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糸の光
曇に沈み
雨は低く
小声 小声


まぶた かけら
冷えて重なり
愚かしさのまま
流れ 昇る


高く積まれたもののなかから
少しだけ見える鏡の先端
ま ....
お隣の洗濯物も
そのお隣の洗濯物も
そのまたお隣の洗濯物も
ふんわり今日は乾くだろうと
あったかい陽射しに
目を細めずにはいられない
冬だというのに
春の匂いがするのは
あなたの
洗 ....
 俺は一人だった
 親兄弟は俺を見捨て
 友達は卑屈になった俺を疎い
 甲斐性もない俺に付いてくる女はいなかった

 一人繁華街をうろつき
 ぽん引き相手にケンカをしかけ
 街を横切る河 ....
手と、手が
触れて
砂埃でかすれ切ったあらゆる地面が
夕刻へ
厳しげに交錯するあらゆる細枝が
夕刻へ
落書きごと枯れているベンチのあらゆる褐色が
夕刻へ
夕刻へ、と
 ....
青い硝子
浮かぶ絶望
夏の
向日葵
白い
白い光



僕が仰ぐ
黄色い花弁
風 揺れて
遠い記憶



鳥の
白い

千切れた
白い



 ....
   氷に閉ざされてしまったような

   雪にすべてを覆われたような

   透明を重ねた白い恋

   だれも知らない

   あなたも知らない

   カタチにならないこの恋 ....
なぁ
青春とは短く儚いものだったな

桜の色なんて


ああ
暑いな。ここは少し
木々の葉がさやぐような声が
ざわめかしい、朱夏

風の声なんて


ああだけど
底無しに ....
 風に舞いあがる落ち葉
 その向う先
 俺の心の深いところには
 一人で向う旅路の果てが
 虚ろげに映る

 忘れることなどないけれど
 多くの過ちは風化して
 貨物列車で運ばれていっ ....
夜寝る前に読書していると 
開いた本のなかから 
うっすらと光を帯びた手があらわれ 
わたしに差し出されていた 

その手を握ると 
不思議な想いが心に流れ 
明日に怯えるわたしの影は  ....
誰も通らない道端の
枯れ葉が揺れるその場所は
風が自由に向きを変え
空へと戻る交差点

風と風とが巡り会い
互いの全てを確かめて
冷たい空気に温もり添えて

どこからともなく寒いねと ....
僕の黒いノートの表紙に
ときどき
窓が出来ていることがある
その向こうで
君のかなしみが
淡い落下をいつまでもつづけている
(背景はいつも夏の
 {ルビ誰彼時=たそがれどき}か
 {ル ....
錯綜している視神経の
からまりあった編み目の間に
ちいさい魚が
かかっている

つめたいつめで
そっとつまんで
涙腺の中へ
放してやろう
水草があれば尚いいが
涙腺の底には
 ....
夜の雨の
斜線、斜線、斜線、





秋の真昼の真下
やわらかい一続きのわたしの輪郭は
ある一続きの輪郭の生きていることを
やわらかく深く知ってしまった、そして ....
      1

ホームの後ろに錆びた茶色の線路があります。
線路の枕木は腐りかけ、
雑草が点々と生えています。
線路は使われなくなってどれくらいがたつのでしょう。
わたしは線路に耳を当て ....
床に線を引いて、
彼女は国境を決める。
彼女はとても怒っているので、
とっても横暴に決める。

彼女は地図を作ったので、
ぼくらの部屋は地図になった。
彼 ....
怖かったんだろうね
 風が死んでたりしたろうから
  ビルヂングが アロガントに まばたきもせずに
   夜空を おまえを 無視したりしてたろうから   


今日 ....
ここは田舎町だから
電車の中はいつもの様子
ポツンポツンと
どこに座れば良いのか
迷ってしまう
どうせ辿り着いてしまう

ガタンゴトン
揺れる
窓の外には
見慣れているという
さ ....
{ルビ銀=しろかね}の雪が空より
舞ひ落つる冬枯れの森
侘びしかる風の音聞けば
時移る草葉の思ひ

