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舗装された過ぎた道路は西に伸びる
隠された向日葵の種は
次はいつ芽吹けばよいのかと
首をかしげ
夏は立ち尽くしている
都会育ちの猫は
酷い体臭を払い除けながら
夜を寝床として
彼の恋人 ....
夏休みにしか帰らない
実家の銭湯には
青い富士山の変わりに
緑のペンキが色あせ
ボロボロに古びた
一匹の龍の壁画が
どん と
風呂場一面を支配している



田舎のせいか
夏場 ....
ついに、越えていかれるのですね。


拝啓、海沿い、立ち並ぶ風車に。ごろんごろんと音をかき混ぜる大きな手に、何でもないことを、挨拶のように振舞うあなたに。ここを、越えていかれるのですね。知ってい ....
深い眼差しを、
赤く朝焼けした巨木におよがして、
動きだすふたりの直きせせらぎが、
ふくよかな森の奥行きを高めて。

始まりは、乾いた無音を燻らせる、
茫々とした朝霧を追い越して、
あさ ....
雨が止みはじめた頃に、
傘を差しはじめてみた。
びしょ濡れになって傘の下、
僕は何かに守られていると強く感じる。
道の向こう側から、
少年が歩いてくる。
あの懐かしい長靴の黄色が、
僕の ....
  つるかわ

つり革の下には
振動する幽霊の手が
ぶらぶらしているよと
嫁のもらい手がないよと
節だらけの拳を振る
明治生まれの大伯母に
呼ばれたような気がして
リノリウムの床を
 ....
*翔る*

頭上の
ヘリコプターに向けて
大きく両腕を振る
「おーい」って叫んだ
何度も叫んだ
声だけが
翔けていく



*風*

自転車の
ペダルを漕ぐのも
間に合 ....
遠ざかる青いカンパスの咆哮が、
夜の鋭い視線に切り裂かれて、
街は、暗闇の静脈を流れるひかりのなかで、
厳かに再生されてゆく。
落下し続ける星座の森が、映し出されている、
高層ビルの滑らかな ....
お前にそっくりな
ひよこ豆をゆでる

おまえにそっくりな
ちいちゃな鉤鼻と
これまたおまえにそっくりな
ちいちゃなおしりがついている

圧力釜なら早いが
ああ、
それはぜんぶお ....
右足の甲に落ちた水滴が
全身のわずかな震えを止めて
律儀な夜は昼となり
見知らぬ今日が明るみにでる

私の琥珀色の影は
夢遊病のような顔つきで
あなたの記憶のどこかに
住 ....
ふうふうと
息をのぼらせ
この坂道をのぼってゆく
季節は溶解し
逆転し
暗転し
眠るものの肌を焦がした
ふうふうと
息をのぼらせれば
ふうふうと
あえぐ空 または地

(私はあ ....
空気は夏色に染まり
空の青さにも透明が混じると

今年も
『カミナリ玉』
がハシリの時期になった


深緑に走る
黒い稲妻が

球体になって
八百屋に並ぶ

値段は詐欺 ....
いきものが また 死ぬ音が している
いきものが また 生きる音が している

ずしりずしりと 
はじまりが
おわりへと 沈む

ああ 鉛のようだ

ぽとりぽとりと 
おわりから  ....
小雨の降る夜道を歩いていた。
ガラス張りの美容院の中で
シートに座る客の髪を切る女の 
背中の肌が見える短いTシャツには

「 LOVE 」 

という文字が書かれていた。 
 ....
ぼくは詩人

星の数ほど夢があり
そしてそれは煌めき輝く

今日もまた

夜の散歩をしていると
星空に出会いました

星を隠す雲もなく
見渡せば満天の星が銀色に広がる

その ....
絹のような 抗いがたい量感に
涙さえも濡れてゆく


霧とよぶには 重たく
雨とよぶには 軽く
そこはかとなく
命名を拒むような
その 結界に包まれて
記憶の軸も同様に
遠退い ....
数千粒の眼球が弾け
灼熱前の
朝、の
宙を浮上し
愛おしい、を探り始める、
夏の
何処かの


数千粒の
愛おしい、を探ることの
パチパチする明るいソーダ水のような痛み
 ....
「えくぼ」


六月の風にゆれる
さくらの葉っぱ。
よく見たら
ぽつぽつ 穴があいている。
虫に食べられてしまったのだろうか?

