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“夜霧よ今夜も有り難う”
風呂場からのん気に聞こえてくる鼻歌を尻目に
私は部屋を出ていきました


前前から
死神の電波加減や頑固さには目を瞑って来ました
でも今回ばかりは限界です
私 ....
蒸気の壁
そのあちら側
そこにきみがいることを知っていた
煤で汚れた手を伸ばして
薄暗い空間を弄る
立ち入り禁止のボイラー室で
僕らは少し
ロマンティックに恋をしたかった
様々な機械の ....
ぼくらは空に近づこうとする、いつも包まれるばかりでひとつにはなれない。ひろびろと伸ばしたつまさきをゆびさきを、リンととがらせる。新宿にアスファルトのあちらこちら。渋谷を通り過ぎるどちらこちら。ビルとビ .... 宵闇は
切り子細工の紅茶に透けて
紫紺も琥珀の半ばでとまる
グラスの中では
流氷が時おり
かちり
ひび割れて
薄い檸檬の向こうから
閑かに海を連れてくる


壁の時計は
ゆるり ....
“朝は優しく起こしてください”
というのは
寝汚い死神のきまり文句です



名付け親の死神は寝起きが最悪です
五個の目覚ましなど死神の眠りの前では無力なので
死神を全力で蹴り起こすこ ....
 水に浮かんで 流れる 花びら

 いっぱいの太陽の光は 水面下で

 あざやかな 光りのプリズムを作ってる

 たまに早起きしてみる

 誰も歩いていない街を

 一人で歩いてみ ....
川の向こうにひろがる夜
水の社から来る音と
黒と青と金とが重なり
やわらかな生きものの胸を染める
暗く豊かな雨に導かれて
山は次々と雲のものになってゆく


 ....
雲が
破け
露わになった夜は既に黒々と
艶やかで冷たい体表を完成させており
その直下でアスファルトは
終わったままの雨の微粒子で
キーン、と
光沢し


張り詰めて、いる
張り詰 ....
わたしの
内臓に
広がっている
四次元の宇宙に
向かって
こんにちはと
声をかけると
いつぞやの
バービーが
ケンとともに
儀礼的挨拶を
返してくれた

ありがとう
こちら ....
君の既視感を舞っているのは
紙製の蝶だよ
いちめんのなのはな と君は呟くけれど
此処はうち棄てられて久しい館の中庭
君が坐っているのは朽ちかけたベンチだよ
とうの昔に涸れた噴水の傍の

 ....
“電車に乗る時は”
“なるべく人の多い車両にのりなさい”
“蒼い電車に出会ってはいけませんよ”



口うるさく喚く死神を後に
私はドアを閉めました


名付け親の死神は時々どうし ....
あの人へ
何が、残せますか
つぶやいた言葉には、行方がありますか




いつも夏には
揺らめいて、薄れていくものが
近くにも、遠くにも
留めて
確かにそこに居たはずの
陽炎の ....
星はひとつづつ
オルゴォルのピンのよう
ゆっくりと巡って
光の楽譜をなぞる

  昼に
  雪を降らせるのは雲で
  夜に
  雪を積もらせるのは月だと
  指揮棒で譜台をたたく
 ....
すべては夜に
言葉でさえも
すべては音に
私ではなく



ひとつのひびき
ふたつのひびき
みっつのひびき
私ではなく



光を投げかけ
器を揺るがし ....
ひとつの了解からはじまる憂鬱。世界のすべ
ては青い色でぬられている。雨をはきだす雲
のありかである空、それも青ならば、雨その
ものも、青い水彩絵具にとけてふってくる。
人はみな、青にびしょぬれ ....
あー 肉なんて焼かないでそのまま生で食べたい
両手で掴んでむしゃむしゃと立ったまま食らいたい

