すべてのおすすめ
強い信念があれば
幼子の指一本で
巨人を倒すことも出来る
二機の飛行機が
大国の象徴を滅ぼしたように
しかしその信念は歪んでいたために
多くの生命を無駄に奪い
....
思い出
と
記憶
の違いを知ってしまってから
僕は
思い出喪失患者
になりました
何が綺麗だったのかも
誰が愛しかったのかも
今の僕には
何の意味も持たないようで
....
あの子は逝ってしまったのよ
夏の名残の陽射しが注ぐ朝の庭で
何度か苦しそうに喘いで
だけどそのうち眠るように
少しづつ少しづつ
呼吸が弱くなって
愛するみんなが見守る中で
頑 ....
ごらん あれは
眠りの間際の窓辺たち
ごらん あれは
烏賊を釣る船の漁り火
人々の暮らしは在り続けていてくれる
汗をにじませながら
涙をうるませながら
人々の暮らしは在り続けていてく ....
窓の
繊細な網目を透過し
すらすらと寝室の私の乳房へ浸透するのは
透明すぎるから、透明すぎるからです
空気中の夜
に含まれる鈴の
リ…
その中には、鈴、それは
リリ…
....
至近距離で選ぶ 想像の快楽とロマンチシズム
目線のやり場を 一体どこに持って行けばいいのかと
目視の限界点で 目をしばたたかせる男と女
何をそんなに見つめていたのかは、人それぞれである
まった ....
雨の夜
宙に惑うのは
報われなかった
言の葉の亡霊たち
人を傷つける為に生まれました
見下す為に生まれました
罵倒する為に
揶揄する為に
己に言い訳する為に生まれました ....
第三公園にて
子供たちの遊びがバタリと終わり
夕刻が全く遊びではなくなったころ
通称・動物公園、を
理解できずに正しく第三公園と呼んでいたら
わたしの待ち合わせだけが上手くゆかないまま
わ ....
人の生き死にをたやすく
詩になんかするものじゃない
と、貴方は私に云い
今のところ
概ねだけどそれは守られている
けれど私は
貴方の生きざまと
死にざまだけは
しっかりとこの眼 ....
まなこ に にちりん
もろて に こがらし
つち の かんむり しろ こだち
かぐわし みつ むし
たわわ の やま つき
かぜ の ふところ ....
三発目のライダーキックが、
不発に終わった時。
ジューの命運は尽きていた。
だが、
ここで敗北を、
認める事は出来ない。
来る金目鯛星人の襲撃を、
眼前に ....
おかえりなさい、が あったのだよ
ひらけば其処に
おかえりなさい、が あったのだよ
そとから帰って
よごれた手も洗わずに
とってもとっても
温かかったのだよ
....
ふわふわが
ふわふわに言います
もっと
ふわふわになる
光が光に目をふせ
渦の生まれを見ます
ふたつ
生まれた
ほつれ
ほどかれる指が
からまわりし ....
午前三時。
君はまだ喋ってる。
冷えたパスタを、
フォークで突っついて、
ぺちゃくちゃり。
ワインを、
手酌で注いで、
ごくり飲み干して、
ぺちゃくちゃ ....
その階段は
まぎれもなく階段であった
手入れの行き届いた草木
と
光を反射する 白の像
そこは
入り口にも満たなかったのだ
まぎれもない階段の途中
この両目は
....
からだをすり抜け まわされる腕
天使よ てんし 地使よ ちし
少しだけ浮くおまえの軽さ
水たまりの上の葉を踏んで
湿った土にひろがる重さ
毒のめまいを消し去るめまい
新たな ....
久しぶりに自転車をこいだ
思いのほか重くって
にわかに
ふくらはぎが
注意報
堪え
堪えて
焼鳥屋を目指す
男ふたり
「とりあえずビール」
と
....
蝋燭の炎が
自らのロウで噤むやいなや
細く白い一筋の上昇気流に紛れている、あなたの
残り香の腐乱による、鈍い苦痛を
わたしは貪ります
空耳に耽る耳には、耳の
幻 ....
未だ硬い、既に確かな
夏でもない、秋でもない、果実で
深緑は
瀕死であることを理解している
見上げれば、ひとつの一秒が
高速で遠のいてゆく
わたしは、何に対しても連 ....
さくら かんざし
あかねの 鼻緒
ねむりの いわおに
腰かけ
仰ぐ
ちり ち り りん
金魚の尾ひれが
風鈴を蹴る
ちり ち り りん
黄色の帯と
左手
....
午後11時55分の川面に浮かぶ 昨日行きの船は
今日の悲しみを乗せて 海の彼方へ
満ち潮には 増減があるのだと
思い巡らす 詩人の夕暮れる刻
紅葉した太陽が 海へと流れ行く
....
桜降る あの 朱色に染まる門前で
逝き 生きと 別れたというのに
あなたは 私の夢の中で
「君の傍にいるよ」とか
「守ってあげるよ」とか 言うのです。
幸せだった一日の終わりに
....
明日は翼が折れて
二度と飛べなくなったとしても
今日の青いこの空を
飛ぶことはやめない
飛び立つときの
地を蹴る勇気
畏れを抱いて
憧れ抱いて
まだ見ぬ明日の
自分を探し ....
せっかくのスカートが、なんて
君は
ふくれた顔で
片手にサンダル
フナムシも
フジツボも知らない
君は
おびえた顔で
片手にサンダル
ここは
たまたまの国道沿い
....
むらさきいろの透明グラスは
この指に
繊細な重みを
そっと教えており
うさぎのかたちの水色細工は
ちらり、と微笑み
おやすみのふり
壁一面には
ランプの群れがお花のか ....
すきとおる泪が
青い洞門をすべり落ちる
あなたほど自然に私をさとすものはない
美しく象形した蚕の吐糸がやさしく肌を包む
あなたは私を裸にせず裸にする
新しい息吹は真珠となり
このく ....
ビブラートする白
は、流れ落ちて目覚め
あとは黒い眠り
指先は
猫毛のように鍵盤を滑り
響きは深閑に温度をもたらす
私の背にかむさるその暖かい音色は
恍惚に揮え光冠を放ち
空中 ....
見えない飛沫の連なりが
輪のかたちにそそがれる
低く飛ぶ蝶の腹を見上げ
同じ速さで陽をすぎてゆく
うすく明るい
鳥の影が交う道を
飛べない鳥が歩いてゆく
気まぐれ ....
緑のなかの月
金のなかの羽
夜の上で重なりあう
土の上で重なりあう
空のむらさきから
鳥が飛べないほどの風が
裏表なく降り下りる
どこへでも
どこまでも
....
夜店で釣ってきた金魚を庭先で
バケツに放して
しゃがんで
じっと見入る
窓からのあかり
空からのあかり
遠くに響く祭り囃子
黒い自分の影
しゃがんで見ている子供の私
その一点の風 ....
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