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歩むもののまわりを
木がまわり
林がまわり
色になり
光になり
やがて塔になったとき
音ははじめて姿をひらき
共に歩むものとなる
抱かれたままでいる
何かに ず ....
悪い事をしてはいけません 悪い事をしてはいけませんよ
と 風が運ぶ 風が運ぶ
あなたは 朝8時に 長い坂道を転がって行ってしまう
隣の人も その隣の人も 意を決 ....
だきしめて だきしめかえして
こだまのように くりかえし
はらはら ゆらゆら
ほろほろ くるくる
おどる おどる
あなたのゆるんだ ほほ
あったかい すきが
わたしを みたして
....
背中に入り込んだ紐が
誰かに引かれて灯る羽
骨のあたりでちらちらとする
虫のあつまり
綿のあつまりのような光が
鉄の柱とともにつづいてゆく
追う音の少なく
見 ....
ドアが開くような音がすると
誰かが勢いよく飛び出していく
真っ直ぐに見せている道は
静かに湾曲していて
遠くの方で反射して、光が
不透明な景色を作っている
霧に浮かんでいる街で
探し ....
空にきらきらと輝く秘密
カランカランとかき集めて
まるい地球に閉じ込めた
そっと闇に隠れては覗き込む
太陽には言えない秘密
夕暮れ部屋の中で
君はキットカットと
出掛ける支度に夢中
俺は鱈のムニエル作りに夢中
いつものまな板の周りに
時々の鱈が甘塩で二切れ
その親愛なる白身を
俺から奪わんとするエノキとシ ....
ああ・・無常と無上
それは笑顔の
前にみた微笑です
ああ・・無常と無情
それはあなたの涙を
ぬぐったあとの
乾かぬ頬と
みてしまう俺の気持ちです
ああ・ ....
カット!
違うんだな そのコーヒーカップに入ったスプーン
もっとクルクル回して
ユダヤ人ならもっとクルクル回すんだよ
そう 頭の中で目の前の恋人のことも考えるし
干してきた白いシャツが乾 ....
夏が過ぎて秋が来て
君はすこし変わったね
突然のスコールみたいな
涙を流さなくなった
突然熱くなって
我侭も言わなくなった
そういう君も好きだったけど
....
秋の風が冷たいね
こんな時は
君にそばにいて欲しい
僕の心の空洞を
どうか
埋めて欲しい
僕の命なんか
秋の枯葉より軽くて
たとえ消えても誰もわ ....
空はふたつ
互いを追いかけ
雲はひとつ
高みへのぼる
たからもの
たからもの ふりくる
誰のなかにも
物のなかにもあるものが
聞こえくる
聞こえくる ....
高速道路の外の景色に包まれる
愛しいさよならの君は助手席で
きっと二人の意思で車は走ってる
緑色の看板が迫って
あと何キロ走ればというよりも
君が降りる土地の名前を確 ....
冷たい水で顔を洗うの
指先に赤く血の色滲んで
朝に凍り付く体
包んでも 包んでも
冷たく表層になるばかり
誰か 誰か
隣で眠ってはくれませんか
心安らかな人よ
無音 ....
森の中で月を見て
青さ静かに、目に染みていく
あるかないかのカーブを
そろり、ふわり、降りていく
静かに、選ぶ言葉に僕の
音はどこかで回り続けているか
泳いでいるのは、あなた
そ ....
皮膚のすぐ下は清冽
流れゆく血が私を
結びつけているのだ
家と人と肉と そして
全ての生きているものたちと
血によって私は
辿り直されることを許す
血によって私は
絶えず内 ....
雨を抱えた朝の傷
ただ静かに銀になる
ただ静かに鳴り響く
縦の傷をよけ
横の傷を踏み
円い傷の外周をゆく
点の傷を飛び越え 飛び越え
光のほうへ転ばぬように
....
めをとじて
いない いない
でも いないことを まだ
かくにんしたくない
せんしゅうの おわり
あなたと あって
こんしゅうの おわり
めを とじて
いない いない
....
青いガラス細工の小さな箱に
真っ白な綿をしきつめて
大切にしまいこんだ
ひとつの化石
時計の針が 逆回りする夜に
ふっと灯って
ふわふわと 光りはじめます
....
朝と別の朝はつながり
声や水を憶えている
光や傷を憶えている
頬をかすめゆく小さな 小さな
見果てぬもののかけら かけら
定まらぬ世界をゆく定まらぬもの
水色と銀色
....
いっきに体内に摂り込んだ
快と不快で
落ち着かない細胞たちよ
リズムに乗って
たゆたい
季節は止まることなく
私も止まることなく
日常を越えていき
キー ....
氷と光が交差する地に
人のものではない門がある
曇のような土がある
虹は滝のように降る
まだどこにもつながっていない
建てられたばかりの鉄塔が
空の輪の下
冷たい層を ....
瞳孔が広がってきたな
俺も一生廻りあえないほどの汚ぇ顔してんだろう
金があっても無くても奴らからのモノはいつもカルキ混じりだな
ったく、口の中が臭くなるんだよ
ケイなんでそんな楽しいの
....
船の停泊しない
図書室には
匂いがない
ブラインドの隙間から
斜陽
カウンターに落ちた
向こうで
司書が背中の羽を
二度動かす
白い付箋のはられた
いくつかの椅子は ....
朝の虹が
ちぎれた雲の上にだけ見えて
鋼のかけらのようにただよい
光から 光から 離れてゆく
海の亀裂
雨後の花
浪に昇り
空に会う
海と同じ色の岩 ....
からみあう木の根をくぐり
風のない海に出る
陸のほうへ 陸のほうへ
風は高く飛んでゆく
砂には浪が残される
浪のにおい 浪の色
浪のかたちが残される
雲は深く降りて ....
手のなかの金魚がたどる路
響きのための階段を
宵宮の光が駆け上がる
かわいた飲みもの 食べものの跡
においはずっとたたずんでいる
街にやって来た映画の群れ
ひとつの方を ....
水に映る光を
この手に入れたくて
焦がれても
焦がれても
風が吹けば消えてしまう
たとえば
空にかかる月に恋するように
不可能なこと
たくさん ....
枝で割れ
高くてたまらない空から降る日の光と共に
枝で割れ、枝から漏れ
枝で割れ枝から漏れる紅い朽ち葉は
可愛い可愛いと思った者への
女の、口付けの跡の
剥離、
塵、
....
水の中で泳ぐ魚
光を受けて煌く水面
いきいきと
ゆうゆうと
なんの疑いもなく
生きている
白日の下
照らし出されても
臆することなく
堂 ....
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