細やかに流るる川は
透き落つる冬枯れの森
悲しかる水の音聞けば
時映る雫の思ひ

 ....
みどりいろの切符を買って錆びた電車に乗りましょう
髪にすみ家を作っている鳥は「火ぃや、火ぃや」と鳴きますので
火が欲しいのでしょうね
さむいのでしょうね昨日しとしとと降る
           ....
あたたかな深い世界と
冷たく閉ざされた陸地の
あいだにおかれたからそれは
あなたに触れたときの私の肌
のように、あしもとでざわめく
むねのどこかで
小さなちいさな六分儀が
あやふやに極星 ....
昼飯が終わって席に帰ると
閉じたパソコンの上に電卓があった
そんなところに置いたつもりはなかったが
なんだか光って見えたので僕は手にとってみたのだ
いつも使い慣れた電卓は実は僕のものではない
 ....
告知、{ルビ其=そ}れは、まさに告知であった
寡黙な感情を破り
寂寞の暗闇の中で
出刃包丁を手にしたのだ
右腕を、切り落とすために
告知
(わたしはもう絵描きをやめる・・・   ....
ガラスに溺れている
他愛のない光の粒
漫画のような宇宙と
十月に揺れる何かを
五線譜のお皿に
のせたまま

すべての嘘が
優しくほほえんで
窓辺に腰をおろして
待っている

海 ....
すこし遠回りな帰り道
緩やかにカーブしたその先は
西の方へとまっすぐ伸び
私の歩みを止めるには
充分な光景でした
いま少しで
山際に架かろうとする陽の
最後まで惜しみなく射す光は
山茶 ....
雨滴が窓に流れて

十月の始めの夜

よく揺れる電車

じつはもう雨はやんでいる

急行から乗り換えます

タウン オブ エタニティ ハッピーで

今僕の家は高井戸

巨大 ....
つ…
つ…


湿潤を終えた葉の首の付け根を冷気が断ち切れば
涸れた維管束の行く先が、風とされる
そしてその葉の薄い鋭い赤い輪郭が今度は
冷気を切ってゆく
ああ、切 ....
              ―刺青


そこには船があって
ずっとずっと遠くで
何かを引きずりながら
航海を 続けている

そこには涙があって
ずっとずっと近くで ....
 太陽の雫が落ちてくる丘で
 あなたからの便りを待ちました
 やがて日が暮れ
 梟が夜を歌い上げる頃
 あなたの寝息が聞こえてきます
 あなたは私を必要としてますか?
 そんな問いにさえ答 ....
黄金に色づいた銀杏の葉が

枯れて萎んだプラタナスの葉が

静かに落ちてゆく


それら微かな音にも
わたしの耳は鋭く応えるのに
あなたの声が届くことは無い

印したインクの滲み ....
{引用=

一、斜塔

あの塔は
いつ崩れても
おかしくはない

その
語りは
誰かにとって
あたらしきを築き
誰かにとって
もはや
壊れたままのかけらで
見えないはず ....
こしごえさんの自由詩おすすめリスト(3956)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ノート(指記)- 木立 悟自由詩806-11-23
so_feel_good- LEO自由詩26*06-11-23
祝、人間- 山崎 風 ...自由詩1106-11-23
恍惚願い- A道化自由詩1206-11-22
夏の遺書- 有邑空玖自由詩7*06-11-21
創書日和「白」_かたおもい- 逢坂桜自由詩6*06-11-21
玄冬- かのこ自由詩506-11-21
人類滅亡後- 山崎 風 ...自由詩11*06-11-20
「__手__」_- 服部 剛自由詩21*06-11-20
風の交差点- ぽえむ君自由詩17*06-11-20
黒いノート- 塔野夏子自由詩21*06-11-19
涙と魚の相関関係- 吉田ぐん ...自由詩1606-11-18
斜線時間- A道化自由詩1206-11-18
忘却の深層より—東京- 前田ふむ ...自由詩22*06-11-16
「_まっぷす。_」- PULL.自由詩23*06-11-16
遠叫(TOKYO)- 水在らあ ...自由詩39*06-11-16
車窓- 青山スイ自由詩6906-11-15
冬枯れの森- ぽえむ君自由詩12*06-11-15
錆びた電車で- ふるる自由詩16*06-11-13
波、とはもう呼ばない- たりぽん ...自由詩18*06-11-12
電卓は- 黒田康之自由詩406-11-12
「告知_〜午前二時の手帖〜」_ー山下石榴_・服部_剛ー- はっとり ...自由詩4*06-11-12
十月、ダンス- はらだま ...自由詩11*06-11-8
トワイライト- LEO自由詩25*06-11-8
きんぎょ- 水町綜助自由詩7*06-11-7
絶え間ない体- A道化自由詩1006-11-7
船と涙- 水在らあ ...自由詩30*06-11-7
深い愛- 山崎 風 ...自由詩806-11-7
秋の日記- LEO自由詩19*06-11-7
小詩集【ルナ区の片隅で少年少女は】- 千波 一 ...自由詩18*06-11-5

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