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 「茶トラ猫、あの日以来…来ないわねぇ。」

 近江屋、厨の上部の隅
 かけてあった梯子を床から上げる おゆうは独りごちる

 そして 三畳の間に敷かれる煎餅布団に座って
 脇に置かれた小 ....
往きゆきて

墨の流れに

身をまかせ

{ルビ闇路=やみじ}の{ルビ褥=しとね}

{ルビ花埋=はなうず}み
天空は澄みわたり
歓喜の楽章が鳴り響く
裸の少年は羽ばたくように
空の青に溶けてゆくように
吸い込まれていった
深まる 純粹無垢な真紅 
滅んでは次々また育ち色付く

真紅その暗まる深み異様な威容 に、

この世界という謎
すべて含まれ在り と。
ひろやかさ 一面に
真綿の雲の伸び拡がり
空の海原、淡く青

 色の此の世に入っていく
  深く深く入っていく
   離れることなく
   ずんずんずんずん
  ひたすらひたり
 ひ ....
セピア色に閉じ込められた表情は
硬く結ばれた口元と
こわばる頬
眼差しだけが生きている
たった一枚の写真

逢った事のない親族の表情は
戦闘に出る伯父を中心に
こちらの世界を見ていた
 ....
何かのふりをして歩いていると、詩を書くこころが僕
のなかからふらふらと彷徨い出て来た。そいつはゆら
ゆらと漂うように移動して、道行く人たちをとおくを
見るようなぼんやりとした眼差しで見たり、空を ....
 「近頃、米や油が大変高くなって皆困っているよのお…。」
 
 「まこと、この物価高で。俺達よりイワシの方が健康状態良いのでは
  ないかな。」
 あぐらをかく膝に丸くなっているイワシへ 
 ....
光の中で見えるものを見て
闇の中だけで見えるものを見て
いまそのどちらでもない
薄暗がりだからこそ見えるものを
見ている君の瞳が
葡萄のように熟れてゆく
今朝の音楽は短調ではなく長調が似合った
何時もの苦い珈琲が何故か甘く
正確なメトロノームが響きあって
ぼくたちに奇跡の扉は開いた

あまりにも透明な
薄く虹色に染まったシャボン玉

誰 ....
向こう岸に行ったことはない
ずっと地元で暮らしている
此処が特に好きなわけではないが、気になるほどでもない
何かを諦めた訳でもなく、ここで何かをやりたいわけでもない
なんとなく成り行きでここで ....
いすらえるぱれすちな
いらんあめりか
うくらいなろしあ
けれど先ず
我が内に戦争在り



我が内に巣食う
悪魔の住みつき
我が内に
外なる悪魔の作用し
悪魔と悪魔に飽く迄我戦 ....
 「俺は三両の、ねこだ。」

 河原の橋の下
 腹空かせてぶっ倒れている
 トラは 小声で
 それを自分に言うとのっそり
 起き上がる

 「また、その話か。耳にタコだぜ。」
 側で ....
陽に焼けた褐色の肌を晒した少年は
海の深さを恐れずに
コバルトブルーのうねりに逆らいながら
遠くの大陸を夢みて泳いだ

その汗は海の水に溶けてゆき
何処までも 何処までも 泳いだ

ア ....
昼に真紅に咲き誇り
その余りの濃密さ
異様な様相、
ガーベラの花冠
夜に黒ずみぐにゃり萎び



静かに笑う君は
穏やか天真爛漫に
笑い静かさ
気付けば
ふっと自ら白く消え
 ....
 「どう、あんたも。旦那様が飲んだ出涸らしで、お茶入れてきたわよ。」

 女中部屋の粗末な座卓に
 不似合いな 黒砂糖饅頭が五つも
 「どうしたの?コレっ。」
 目を丸くする 飯炊きおりんへ ....
死にゆくときはことごとく厳しい

元気なときは生き方指南でほらも吹きまくったが

今は口数も少な、魂の信仰もないのでただ苦しい

私は幸せだったし、今も幸せだと思えるならいい

幸せ分 ....
透明な味のレタスが大好きで
ぼくは時々共喰いをする

今日のお昼は喫茶店でレタスベーコンタマゴサンドを食べた
レタスこんもりのライ麦サンドにアイス珈琲
絶妙な組み合わせだ
シャキシャキ バ ....
恋は一滴の純水から始まり

甘く
酸っぱく
ほろ苦く

谷をくだり
激しく澄んだ渓流となる

やがて世間の汚れを抱き込み
滔々とした大河の流れとなり
不動の愛に変わる

命終 ....
今朝ぼくはひとつの世界を貰った

透明な水流と
優しさと
悲しみと
花の頬笑みと
負けない魂と

この汚れた世界を清浄にする{ルビ詩=うた}を歌い

ぼくの胸を打ち続けた

空 ....
食卓に並べられる青い空
本当はお惣菜がよかった
でも白い雲が出てきて
日々の感傷と一緒に
そのことも
忘れてしまった
窓は破れていて
繋ぎあわせればそれは
地図状になるけれど
何かを ....
微睡みぬ夢の揺蕩いに
林立する森影の薄闇
ひたすらに耐え続く
耳鳴りの朝に布団蹴飛ばし 
起き上がり陽を浴びる歓び



陽の光 陽の熱
この新た一日の生活を
点火し意識を叩き起こ ....
雪渓を登りつめ
一息を吐いた

其処は花々のサンクチュアリ
ぼくを燦々と迎えてくれた

写真に撮ろうとするけれど
その美しさはレンズを透しても再現できない
山に登る者だけにその秘密を明 ....
学生の頃に
僕も覚えがあるのだけれど
一生懸命生きてると
一球入魂で生きてると

余計なものは視野の外に流せ
で的に集中し
必然、傍若無人にも見える

そういうことなのだ
砕け散り ....
きみとふたり
丘のうえ

夕景色
山なみの果て
我は彼方を
さし示し

きみは頬笑み
頷いた

{ルビ蘇芳=すおう}の衣は
{ルビ飄々=ひょうひょう}と
明日を求めて
彷徨 ....
甘く
酸っぱく
苦く
切なく
悲しい
 
 背中押してもらって
 もっと もっと、スニーカーのつま先が
 お空に近くなる
 ブランコ

 いつからだろう?

 ブランコ漕いで
 軽い眩暈の様な気分の悪さを
 感じてしまうよう ....
ゆっくり歩くこと
道を譲り合うこと
ありがとうを交わすこと
そんなあたりまえのことを
忘れかけていた

雪をふみしめる
靴底を貫通する冷気
しん、とした空気を吸い込むと
鼻の奥が ....
雪が舞い始めて
都心は次第に白一色に
行き交う人々一人一人の背に
不意にふっと小さな天道虫が留まる

艷やかな赤に黒の斑点の色合い照り輝く

円やかな小さな天道虫が留まる、

 雪は ....
 寝酒舐め
 見上げる星すら雲隠れ 
 胸深く 影流れしも
 抱く憧憬、あなたの詩心
 あした顕る月であればと乞ひ願ふ
こしごえさんの自由詩おすすめリスト(3478)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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