火はぽつぽつと
河口の浪を照らし出す
割れた岸を砂は流れ
夜の虫の光のように
浪の下へと沈 ....
空に流れては消えてゆく歌
冬の鼓動に
白の盲目に
他者を知らない目の奥に
銀の花は降りてくる
光の時計の前に立ち
影をつくり
針を止めても
流れは止まらず
星 ....
音もなく燃える僕たちに
口はいらない
君を抱くこの腕に
月の光が唄う
始まりも終わりもなく
闇の世界に
ふたり
照らされながら
ガタン、ガタン、ガタン
ガタン、ガタン、ガタン
光線状の白昼が、車両の
力のないグリーンの床に
夏帯びて明らかな窓を落とす、その熱を
打ち消す、不自然な音 ....
「狐つき」
こん と ないてはなりませぬ
こえをあげては なりませぬ
とられたくない だいじなものは
かくしておかねば なりませぬ
くらいよみちは こわいけど
ふきさすかぜは つら ....
森は沈む
銀の花に
残響に
緋の笑みに
秋を穿つ泥まみれの羽に
森は沈む
鏡の乗りものに映る青空
死が飾られた街の隙間に
冬の色の海が見える
その鳥はとどろき ....
にわか雨は窓ガラスを叩く激しさで
海辺の汐臭さをわたしの部屋まで連れて来た
波音のひたひた寄せるテーブルで
いつか拾った貝殻の擦れる音色がする
ハンガーにかけたわたしの白いブラウス
温もりの ....
白く続く世界
腕を伸ばせば掴める
それはいつかの僕の夢
壊れかかった生命
いつからだろう
僕の心には誰かが棲みついて
気付けば見えない糸で
操られた抜け殻
鏡の向こうに映るのは
....
暗がりのなかの光の道
滴の道
空の強弱のはじまり
花の墓に降る朝の雨
遠い遠い雷のような
音の無いむらさき
弔いの日を染める
色とりどりの衣を着て
荒れた地に横 ....
想いはどこへ連れて行こう
涙はどこで手放そう
忘れられないことばかりを持って
僕らは何度もここに生まれた
円く繋がった道を歩こう
いつまでも終われない街を抜けよう
ガードレールの上で両 ....
生きものたちが空を揺らし
雲の間に鏡をつくる
午後から夜へ
鏡は割れ
鏡は増え
ひとつひとつに
生きものたちの息を映す
青 灰 灰 青
銀 燐 燐 銀
まわ ....
夜に、わたしは
はしたないほど口を開けますから
どうぞそこから私の中に
入っておいでなさい
内側から私を喰い尽くして
やがて空洞になった私の躰は
それでもまだぬるま湯ほ ....
夜明けの手を絶ち
かたちなきものを奪い
罪を重ねる
やがてうごめくものたち
うごめくものたち
偽りの鳥たち
限られた光の下の影ふみ
遠くゆうるりと
震える獣の星 ....
笑ってたんだ
笑ってたんだ
きっと
あったかい土に抱かれて
優しい雨に愛されて
まだ見ぬ地上の風に憧れて
君たち 泥んこぼうず達は
笑って
幸せに
暮らしてたんだ
そして 素直に育 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157