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鉄柵に囲われた駐車場
夜の水溜まりより黒い わだかまり
うごめい たようだ 眉根しかめ眼を
夜より黒い水溜まり よりもっと
濁りまじる ぬらり 猫背のましら
互い気づかれ アスファル ....
じじとばばとぽぽと言うウーパールーパ型山姥が
漆黒のマントを翻し
鈍色の深鍋を掻き回している
薔薇色の身だしなみをひとつ
二枚舌のごまみそ髄をふた掴み
四角四面のしゃちこ蝗の規律 ....
もしも許されないなら
この瞳を抉り出して捧げますから
貴方の薬指を飾る石にしてください
蝕まれてゆくのはいつも正常な意識ばかりで
何かを伝えようとするたびに奥歯が軋んで
上手く ....
正確な、正確な、階段を
カン、カン、落下、してゆく音で
冬の風が半音上がって
度重なる半音分の痛みが次々に
刺さっては馴染んでゆくこめかみ
更に
視覚
という切れ目へと
....
モノクロの描画、朝が朝になって
いつも間違えそうな、窓に走る線のひとつふたつ
数えることを踏みとどめて
大きな朝に、誰もいない交差点に、スクランブルに
点滅する青と赤に、おはようと言うための
....
ほめてほめて
あさ
おきたというだけでほめて
これはこどもっぽい
こどもっぽいふるまい
じゃあこどもっぽいということをほめて
めざめたばかりのぼくをだきかかえて
よいしょともちあげて
....
裏庭から
雨音に紛れて
犬が落下していく
音が聞こえる
どこまで落ちていくのか
犬にも僕にもわからないまま
犬は落下し続け
僕は音を聞き続けている
少し傲慢に生きてきて
思い ....
感情の表層を抉るように
例えば それは
ビルの谷間を駆け抜ける
横溢する鬱屈のアニマに
放置された
束の間の雨季
羽化しかけの蛹さえ
約束されたその日 ....
水時計は五色、
薄紅、薄青、亜麻色、鈍色、萌黄、
途方もなく贅沢な時計、
薄紅ならば奥方さま、
薄青ならば二の奥さま、
亜麻色ならば三の奥さま、
鈍色ならばあたし、
萌黄ならばあなた ....
「決まったよ。」
静かな一言を受け
静かに頷き返した
音もなく
広がる波紋を見つめ合う
乾いていく唇を
そっと潤して
言葉には出来ない想いを
目尻に光らせた ....
君の残した想い出は
遥か遠く浜茄子咲く北の国で
いつも優しく眩しいほどに輝いて
ここまでおいでと僕の名を呼んでいた
君の残した思い出を
僕は今超えようとしている
越えることなんて考 ....
星の降る丘めざし
街灯が照らすアスファルトの道を
凛と涼しい顔で
背骨をしゃきんと伸ばし
おいしい空気を吸いながら
一歩一歩足を進めていく
リズムをとりながら
バ ....
“白い蛾が産まれると困るのでしばらく家を出ます”
“追伸”
“白い蛾を見ても殺してはいけませんよ”
こんな置手紙を残して
死神が家から居なくなりました
いつも一緒にいた名付け ....
黒い喪服の人たちが
ぞろりぞろりと列成して
まるで蟻の行進です
白い棺は雨に濡れ
土手の死人花は鮮やかです
黒猫がにゃぁと一鳴きし
遺影の写真の主は笑っているか
いや、いまい
....
「 ツァオベラ あの 真っ白い世界 」
わたしはその日も一斤のパンと砂糖水を摂った
目の前で食卓の隅が何枚もめくれているのを見ながら
なにかを話そうとすると、その度 ....
幽霊の歴史を持つ国よやって来い
肉の息を切りひらき
何者かの空腹からやって来い
何を踏みつけ
何を苦しむ
折れた風
折れた芽を運ぶ
糸羽の国よやって来い
....
窪みを照らす草の色
私の言葉はまだ実らない
土のにおいのする
沈んだ村のような湿原を私は歩きたい
狂った身体を引きずって
救われすぎた魂のために祈りたい
風を喰 ....
太郎君があっと喚いて
花子さんはいっと呻いた
同じ本を読んでいたのにね
次郎さんは右に行きたかった
正子さんは後ろに走りたかった
ただ、エビが高かっただけだった
三郎さ ....
咲く、羅列の空は埋め立てられて
さあ、暮れて望まない夜に
駅前の車列に後ろから急かされて
家路の、振り切る早足を抑えられない
駅から吐き出される、ため息と等しく
順序良くもうひとつ、暮れられ ....
なんのへんてつもない朝
とても特別な朝
まどむ夢の中から這い出て
また新しい朝に出会った
鮮やかで光りに満ちた朝
そして罪のない朝は
僕をあっさり ....
ブランコから見た空は海に似ていた
悲しみに揺れるように
君はぎりぎりの角度で空を見る
浮かべた涙をこぼさぬように
近づく地面を遠ざけて
君はぎりぎりの角度で
懸命にこら ....
巨大な円板が大地を切断する
半円を描いて回転し
二つ三つ 軸を直角に交差して
回り続ける真鍮色の無機性に
平らに土を露出した大地はなすすべもなく
うめき声もたてぬ
バットから生まれ
....
背なか 背なか
もたれかかった珪藻土の壁には
真昼の温みが宿り
後ろから
春の衣をふうわり掛ける
あし
足もと
埃だらけのズックの下で
蒲公英は蹲り
カタバミが少し緑を思 ....
斜めの道を歩きつづけて
直ぐの道に出たときの
めまいにも似た左の震え
つまびく果てのリフレイン
穴だらけのひろい通りを
下を見ずに駆けてゆくとき
街を横切るもうひと ....
風が吹いていた
風のように母は声になった
声のように鳥は空を飛んで
鳥のように私は空腹だった
空腹のように
何も欲するつもりはなかったのに
母についていくつか
願い事をした
....
“回転木馬は月夜が本番ですよ”
目の前をスキップしながら語る死神の後を
私は諦め半分で歩いていました
夏の果実は真っ赤に熟しているというのに
少し遅めのマリッジ・ブルーが私を襲っていま ....
1
・
閉ざされた
扉の中にふたりきり
彼女もしらない
わたしだけのきみ
2
・
きみの為
何もできないわが身ゆえ
泡となれる
人魚を羨む
....
切り絵(題材)
「少女」
ただ真っ白い紙でした 私たち
切り絵師は 無を有にする
柄に美しい細工を施した
銀色の先端鋭いハサミで
すんなりと手足の伸びた
可 ....
アルコールと 朝が
溶けあって 光って
カーテンです
そこへ向かう明るい少女は
睫毛です カーテンに
きらきら きらきら向かう 明るい少女は
瞬きのたび ....
叙情の彼方を探るように この岸辺にて
翼を休めるものよ 優しげな日差しと
聞こえ来る 春の訪れを告げる歌声
地に生けしもの総て 目覚めの刹那を夢想する
巡る季節の旋律は いつにもまして ....
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