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新緑がこころに刺さる季節は君と手を繋いで歩きたい
野辺の花を愛でながら世界をいとしく思うことだろう
背に負った荷物も軽くはないがそんなものこの五月にくらべればなんでもないんだ
大地からの息吹 ....
父が商人になったきっかけは
一本のから芋の蔓だったのです
長男だった私は
そんなことを弔辞で述べた
そばで母や妹たちのすすり泣きが聞こえた
その前夜
父はきれいに髭を剃ってねた
どこ ....
布の鳥が鳴き
ほどけては地に落ちる
六角柱の空が
球になろうとして震える
砂煙の夜を
すぎる猫の背
二色をわたる
赤子の息
花のように立つ銀河
白は白 ....
おそるおそる下を覗いています
建物の数だけ見渡す世界がちっぽけなものに見えてきました
ちっぽけな暮らしのなかで夢はいつも大きくふくらんで浮かびます
汚いアパートですね
レースに隠れたゼラニ ....
ひとは裏切りをぼくに見せるまで
どんな密談かさねていたのだろう
ひとがそれをかさねているあいだ
ぼくは一体なにしていたのだろう
お客様に怒られていたのか
コンビニの夜 ....
破魔矢で狙われている
砂漠
あなたの両の胸から
月あかりの残り香
ねえ、
アスファルトに臥した
さびしがりの虎もわらうよ
口のはじにちいさな
白い兎をくわえ ....
宝船から突き落とされる
何度振り返ってもあのタンポポ
踏まれる場所に咲いている
アスファルトから芽を出して
どうしてもそこが良かったんだね
風からの問いに頷くように
そよいでもみたそうな
けれど地に這って咲い ....
福袋の中でじっとしている
相変わらず僕は
たいていの場所へ
行けてしまう
羽ばたかない翼にしがみついて
南の島に不時着することだって
くねらない蛇に飲み込まれたまま
海峡の下に潜り込むことだって
軽過 ....
径を照らす茶色の花
川のかたちを隠す樹の影
砂岩の崖のはざまを下り
陽は淡く細く鳴りひびく
光はまぼろし
こがねは緑
巨大な片羽
星の同義語
午後の陰を ....
?公園に女の子が八人いました。
さらに後から男の子が何人か来ました。
全部で子供は十五人になりました。
公園に男の子は何人いますか??
レスリーは両手の指を曲げたり伸ばしたりしている
....
あなたと会話をする
迷路にまよいこむ
歩いても
ふいに道があわられきえる
言葉が
ひゅるひゅるとうねって
あなたをかすめてながれてゆく
わかってない
互いがしぼりだしている
....
短い枕の中で
魚が溺れている
手紙を
食べ過ぎてしまったから
夏の道路を整備する
乾いた犬の
音が聞こえる
気持ちだけはいつも
敷地みたいに眠たい
ノートの中に
....
雨がたくさん降って来て
空も窓も塞いでしまうから
わたし達
砂漠の夢を見ていましょうよ
と女は言い
男と一緒に目を閉じます
でも、雨の音がするね
男が言いました
わたしはもう流砂 ....
粘りついている私
張り付いて剥がれない
経験なんてなんだろう
一回性の事実
誰も愛せなくて
こころ焼き付いて
悲鳴はいまさらあげないが
次のことを思うんだ ....
王様は絵画の中に
閉じ込められた
もうその存在も感情も
何もない
そしてピエロは解放された
ああもう貴方の為に
わたしは
....
僕達の薄ら甘い関係は
砂糖というよりぶどう糖だった
君の囀りにも似た言葉は
体液のように僕の身体を巡り
君の微笑みの陽だまりは
L-アルギニンのように
僕の生活に治癒力と免疫力 ....
僕のなまえがとけてゆく
きみの
鎖骨にたまる、
やさしげな影の湖で
カタツムリの殻のような
気だるい模様を描いて
きみのなまえもとけてゆく
....
負けたくないとおもうけど
一体なにになんだろう
どうして戦わないといけないんだろう
優しくなりたいとか
してほしいとかっていうけど
優しいってなんだろう
言葉が深すぎておぼれそう
....
損か得かもわからない
疲れ終わったからだには
世間の香りが辛かった
諦めきれない思いより
あなたと繋がっていたかった
さびしい変態行為でも
あなたに見ていて欲し ....
室内の外灯が
ねじれながら消えてゆく
蒼と銀の昼
置き去りの冬
つながりのない空が手をつなぎ
脚で波を数えている
枝の標から
生まれる音
冬を曲がると
....
気がつくと
幻影は去っている
残された静けさが
開放感と
自分であることの証しの取引が済んだことを
物語っている
不思議なもので
心の中から自由がきたとき
彼は門の鍵 ....
雨編む朝は天邪鬼
いま忌む意味を遺書にして
嘘に倦んでは海に埋め
えにし選べず益を得ず
恩は怨へと惜しみなく
春は華やか白知の波乱
昼の日中に日照りの蛭か
古き深井戸腐の吹き溜ま ....
目をつむれば
かたちは動く
ふちどりに触れる
濁音の息
風から風へ
羽と脚
枝のなかの重力
踏むごとに星の曇
やまない雨をなだめながら
手のひらと ....
存在するということは いつも決まって挨拶だから 時間が渦を巻くところに 僕も決まって挨拶を返す 今日も歴史が生まれましたなあ いえいえ単なる磁場ですよ そうして僕は踵を返し 存在しないということは い ....
はしる かぜ
まどう くも
かわく かなしみ
うたう さんだる
なでる ひかり
わらう このは
すける わだか ....
春になると飛んでる虫が集中的に増える
だから燕はこの時期にこの国にやって来る
命を食べみずからも命に食べられる
命のピンボール
切実でも偶然でも運命でもない
ぼくみたいに ....
すべては権力を握った側の都合の良い呼称
そんなものありはしない
ただただ人民があるだけ
それがこの世界だとおもう
なにもかんがえないできみとくもにのろうね
だれもじゃまはしないじ ....
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