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うれひを小脇にかかへ
不眠の患者の眼のうへ ありく
うすひ壁なぞすすす あへなし
やる気もうせたこのカラだ
サイレントピアノを百年たたく 人真似よろしく
肺病む少女をゆうれひ ....
秋になったら家を出る
軍手とシャベルを持って遠く遠く
九月いっぱいは歩き続ける
十月は釣りなどして過ごす
十一月が木々を染め出したら
場所を決めて、あとは待つ
落葉を敷きつめてその上に座る ....
強烈なマー坊豆腐を食べたみたいに何か鼻が苦しい、
全身から大量の汗が吹き出してくるようだ、
もうきっと駄目なんだ、
私は唐辛子なんてもう絶対食べない。
嫌いになりそうだった、人間な ....
かつて、私の泣き声の
代わりに歌ってくれた小さな川
その横を闊歩する
今の私の泣き声は
私の子宮にうずまいているから
軽やかに
川縁を散歩することが
できる
水の流れる音
さらさ ....
おお、そうか、薔薇か、薔薇を育ててみたいのか、
彼らはそう言ってとても喜んだ
それなら、この本を読みなさい、とくにここは口に出して何度も読みなさい、
彼らはそう言って励ましてくれた
....
行方満ちる目
未明ひとつ触れ
踊りかなしく
ひと呑みひと呑みが
耳につもり
うなじを下り
冬の馬が削る
原 崖 丘
かけらを ふりほどいて
....
誰だってカラフルな菓子を食べていれば 人は幸せに思える
人に私は失業者の白い目で見られながら
日本という国の寂しさを実感する
今日私が手にしたのは何色の菓子なのだろうと見ている
瀬名 ....
夜空に視線を移さなきゃ
涙が零れるのを隠せやしない
本当に孤独という奴は
どうしても現の後に訪れるのやら
生きているその理由を尋ねられれば
永遠で無限の静寂を恐れるからと答えよう
早く ....
「じれったい!」と叫んでいた男の背中にすがりつこうとして
彼が必要としてたのは私じゃないことに気付く
う〜ん、淋しいかも
開けてはいけない扉を自らの意思で開けてしまったのだし
それが愛 ....
しじみはしゃべらないけれど、
しじみ同志にしかわからない事があるのかも
しれない。しじみにはしじみのことばがあっ
て、いまも会話をしているのかもしれない。
海の風に立ち
素肌は陽 ....
酔いすぎたあとの朝の目覚めは
透明な悲しさ
霧の湖の水面に
さざなみがたち
底がゆれる
どこまでも沈めるようでいて
波間にただようしかない
ぼくの影はぼくの形から
女の長い髪が広が ....
私は今日も、何一つすることすら今は無い。
一人さまよう私は傘もささずに、
一人私は目を覚ます。
私は雨の中を。
シトシト雨は降り続け、
いくつもの清掃車が外を音を立て通り過ぎる。 ....
今日も仕事に思いすら無くている男は何をすればいいのかと人にたずねていた。見えたいろいろなものをがつがつと食べていた。近くのハンバーガーショップで肉を買いだめし、男はテーブルに並んでいた肉などを食べ ....
何もかもが過ぎて行く
そして何もかもが帰って来る
落とし、奪われ、失くした何もかもが
心の中では連綿と紡ぎ直されてつながって行く
これをウィーヴィングと呼んでいる
トリックとまでは行かない修 ....
101031
風の夜に
眠りこける
九官鳥を起こす
眠い眼で顔を上げ
朝が来たかと呟いた
風が無い日に
のんびりと
そよ風探して飛ぶのだと
....
やねのうえを
あめがあるいている
なかにはいりたくて
しかたがないのだ
しめわすれたまどから
なかをのぞいて
さんのあたりを
なみだでぬらして
ひとりで深夜に大量の酒を飲みながら、何も思わない私も浮浪者と眠るそこで何一つ思わないから多分自由なのだと思える。様々な物事についてをひとりで考えながら、雨の中の散歩道を風のように過ぎ去りながら駆け ....
1
公営であるタクシー乗り場でボッタクリのタクシーと交渉し、着いたばかりの体はくたくたに疲れ果てていた。何か迷い子のような気のする私には確かな風景などそこには無いように思えた。彼らはフランス語はでき ....
涙が乾く音より高く
まばたきの音は昇りゆく
午後が午後に
耳すます午後
月への道に
擬態する羽
水は満ちて
器を呑んで
ばらまかれて
途方にくれる
....
1
川には白く白く波が立ち
いくつもの太陽からの光が反射している
南と瀬名が歩いている光景が堤防の上に浮かんでいた
今では大きなマンションが並んだロケ地を
飛んで行った 青いスーパー ....
新宿駅の地下連絡通路に連なり通行人をガイドする
柱の鏡で彼女は念入りな化粧の最中だった
思春期の門口に立つ少女のようにあどけなく熱心に
出勤前のホステスのように身を乗り出し一心不乱に
何千とい ....
栗をむきました
それだけで
私の友達のもみじの木が
さらさらと笑いました
私は今、手に抱えきれない程の
難題を抱えているというのに
栗をむくのに必死だったのです
ねえ、君と私
....
なんて綺麗なんだろう
銀杏は黄土と薄緑が混ざりあい
その葉が落とす影の模様
どこまでも澄んだ青空を
斜めに上る飛行機は窓さえ見え
その向こう遥か先には
半月より少し大きな白い月
僕との距 ....
頭の中が暗闇で
街灯もなく
右を向いたり
左に走ったり
右往左往がユーモラス
黒く染まった時の中
大声で叫んだら
話を聞いてくれるかい
無視する人もいるけど
....
いっぱしのおとなになりてえ
と泣きながらうそぶく四十男を
わたしは胸の中に招き入れる
いっぱしのおとなはつまらないわ
と慰めてあげることも
いっぱしのおとななんかくそくらえ!
といっ ....
空と
毎日の
事を欠かない食事
眠り
ぷらす
飽きない質のセックス
そして
幻に映る
ガラス玉があればいい
きみは何も言うな
僕はそ ....
まりが
はずんでいる
えきのホームで
けいたいでんわを
いじりながら
まりが
でんしゃにのる
まんいんでんしゃに
おしつぶされそうに
なりながら
まりが
ころ ....
垣根の緑の葉っぱは、揺れていて、
並んだ木々の間で、
手に少し触れる時は、汗が滴った。
いつも食い千切られている気がした。
私の、
目の上は、見えた、
霧の上に、雨にー
先端 ....
あなたの発するだろう声に、そこに色々な、声にすることすらできないようなものが、けれど具体化されずに、取り巻いているような気がした。とりとめも無くぼんやりとしたものが取り巻いている。私にはそれはぼんやり ....
やがて忘却の海辺に打ち寄せられた白い欠片、
朽ちた流木や貝殻の転がる旧い別宅の荒れ果てた庭に
ある日。螺旋に絡みつく二本の蔓の梯子が垂らされていたが
それはあたかも、私には儚い夢の終わりのようだ ....
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