穴は どこかの虫の命を みたして
穴は みずみずし ....
いつも眠ることばかりを考えていました
枕の硬さが場所についてを語っているので
少しばかり、指先を開くようにして
眠る場所のことばかりを想っていました

安息は帰りましたか
こちらでは同じこ ....
ぼくは詩人

無は存在し
それは有の存在と
連続している

今日もまた

夜の散歩をしていると
闇に出会いました

何も見えず
つかもうとするものもなく
どこまでも深い闇が続 ....
空は虹色に溶け
得体の知れない甘さが
いちめんに薫り立つ夏のゆうぐれだ
長い夏のゆうぐれだ
君の記憶が
水のように透明に
けれど水よりも濃い密度で滴ってきて
それは容易く
私の現在を侵 ....
湿った闇に蛍ちかり
潤んだ夜に星ひかり

小指から糸を辿れば
丁度きみの背のあたり
絡んだ赤が花になる

   夏は夜

浴衣を着れば良かったと
木綿のシャツを少し恨んでみる
盆 ....
かたく閉じた両耳が震えた
ぐらつくほど景色は紅く燃え
わたし舟、かすかに揺れた気がして
しばらくこのままでありたいと
きえゆく視界に願った

なまえには最初から意味なんてないんだろう
つ ....
思い出だけで終わらないために
日々は刻まれて
小さく、はらりと落ちていきそうなものが
私の中で対流している

一番最後の麦藁帽子が
夏の見える丘の、少し西の辺りを
沈んでいった日のことを ....
道にカラスの羽が落ちていた
とても丈夫な羽で
とても美しい黒だった
懐かしい匂いがしたので
部屋に飾ろうと思い
拾ってかえることにした

なあカラスよ
イソップ物語の『おしゃれなカラス ....
テレビをつけると
いつの間にかスポーツニュースが始まっていて
きっといつか見ただろう中年の男が
神の立場で
野球をカミカミ語っていた
もうすっかり名前も
投手だったか野手だったかもわからな ....
私とあなたの間には 
いつも一枚の窓があり 
互いは違う顔でありながら 
窓には不思議と似た人の顔が映る 

私とあなたの間には 
いつも一輪の花の幻があり  * 
互いの間にみつめると ....
1
光の棲む場所に立てた、
煉瓦の墓標は
あの子の水晶体の
最期の反射によく似ている

2
朝日がなぞった煉瓦の質感は
どこか罪悪にも似た
紫陽花の萼の如き裏切りの反芻で ....
紙の上
の白

の下の


ね重なる
行為ゆえにさらに
かさねては文字盤の上の
ほこりのよにかさかさと動いて
何度目かの憑依、幾度目の翻意よ、とろりくずれて
紙の上とどまり ....
{引用=夜を裂く青星の爪 雄たけび上げ
駆け下りて来い わたしのなかへ}

夜の天蓋に{ルビ静寂=しじま}はこぼれ
瞬くのは
ただ蒼い隻眼
その牙は光り その爪は光り
そのたてがみは光り ....
こしごえさんの自由詩おすすめリスト(3680)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
初夏- .自由詩806-6-21
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good-bye_circle- 霜天自由詩806-6-19
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いのちのいる場所- 前田ふむ ...自由詩16+*06-6-16
ひよこ豆- 水在らあ ...自由詩20*06-6-16
幻雨- むらさき自由詩5*06-6-16
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カミナリ玉- 蒸発王自由詩9*06-6-15
きみよ_ああ_生きてこそ- 第2の地 ...自由詩206-6-15
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ぽえむ君−抱夢−- ぽえむ君自由詩7*06-6-14
霧雨- 千波 一 ...自由詩12*06-6-14
眼球たちの夏- A道化自由詩606-6-14
なにもないうた。- まほし自由詩48*06-6-14
祖国- 霜天自由詩1206-6-14
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夏の場所- 塔野夏子自由詩21*06-6-13
- 銀猫自由詩15*06-6-13
かぐわしき- .自由詩406-6-13
曳航- 霜天自由詩1306-6-11
カラス- 壺内モモ ...自由詩10*06-6-10
兎女- 黒田康之自由詩506-6-9
傘を差す人_- 服部 剛自由詩21*06-6-9
煉瓦を積んだのは朝日に知らせるためではなく- 士狼(銀)自由詩8*06-6-9
PAST_E_?- かぜきり自由詩206-6-9
シリウス- 石瀬琳々自由詩12*06-6-9

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