すべてのおすすめ
今日もあせをかいて老母と
子供たちと彼女のあしたのかてを用意する
支払いが間に合わないことなんてたいしたことじゃないさ
金星はゆうゆうと太陽面を通過して
菊地直子もつかまった
消費税も上 ....
豆腐のプラモデルを買った
部品が全部そろっているか確認した
思ったよりもたくさんの部品があった
毎日空いた時間に少しずつ組みたてた
その間に何通かのダイレクトメールと
公共料金の ....
明けない夜はないが
晴れない朝はある
止まない雨はないが
笑えない昼はある
暮れない一日はないが
つれない人はいる
そして夜
幾つもの夜を耐えて
人は強くなると言うが
ちびち ....
少年は、石段の途中でふり返った
少女の気配を感じた、
そう想った
・・
ガス・マスクに着古したウェディング・ドレス
少女の姿は、そんなも ....
硝子と硝子のはざまの花
花の息に
そよぐ花
花は
花ではないのかもしれない
祭の終わりに
終わりを見ぬまま離れ出て
裏の通りを歩いていた
海に並び
海に着 ....
ぼくは人類におおきな迷惑をかけている
みんなぼくのことで
月曜日がいやになっている
日曜日がつまらなくなっている
世界でいちばんつらい死にかたがそれなら
ぼくこそそれが相 ....
夜ご飯の支度をしていると
息子が
「今日はなに?」と聞きました
「コロッケだよ、手伝って」
「ああ」
寝そべってゲームをしている息子は
14歳
去年私の身長を抜きました
伸ばした手 ....
トラブルが起きると
誰かが泥をかぶる
誰かが猫をかぶる
噂が流れる知ったかぶる
怒りにブルブル
やがてはブルー
シンプルなことだ
プールの中で眠る
プルト ....
あまぐも
が
垂れ下がる昼下がり
うっかり爪を引っかけたら
鈍痛を引き寄せてしまいそうな
空
あまがさ
の
濡れた匂いは嫌い
美味しくない想い出と憂鬱が
しつこ ....
恋には形があるからさ
だから、つくれるしさ
だから、こわれるしさ
かたつむりがね
いないとさみしいよね
木の葉の影の雨宿り
でもね
木のてっぺんにもいるんだよ
きっとね
だって だって
ひなたぼっこしたいから
アリさんがね
いないとさみしい ....
仕事が終わり
家に帰り
靴下を脱いで
床にほっぽらかし
気持ちよい素足でスタスタ歩いていくと
うしろで靴下タチむくっと起きあがり
ひょいひょいついてきて
プロ ....
光が
空の壁を抜け
消えてゆく
遠い笑みの 細い柱
石の路の夕べの先
午後が雷を呑んだあと
あたりは暑く静かになり
失くしたものを数えだす
進む方へ 傾 ....
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この世の中には
幕間に控えて居る役者は
いっぱいいて
人が羨む役を貰えるかは
まことに運次第なのだと思う
人は与えられた役の ....
夢から覚めると
午後は陽炎の中 寡黙に佇んでいた
翻る あなたの影だけが冷たい魚
見も知らぬ者同士 これが
いつかの夢ではないと言えるでしょうか
ひび割れた心象が決壊する時
....
割れたコップの破片
触って流れた赤い淋しさも
拭き取る温もりあれば
やがて
指切りげんまん
約束は絶対だからね
なんて
笑って薬指
淋しがりやさんが
零したお水
拭いておくね
....
花のむこうに
音は横たわる
夜の一室
屋根の下の迷路
鉄の隙間から見える空
夜は枝
別れは多く
慈悲は少なく
時間がまだ
舌の上にあるうちに
きまぐれな ....
かろやかな韻を踏んで彼女はやって来る
きせつのすべてを引き連れて
草原や潅木の露をあつめたりミツバチたちと
あかしやのはちみつをつくるんだとか
神殿の壁はまだひんやりとして小さな蛇がやすん ....
橋の下市長は
公務員の真皮着色は「そぐわない」と主張する
否、彼の公務員という概念に「フィットしない人体の様態」
という意味だろう
が?
公務員の皮膚に公共性はあるのか。
刺青をするよ ....
何を
描いてきたのか
いつまで
描き続けるのか
分からない
生き様を
刻もうとしているのか
ただの
石ころ遊びなのか
分からない
突き動かされた ....
四月、僕は
川のある町に
あたらしく暮らし始めた
水をふくんだ日の光を
吸いこむと、眼には涙が滲んで
黄色い床に積まれたままの
段ボールをつ ....
まぶたを 閉じれば 海は すぐそこ
関門海峡の潮の音
あっちのほうが長門そどな
長門には 鯨さんのお墓があるそどな
おおけな鯨のちいさな墓に 南無阿弥陀仏を奉じると
波をみな飲み込んでき ....
生温いラブソング
みたいな雨が
無骨な傘を叩く
手頃なセンチメンタル
みたいな歌が
鳥肌にまといつく
南風に押されるままに
よろよろ歩き出す
曖昧な記憶
傷つけたこと ....
君は踊る
薔薇を 菫を 雛菊を踊る
揚羽蝶を踊る
木洩れ日を 気ままな風を踊る
君は踊る
虹を 青ざめた夜明けを 葡萄色の黄昏を踊る
波を 湧きあがる雲を 嵐を踊る
君は踊る
....
{画像=120523013143.jpg}
いつも何かが足りない気がする
いつも何か一言いい足りない
いつも何かを忘れている
いつも何か遅れている気がする
忘れてしまったもの ....
迷うたら負けやと、きつい一言
今でもうちのお守り
そんなあんたは迷わずどっか行ってもうたけど
明方の台所で
豆腐がひとり
脱皮をしていた
家の者を起こさなように
静かに皮を脱いでいた
すべてを終えると
皮を丁寧に畳み
生ごみのところに捨て
冷蔵庫に入った
....
迎えに来たのに誰もおらず
よそいきの顔は漂っていた
見知らぬ仲良したちが
通りすぎていった
じつは夜ではないのです
聞こえないざわめきに
種あかしをされても
どう ....
朝の冠
光なぞる指
覆い
覆いて
凶事とともに
庭に埋まり
花露の熱
打ち寄せる音
寒い光の底から出て
雑な緑を集めている
昼の明るさ
何も無 ....
赤い 熊出没注意の看板の右端上に
白い小さな張り紙で「最近」と補足されている
死ぬことより死に方が問題だ
熊に食われるのは天罰のようでどうもいけない
残された妻と子が葬儀の席で困ってしまうだろ ....
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