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{引用=
金色が たおれる 欠伸が 蔓延する
蛙のうた こもる ねむれない 五月 日々の罅に 滲む
ゆううつの 書物 ふあんていの音楽
刺身 ....
通勤バスの車内
後部座席から眺める
まばらな人々が
眠たげな朝
( 昨晩わたしは、{ルビ尖=とが}った爪を、切っていた。)
人さし指をのばし
四角いボタンを押す
....
きれた風が コップの中
五つの渦を 見上げている
行きつけの船の舵取りにしか
読めない星雲
人指し指をやめない
子守り歌は
コップのガラスをまわり
砂丘におちていく蝶の
石 ....
素晴らしい名曲を
聴くことは大切だけど
自分の歌を口ずさめば
それは生きている
たとえそれが
上手く歌えなくても
それは生きている
自分の意味が生きている
感動した言葉を
覚える ....
右のポケットに
湿ったままのハンカチ
トイレのドライヤーで乾かして
にわかに水蒸気は生まれていくが
それは霧でもなく雲でもない
つまり、僕のポケットには
虹は入っていないという事
エ ....
ここに
銀色のエンジンがあればそれと
あと太陽の動きのような一時間半があれば
ぐるりを周りきれるほどのちいさな島
四方からの潮風にさらされ続けていて
そこで何本もの縄を編んではほ ....
指をのばせば触れる
何も無く 触れる
何も無さにではなく
ただ 無いことに触れる
ちぎられたのでもなく
盗まれたのでもなく
花は指と手のひらに咲き
茎をかつぐ背を見つ ....
刈り取られた
花々は暮れようにも
暮れられず
風が吹くのを待ちながら
やがて、
朝になります
いつか風、のように
広げた両腕は冷たい、思い出となりますが
その内、に抱えた ....
春を作ろう
土しかない心の中に
春を作ろう
伸び始めた草を
小枝の先に開き始めた葉を
かわいい小さな花を
入れてみよう
ほら
もう蝶が飛んでいる
春を作ろう
土しかない心の ....
夜のアゲハ蝶の行き先は、決まって、
忘れられた夢のなかの王国の紫色の書架がもえている、
焼却炉のなかを通る。
くぐりぬけて、
グローバル・スタンダードのみずが曳航する午後、
雨の遊園地で、イ ....
あんなに降っていた桜は
何処へ流れていったのだろう
夜の手がそっと集めて
すこし北の、
山並みを越えたところへ
風に溶かして運んだのだろうか
翠を湛えた葉桜は
それはもう、
ひ ....
臆病者だけが
乾いている
磁石のにおいの
ひどい穴ぐら
窓の外では
アスファルトが
黒曜石に濡らされている
仕切の向こうの笑い声が
うるさくてちょうどいい
そんな時刻 ....
2007/04/25
木漏れ日の郷
足軽の猫たち
群れをなして
ミャウミャウ
みゅうみゅう
みゅーみゅー
MewMew
mewmew
ミ ....
本を読む人の眼は
例外なく真っ黒い色をしている
それはもちろん
眼が活字のインキを吸収してしまうからである
本を読みすぎて
白眼まで真っ黒になってしまった人が
こちらを向い ....
世界の終わりを思わせるほど明るい日
地の果てのようながらんとした広野に
世を捨てたようにひとつ立つ古い塔のそばで
君は僕を待っていた
僕らは手をつないでだまって塔をのぼった
ひょっとして ....
雨が降り
音は昇り
遠く高く
曇のかたわらで鳴っている
かがやきと時間の洞のなか
青い文字に生まれる子
ゆうるりとひらき
外へ外へ歩み去る
離れた硝子と硝子 ....
春が過ぎた
それから
君たちの後ろには羽が生えて
彼女のいた屋根の
あの群生の上を越えていった
それから、と区切って
何を始められたか、と問われれば
並木の色合いは変わらない ....
人はみな誰でも
いつも夢を抱えている
その夢が見えなくなった時
空を見上げれば
忘れた夢が浮かんでいる
何でもなかった白い雲が
何かの形に見えるでしょう
人はみな誰でも
いつも ....
風に弄ばれ、雨に嬲られ
春の欠片は
華やかで暖かで
何処か哀しい
春一番と供にやってきた
サクラ色の季節は
緑色に変容して
ひねもすのたりと
猫とうたた寝中
寝過ごしたりしな ....
無人駅に降り立てば
地図の見方にも
ちょっと工夫がいる
缶ビールをぐっと飲む
子供の頃に
抱きしめ方を習ったような
初夏の風にさえ
あいさつを交わしたい
垂直に支えつづける日射 ....
青色の幻覚に
溶け込んでいくよ
白い機体が
溶け込んでいくよ
ふわ、ふわ、ふわ、ふわ
飛行機型のラムネみたいに
少しずつ粉を溶かしているみたいだ
機体の証を記すよう ....
私は元来
無口な男でありまして
うっかり、思慮深く思われがちですが
それは、本心を秘めている
というより、むしろ
現すタイミングを計れない
どうにも不器用な人間なのです
何か言わ ....
コンタクトレンズをしようと思って目の中に入れようとしたらそれはテントウムシだった 足を縮めてまるで本物のコンタクトレンズのように見える
僕はきゃっ と驚いてテントウムシを落としそうになった 僕は ....
2007/04/19
切り刻んで
切り刻んで
切り刻んで
切り刻んで
切り刻む
鶏の餌にするつもりで切り刻む
鳩の餌にするつもりで切り刻む ....
弔いの言葉が捌かれて
彼らはそれを咀嚼する
通約された痛みの淵に
紫紺の{ルビ輪=ループ}を描きながら
桜は
自らの闇に向かって落下する
....
http://www.youtube.com/watch?v=NllPZ5_Tw40
*
会話であったはずの
数千年は
次の朝には
朽ち果てていた
....
きみの魚にふれたくて
えら呼吸を切望したら
肺が痛んだ
朝への開口を防ぐように
その
呼吸のひとつ
くちびるを
置いていく
きみの鳥をとびたくて
背中にそらを作ったら
煙に ....
星の雲と砂
夜の水かさ
わたしが生まれた理由より
さらに遠くへ
離れゆくもの
サーカス 移動動物園
肉から物から聞こえはじめる
わたしではないわたしのかたち
ぬかるみの ....
ざわめいている
てと
てあしと
あしと
ならんでいる
そして
すこし
おしかえし
ている
ひとは
よなかに
やさしく
しんどうする
ざわめきを
すみずみまでつた ....
ねえ、
昨日の夜は何してた?
私は眠れなくて星を見ていたわ
あの星は、あなただと決めて
一番明るくて、まっすぐ私を見ていた
あなたの星はキラキラしてて
すっごくキレイで
私は悲し ....
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