すべてのおすすめ
白い花弁に滲んだ色は、
褪めた肌の哀しみにも似て
わずかな岩の裂け目へと根をつけた
くらしの危うさを今も孕みながら
押殺した声の倹しい日々さえ底なしに
やがて崩れ落ちる恋に焦がれて
夢 ....
触れて触れて 粗く
肌が肌に 痛く
どこまでも拙い指きりに
耳をすます
{ルビ白湯=さゆ}の林
そよぎささめき
花を織る熱
冷えて 冷えて
波 海鳥
山の ....
音は高く
鳥の背にのり
光はにがく
水をつぶやき
道にこぼれる
日々の花房
砂の花 花の乳
うすくくゆる みどりの
建物は泣き
門は目をふせ
かつての幸は
....
薄すぎたミルクティーを飲みながら
なんとなく夕陽を眺めていた僕は
辛うじて今日の生存を終えつつ
生温い部屋で過ごしていた
静寂はテーブルの肩に寄りかかり
世界を停止させようと 息を潜めて ....
空 そ ら
雲 く も
風 か ぜ
雨 あ め
柔らかい心もちで呟けば
優しく響き
美しい思いで見上げれば
ああ
こんなにも
こんなにも
土 つ ち
水 み ....
紀伊国屋書店にいって、ぼへらーって立ち読み。現代詩手帖。詩学。詩と思想。MY詩集は、パス(笑)。
きれい。
きれいだけれど、プラスティック。
たとえば。選定された野菜のように。
きれい ....
中目黒。
都会なんか大嫌いで
ましてや渋谷から二駅のこんな駅で
あんたと暮らすこと夢みてたなんて
ほんと論外。
この5年でこんなに苦くなった。
『思い出は美化される』
あの法則はどこ ....
たとえ
罪に赤く塗れても、
許しはいつも傍にいてくれる
酷くさむい朝、
遅れて目覚めた僕に
「おはよう。
という、君の柔らかな笑み
テーブルの上のベーコンエッグ
淹れたての ....
手と、手が
触れて
砂埃でかすれ切ったあらゆる地面が
夕刻へ
厳しげに交錯するあらゆる細枝が
夕刻へ
落書きごと枯れているベンチのあらゆる褐色が
夕刻へ
夕刻へ、と
....
うそつきにひとつ
水に沈む瞬間の
鳥のくちばしにひとつ
うそつきにひとつ
群れを照らす光
肩から上の影
音のない群れ
滴をもとめて
水が描くはざま
入 ....
所謂、出会い系の掲示板で知り合った
あなたは、豆とプリンが好きですとだけ書いてあり
僕は何気なしにメールを書いた
所謂、メル友の全盛時代だったのだろう
メグライアンとトムハンクスの映 ....
親愛なる、
あなたさまへ。
あなたは何時の夜も、
肝腎なことをはぐらかされます。
わたくしがどれだけ歯がゆい思いをしているか、
よくご存じのはず。
....
火の向こうに
もうひとつの火があり
さらに向こうの火に重なり
ひとつのようにじっとしている
一本の木が
雨を呼びつづけている
丘は近づき
わずかに崩れる
....
何かが去ったあとの高鳴り
大きなひとつの花になり
たくさんの小さな羽になり
微笑みながら消えてゆく
ひたされたとき
見えるかたち
雨はすぎて
胸とくちびる
....
あだしのくんは、
ときどき冷たくなる。
あたしの隣で眠っていると、
あだしのくんのからだが冷たくなる。
あだしのくんの蒼白い肌が、
さらに蒼く透きとおって ....
雪のじゅうたんの上をゆっくりと歩いている
例えば君がココから居なくなるのなら
僕はなんでいきてるか分からなくなるよ
愛しているたくさんの人たちに
この小さい胸の中の思い ....
なあ今日は
おまえが好きな
政治的なバーはよそうよ
そっちのほうがビール安いし
人々もいいけど
外国の刑務所に拉致されてもどってこれない
バスクの革命家たちの写真を見る ....
どうしても
想いが一杯になっちゃったので
あなたの隣に
すべり込んでみたら
あなたの匂いがして
想いが溢れそうになっちゃったので
抱きしめてって
やっと言ったら
抱きしめてくれて
泣 ....
ひとつの炎がてのひらにいて
手のひらのかたちからあふれては
熱も音も伝えずに
あふれつづけるそのままでいる
蒼い羽とむらさきの矢が
吹き荒れていた夜は明け
白い髪 白い ....
夜ごと歩く月を追い、
旅に出る。
月は夜ごと、
誰かに囓られている。
夜ごと歩く月を追う旅は、
太陽の下を歩く。
容赦なく照りつける、
我が儘な太 ....
あたしとあだしのくんは、
大恋愛の末に結ばれた。
はじめて、
あだしのくんに告白されたとき、
あたしは別の人と付き合っていた。
一年後、
またあだし ....
屋根裏を侵蝕する、
あの水のように、
満ちてくる。
想い出す。
息ができない。
肺の奥まで、
想い溺れている。
言えなかった、
ひとこと。
....
遠ざかる。
交わった足下の影は、
ゆっくりと離れ、
別れてゆく。
やがて、
影は消え。
水溜まりだけが、
きみを残している。
わすれない。
....
くもり硝子に指を滑らせる。
流れ落ちる水滴が、
鏡に映るきみの涙と、
重なって見えた。
さよなら。
....
あおいおそらにぽぅっとしたり
おおきなつきにぽぅっとしたり
おいしいものにぽぅっとしたり
秋はなんだかわくわくしちゃう
そしてあなたにぽぅっとしたり
屋根裏から、
聴こえてくるあの音は、
きみが還ってくる、
その足音なのか。
紅茶を淹れて、
待っている。
きっときみは、
冷え切っているだろうから ....
おんなにとっての
それは囚われ
深遠の亀裂より鉄鎖を垂らし
おんなは生きる
獣は獣
下履きから覗かせる鉄鎖を
見も知らぬ男に掴まれたとしたら
それが悲恋物語の序章
秋の日の静寂に我が身 ....
あだしのくんのことを話そう。
あたしのあだしのくんは、
あたしの恋人である。
どんな恋人なのかといえば、
あたしのあだしのくんは、
彼氏というには顔が ....
布をひらき 布を折り
隙間を残し さらに布を折り
ひとつの色に定まらぬ陽は
ひとつのうたをくちずさむ
暗がりの宙に浮かぶ音
変わりつづける一瞬を
意味とは異なる姿の方へ ....
ぴょぴょがあふれたら、
もうきせつです。
ばすけっとにつめこんで、
のはらにでおでかけしましょう。
みんなまっていますよ。
さあはやくじゅんびをして、
....
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