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それは覚悟かい
稚拙で陳腐でそれでいて
瞳の中に炎を燃やしている
それは覚悟なのか
無謀だと一蹴することは簡単ではある
手折ってしまうことは後ろを向いていても簡単だ
ただ、それでは消せ ....
突然着メロを歌った携帯電話が
静寂の中伝えたのは
友人の死だった
半年間
人工呼吸器に括られた彼は
むしろよく生きた方だと
母親の声が途切れ途切れに
電波状態のせいではないことが ....
僕には複雑な日
多くの人の何にもない日 はっきりと
僕にとっては そんな気がする
僕の誕生日の 一日が 終わった
海の縁で
海水に疑似エサを垂れた
ラジオ局の 聞いていた
....
ダーリン それは素敵な音楽だった
そんな気がする思いで 私はMTVをぼんやり見ていたのだろう
蛇口をひねっては あの頃の夢は
壊れた アパートの 何だったのだろう
あんたはだれだろ ....
最初の雨の火に焼かれ
槍や矢の血の頬を娶い
色なき泡を
曇へ放ち
海を消す火
ひかり鳴る海
寄せる片目
まばたきの波
黒円が重なる
白濁が白濁を射抜く ....
追いかける バッタの姿を
緑の息の バッタ
空には 川が流れている 青い
青くない 赤い トマト
飛行船 黄色い
地上の子供の 声がする 練習の
吹奏楽部も 走り抜ける 本番 ....
英語の歌詞だからうたえっこなくて
だけど今あたしのカラダになじんで
でたらめ英語でがあがあうたえば
気分は明日へゆけそう
ふいにバラードなんてかかって
座る場所すら確保しなくて
唖然と ....
――知っていただろうが、
銀のフォークに刺したその柔らかな一切れが
まだ焼かれるまえには紅く鮮血が滴っていたのを
そして屠られるまえに荒く息をし、
「お願い、どうかやめて!」と叫んだのを ....
プロポーズは
提案なのだ
コンフェス
告白でも
意を決した
まなざしでもない
明日
映画は何にする?
って
当たり前の
昨日と今日の
あわいに
そこに咲いている
....
そして私は歩くのだ
そこに 誰もいない 街を
レンガのように ああ
壁の 中を 黒っぽくなった
そうして 新聞を持って
ひとり 私は歩いていこう
言葉にされたそのあたりに
....
渋谷を歩いた
小綺麗なスラム出の子がそこには歩いてた
私には 風景の 目の一部ではないので
渋谷なんぞは見えない
都会であっても
新宿は 眠くなる街だ 素敵ではない
現実なん ....
私にバケツは揺れる
あなたのものは何も無い 流れていこう
きっと魚など無い未来なのだ そこにはどこかで
無いものとして ここへとあることもなく
今日は河原を歩いてきた
昨日の魚は ....
真に円いものなど
何一つとしてありえない
にもかかわらず
孤独を円く円く
よりやすらかなかたちへ
よりあたたかなかたちへと
僕はひどく愚かだった
とはいえ限りなく球体に近く
蹴っても投 ....
枕元のバス停に
バスがとまる
幽霊たちが降車してくる
薄目で見ると
いつもと同じ顔ぶれ
時々人数が違うのは
シフトなどの関係だろうか
幽霊たちは寝ているわたしに気を遣って
....
そんなこんなで 今日は
君って人を もっともっと好きになったんだ
「僕とデートをして下さい」
「はい」
一週間前、
君はあっさりとOKをくれた。
僕はこっそり、
あ ....
星の虹が
路を馳せる
無と刹那
指と指の差
曇は飛び去り
岩は残る
暮れの雨の手
無数に押す手
夜が夜になるときの
色とにおいの減り具合
音 ....
つよくなってどうするの?
つよくなったあとどうするの?
花を咲かせてどうするの?
花が咲いたあとどうするの?
過去は変えられないけれど
じぶんと未来は変えられる
....
いっぴきの蝉が
務めを終えたように
仰向けに落ちて
空をひっかいている
親しんだ木々の幹に
戻る力はもう無い
おまえの瞳が
磨きたての宝玉のように
くろぐろと光をたたえるのが
....
長い夜を経て
日差しで爛れた身体を
両手で抱きしめ守りながら
逃げ帰った部屋の片隅で
地平線に日が喰い殺されるまで
私は本を読み漁る
虚構に我が心を ....
視線を感じ辺りを見渡してみる
目を合わせるとそむける事ができなくなる複眼
ギザギザした足が恐怖を倍増する
害虫を駆除してくれると知ってはいても
その風貌からして愛らしいとは思えない
体全 ....
小学校から帰って
叔父に自転車の運転を習う
家には大人用しかない
「両足がとどかないよ」
「おれだってとどかないよ」
叔父は自転車のサドルから腰をおろして
片足しかとどかない姿をぼくに見せ ....
あと余命半年です
目の前に座る
眼鏡が似合う医者に
冷静に告げられた時ほど
冗談であってほしい
そう思ったことはなかった
その言葉に続けて
医者が何か言っていたけど
もう何も聴 ....
水晶の心臓をもつあのこの
心音は途切れずに
星雲で脈打っている。まなざしは
林の陰のように微笑んだまま
朝食をいただいている
鉄塔の影はのび
山際の空が紫にいろづく
せせらぎを
さかの ....
俺、今ちょっと手持ちが足りない
セブンスターとチェリオで420円
そんな端金も今はちょっと払えない
まあ今じゃなくても払えないけど
っていうかじゃあなんで買い物なんかすんの
っていうかじゃあ ....
ミネラル水を2本並べてキミを待つ
花も2輪
硝子ボウルに洋梨と
赤い実のグレープフルーツを置いて
綺麗に磨いた先割れスプーン
忘れていけないのは
洋食と言っても箸が好きなキ ....
前田屋というそば屋で
四人でそばを食べた
あれが最後だったと思う
ほんとうは
生まれたばかりの息子と
奥さんのそばに
いなければならなかったのに
遠いところから
会 ....
花はどこへ行った
なんて問い続けるよりも大切なものが私たちにはあった
それが今の生活であることは否定できないし
ひとの望むものなんて目に見えるものに他ならないのだから
ありふれた結婚生 ....
鹿沼公園 梶ヶ谷第一公園 あさやら公園 じゅん菜池緑地
こうえんらはその下で ゆるく手をにぎってつながっているという
きょうも
ひとりの女(ひと)がだまってベンチに座ったままだ
こうえんは ....
何にもない日ではなく
一年に 疲れている
私の立っている 何にも
あなたは 流れていく
島は 持っていない
遠くに 壁の光が見える
風のコーヒー
闇は スーパーの匂いもして ....
家を呑んだ水の明るさ
羽も来る 声も来る
何もかもが
無言のまま来る
言い返せない風が集まり
壁の一部を砕いては持ち去る
こぼれた文字やかたちから
姿の言葉 起ち ....
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