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薄暗い廊下の突き当たり
古い鍵を回せば
きらきらと埃が舞うだけの部屋

東のカーテンは色褪せ
ピアノの音色は床に転がって
ソナチネの楽譜も気付かぬふり

窓の外には
金木犀がほろろ零 ....
泣いているのはあの人である
公園の日陰にあるベンチに腰掛けて
遠い目をしていた いつか
ずっと昔心を寄せた人の事を思い出していたのか
それとも。
その乾いた細い指の触れてきた道程を
僕が知 ....
怒りを
この体に
押しとどめるなにか
それはこぶしでしょうか


掌のかたちにそれを
開き、放ってもまだ足りない
その病が
揺さぶるのです
だから震えてしまうのです


 ....
雫が
紙に落ちる
そこだけ
ワントーン暗い

絵の具を乗せると
じんわり
滲んで
やんわり
色付く

涙が
零れて
心が暗くなったら

あなた
私に
優しい色を
滲 ....
風が言葉をさらっていった

ただ黙って
夕暮れを見送る

綺麗なものへの憧れは尽きることなく

たとえばそう
悲しみの結晶が透明であるならば
過去も無かったことにできるだろうか

 ....
午後をわたる数羽の鳥が
いくつもの笑みを描いている
空と曇の鈍のさかいめ
まぶしく見つめる目のなかを
笑みはめぐり飛び去ってゆく


曇を映した滴にかがやく
水の壁のよ ....
あめあがりの空気はとても澄んで居て
汚れたあたしが吸い込むには一寸痛い

すぅ

、とせいいっぱい吸い込んでみたけど
軽く髪を撫でてくれただけで あたしを
むかしの様に  澄ませてはくれ ....
蒼白の薄明
永遠に処女の領域

素数のみで刻まれた暗号
純粋遊離線

冷たい蜃気楼
置き去られた天象儀

倦んだ庭園
途絶えがちなピアノの音

未分化な恐怖を秘めた深淵 ....
メールでは返信を促しているようで
そんなことを期待しない今日の私は
便箋に走らせてみようと思うのです


書き出しは、季節のことや天気のこと
やわらかに二人がつながっている
なんてことを ....
遅い月に
空は揺れ
鳥は眠り
朝の川を夢みる
冷たい光の下の水
海にもなる
人にもなる



雨の明かりをすぎる鳥
灰の轍をひたす水
幾度めかの浅い冬 ....
負けない
だが 勝つつもりもない
同じくらいになりたい
世界と

戦いには意味がある
だが
勝利にも敗北にも
たいした意味があるとは思えない

世界とは何か
わかるまで 
世界 ....
真夏の日差しの照りつける
石畳のオランダ坂を下っていると
左手の幼稚園の中には
元気に足踏みしながら歌う
水色の服を着た子供達

入り口には
ひとりはぐれて泣いている男の子
笑みを浮か ....
鬱蒼とした樹林の中に ぽつんと
廃屋を見つけて嬉々として騒ぐ
住む者のいなくなった がらんと
した埃まみれの部屋を磨き彩る

あのベッドはどうしようか?
軋む階段はいつ直そうか?
割れた ....
砂が生まれる日
冬から白が去り
見える風が座す
冷たいまなざしの
不透明たちが



空白に入り
空白を満たす
水のなかの息
満たされてゆく空白
消え ....
羽虫の身震いが
きらきらしている、音
夜の
羽虫への
局地的な雨上がり、のあと
雨上がりの羽虫の
きらきらの
身震い


わたしが
裸の少女のようであるときは決まって ....
幼い頃のひとり遊びの記憶は
影となって私に纏わり
誰かを愛そうとするたびに
耳元で呪文を投げかける

楓の色づく様を
薄の頭をゆらす様を
人と分かち合うやすらぎを ....
 ピアノの鍵盤はじける
 もどらぬ深海の底に

 画用紙をはみだした黒と
 混じり
 内出血は生まれる




 願いをこめた文字に
 紙やすりをかける

 ....
低いオクターブで
朝を告げながら
高いところを
水が流れている
知らないあいだに またひとつ
季節をまたいでしまった


雲と空に距離が生じてゆく
そのすきまを
縫いながら、通過す ....
繰り返される
果実の落下・落下・落下、の
地面で重複してゆく破裂の匂い


それだけを呼吸し、それだけを呼吸したら
わざと気化したくなるほどの、それはひとつの悦びか
 ....
扉も門も開いている

中に入れと誘われている

後ろを向いた人

引き裂いてしまうような悪意の息

人はそれぞれ怒りだし顔も出していられない

怒れ、怒れ

鎖の胎児は

 ....
人の灯りが
山間に星空のようにまたたいている
地上の星という流行り歌があった
高台を走る田舎の高速道路から盆地を見下ろすと
それは星の吹き溜まりのように見えるのだった

星座には見えないが ....
改札口にて
お待ち申し上げております


行き先を
詮索したりはいたしません
どうぞ
ご安心を


あなたがここを
通過してゆく事実のみ
確かめさせて頂きたいのです ....
ここは誰かの土地だから
入ってはダメよ
ほら2センチはみ出して
男の子がひとさし指を削がれたよ
にこにこ笑いながら
誘うおじいさんとおばあさん
ダメよ入ったら
ほらまたはみ出して
きれ ....
のんちゃんの
さんりんしゃは まっかかで
はんどるのとこに
いろんないろの
フサフサが ついていた
あか あお きいろ みどり しろ
いつつも ついてて きれいだった
あしでけって さか ....
最後まで
君の心のシグナルが
わからなかったボクを許して

その
深い瞳の色が
止まれ であるのか
進めで いいのか
点滅なのか
それとも
拒絶

ブラウスの
ボタンがひとつ ....
吹かれるように手を振る
ススキの群れの中に
枯れて埋もれていきたいと
いや、そんな最期のために
生きていきたいのです


西風が波を走らせて
遠泳の息継ぎのように
{ルビ水面=みなも ....
高く澄んだ青空の下
広い芝生の上
この細腕には少し重いベンチを
歯を食いしばり運んでいた

色とりどりの枯葉が無数に敷かれた
穏かな秋の陽射しに影を伸ばす
あの{ルビ木陰=こかげ}まで
 ....
余剰がこんなにある
泥(なず)みっぱなしの義務を捨てたら
珍しく穏やかな内面は
傍らに望んでも、
在り得ないその人物と事実を考える時、
直線を見た気がしてた

混沌に佇んで
昏睡みたい ....
街のすみの
白い白い花を
夜へと向かう暗がりのなか
したたる滴を追うように見つめる


からだが少しずつ咲いてゆく夜
時間と穴と痛みたちの夜
すべての窓と見つめあいなが ....
尖った粘土に
刺さった虫
のように
息だけ
している
息しか
できない

+

明方
キリンの群れが横断歩道を
渡っていく
あれは首長竜の一種だ
と弟に教える
弟は悲しそ ....
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