そこら辺に生えてる草も食べたい
元気そうな深緑を引きちぎってむさぼりたい

服なんてもう着な ....
真夜中の部屋で独り
耳を澄ますと聞こえて来るピアノの音
沈黙の闇に 響く「雨だれ」

( ショパンの透き通った指は今夜も
( 鍵盤の上で音を{ルビ紡=つむ}いでいる

写真立ての中で肩を ....
酸性雨が降り
森が枯れて
花は身じろぎもせず
こっそりとあぶくを吐く

内なる情念を
笑った眉尻にはりつけて
澄んでゆく



道草が過ぎたので
傘をなくしてしまった ....
世界で一番悲しい人が笑った
花のようだった
花の名前と同じ速度で
列車は走った
良い陽が入るね
そう話す乗客たちの袖口は
等しく汚れていた
窓の外にはいつも窓の外がある
という ....
少しだけの眠りのつもりが
起きれば一人きりになっている
音楽室の隅、斜めに立ちながら
輪郭だけを残した人たちの足跡を
軽いステップ、かわしながら
半音、高いところを
やがてすり抜ける

 ....
送電線の下をくぐって
アスファルトの海を
ぼくたちは、
泳いで、


はりめぐらされる
緯度や経度に
足をとられながらも
ひたむきに
日帰りの旅をくりかえす
ねむる前、ときどき
 ....
カフェテリアで
小脇に かかえた空に

そっと 左の翼 溶かして

ふしの いたんだ 宿り木
に まだまだ だって 

占いに とばされた 長靴に
冬眠している 蛙君からの 手紙
 ....
春に見込み生産した思想が腐って
生臭い匂いを残して冷凍された
夏の記憶を持たぬ子供の眼が
暗い海を見つめる

冬の陽のあどけなさ
日溜りに春をもたらし
猫の子はしゃぐ

初春や羽根つ ....
灰色の光
開かれた窓
庭の切られた木の前に
ひとりの午後が立っている
乱れた髪の
乱れた羽の
飛べない午後が立っている


雨雲と空の境いめをふちどる
青 ....
   





ひとつ月を見ない。

最後に彼月を見たのは、
四つ前の七日双月であった。




双月。

ひとつ月と、
ふたつ月は、
兄弟月である。

大変 ....
消えてしまった夏の日のサーカス
なにもない草原に現れては溶けていく
夏の夕暮れはどこか嘘のようだった
煙のようなもの
で、構成されていると
なんとなく信じることにした
わからないこと
適 ....
“夜に抱きしめられてはいけませんよ”
というのは
死神の口癖です


死神は
私の名付け親です

両親を無くした今
一緒にくらしています
命にかかわる問題以外は
かなりアバウトな ....
雨、あめ。
  雨、あめ。。  
    飴、あめ。。。
      天、あめ。。。。


あめが降る


名残の雪を消し去るように
マシュマロの時間が溶けていく
冬 ....
二月の冷たい雨が降る午後
近所の喫茶店でお茶を飲みに
愛読書を鞄に入れ ビニール傘を差し
家の門を出て川沿いの道を歩いた 

川の流れる{ルビ辺=ほとり}の土に
一羽の{ルビ白鷺=しらさぎ ....
門をとりまく
黒い布の花
庭を横切り
午後の光になっていく猫
風のなかを振り返り
雲を見つめる目を閉じる


暗闇に目が慣れて
最初に見えてくるものひとつひと ....
こしごえさんの自由詩おすすめリスト(3680)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
死神と私_−夜霧よ今夜も−- 蒸発王自由詩8*06-2-11
きみがいる- KazMi自由詩406-2-11
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サトル・キダチ- 木立 悟自由詩1006-2-7
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回帰(to_tell_you_the_truth)- むらさき自由詩6*06-2-6
夜想(第二稿)_- 服部 剛自由詩11*06-2-6
不透明な_ものたち- 落合朱美自由詩2106-2-5
春の裁ちかた- たもつ自由詩1406-2-5
ヘリウム- 霜天自由詩606-2-5
ブレス- 望月 ゆ ...自由詩55*06-2-4
こくん_と- 砂木自由詩10*06-2-3
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「_双月譚。_」- PULL.自由詩8*06-2-2
夕景ノスタルジア- 霜天自由詩706-2-2
死神と私_−夜の腕−- 蒸発王自由詩11*06-2-1
*きざし*- かおる自由詩9*06-2-1
雨に濡れた白鷺- 服部 剛自由詩10*06-2-1
午後と水晶- 木立 悟自由詩206-2-1

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