すべてのおすすめ
命の果ての地平線で
百億の虹がいっせいに開く
真っ白な光の裏側で
音が凍りついて花みたいに燃える
わたしはアンドロメダの踊り子
わたしは約束された期限付きの祝福
わたしは届けられること ....
波が かすかに鳴りながら
ふともらした悔いのことばを
嘲笑う
そう 確かに
人を愛したことを悔いるなんて
つまらないことだった
憶い出させてください
....
心配は本物?
自分以外を心配するとき
優しさはあるのだろうか
わずかに胸が捻れている
そこに痛みはある
痛みがあったら本物だろうか
優しくなりたい
それだけなのに
何を冷静 ....
待ってます
待ちくたびれました
来る気がなかったと
許さんぞっ
闇堕ち確認
書くこと自体を
楽しめばいい
文字を書いて
発表できるだなんて
そんなアナタ
投票権がある
誰 ....
冷蔵庫が音もなく
坂道を転がっていく
薬屋の坊やがその様子を見て
花の名前を口ずさむと
雲ひとつない青空は
木々の亡骸を歌う
むかし此処いらに
小さな書店があったことなど
思い ....
こんなにまで 大人になって
実は 中身は赤ん坊だなんて
そんな滑稽な事
白状出来やしない
いつもいつも 毎日のように
あの頃に帰れたら あの頃に帰れたら
母のお腹の中で
眠っていたい ....
○「多様性の時代」
昭和の時代は
答えはいつもひとつだったが
今は
答えがいくつもある時代
これからは
なんでも正しい答えになっていくのかな
○「IT化と年寄り」
世の中の ....
植物の中で夜が育つ
水の名前を呼べば
脈打つ石造りの平原
素の風が間もなく
インク瓶の縁に沿って
眠りにつく
木造の旧家屋その皮膚に
愛していた人
鉢植えだけが増えて
遺伝だ ....
藤棚をみて終わりにしたい
そう思いながら隣の庭が消えてしまう
積み置かれた状況 不要物
必要なものだけを鞄に詰め込んで
きみは何処へ行くというのか
即興で書いている ....
雨が用意されている
雨は、いつも用意されていた
夏の終わりに
情けなく溶けだした
アスファルトの上に
生き延びた午後の渇きに
焼き場の長い煙突に
ひとすじの
細く白い煙に
(鉄の塊
....
ハイビスカスの花開き
水の面掠め飛ぶ原色の鳥、
燃える太陽の瞬間に凍結され
大地を包み込む天空の濃密な青。
私の内にすべては込められ
私は想い出すことを意志する、
太古から ....
暗闇の中で働く
囁く
声と指は一定の距離が保たれている
そのために肉体がある
肉体のために空港がある
滑走路に置かれたピアノは
調律が三時の方向にずれたまま
夜明けの離陸を待っている ....
白く光る田舎の道を
カンカン鳴り響く踏切越え
海に向かって歩いていた
*
漂う磯の香、白波打ち寄せ
空き缶一つ、浜辺に落ちて
独り私という魂が
水平線を覗き込む
遥か ....
みうしなう凋落された子 戻り鮭見ゆと
漲(みなぎ)り撓(しな)う 我ならなくに
遠き昔の記憶たち 過ぎ去りし光の中
心の中に佇む 言葉なき思いを Inkweaver
あらいぐまは
ひとりぼっちで北をめざしていました
背中のリュックサックには
リンゴがふたつと
はんぶん食べかけのバナナ
角砂糖が三個
角砂糖は四個ありましたが
波打ち際で洗ったら ....
新しい病院へ向かう車の後部座席で寝転がっ
て、窓の向こうを見ていた。お泊りはもうい
やなんだけど、もう、指を銜えるほどちっち
ゃい子供でもない。やがてドアが開き、傘を
さしながら「ゴメン」と言 ....
いつしか時は満ちていた
いつしか雨はやんでいた
いくつかの傷はまだ響きやまないけれど
しずかに吹く風が告げている
ひとつの旅が終わったのだと
振りむくにはまだ重すぎる日々も
見わたすに ....
濃い青の空に
白い雲の城砦がいくつも立ち
なかぞらを埋めつくす蝉時雨
他のどの季節にもない濃密さで
夏は君臨する
けれどその夏の中に
巨きな空洞がある
夏のあらゆる濃密さが
そこで ....
夜明け前のベランダからきみが飛ばした紙飛行機が
雨の匂いのする湿った風に乗って海辺までたどりついて
疲れた顔で煙草をふかす港湾作業員の肩に着陸した
薄紫色の空気を震わせるパナマ船籍のタンカーの汽 ....
iqが20違うと
会話が成立しないそうな
高い方が病気扱いですな
おまえには難解でわからないだろ
誰もわからなければ
病気扱いですな
なんかいー感じ
を大事にしてもらいたい
作 ....
カニ味噌を泳ぐ
珍しい形のしゃもじが
私をご飯にする
世界、と口にしてみる
人口よりも多い
イクラを数えながら
父は余生を送った
美味しかった、とだけ
書かれた遺書を見つけて
....
亡びたもののあかるさが満ちる夏の庭
もう誰も時刻を読むことのない白い日時計
茂みに囲まれた小さな池
茂みをざわめかせていた風がやむと
あちこちの陰にひそんでいた気配たちが
(それが何の気 ....
話をすればそれらは
すべて白紙になる、例えば
真冬の薄暗い水面を航行してきた
一艘の空気自転車が
小さな港に着岸する
凍てつく畑を耕す幼いままの父や
瓶の底に落ちていく身体
擦り ....
土の中の箱の中に
しまい込められた
あの頃の未来の絵は
もうとっくに
古くさい世界で
そう
あなたはとっくに
幸せになってるはずだ
風の知らせで ....
雨が降っている
雨だと思う
すべてが細くなる
無い言葉
はずれた草花
消えていく庭は
町工場のところで
途切れてしまった
ノートの中にある
わたしの罫線
罫線に隠している
....
炎天厳しい8月
森の木々はまっすぐと
燃える円球のような日へと
ごつごつした両手を伸ばす
枝が大事そうに抱える緑葉は
ああ 体に新しい力を抱いた
小さいお前そのものだ
それは決し ....
夜が釣り糸垂らして
月を釣っているよ
風の仕掛けは巧妙で
ぼくの前から消えちゃった
あの日あの娘のサヨナラみたいな
トゲトゲした疑似餌のようだよ
ちょうど煙草屋の屋根の上に
月が昇ったそ ....
計算されたあなたのことばは
きっと0と1からできていて
でも私たちの連座に
きっと馴染む
挨拶はできるわけだから
挨拶したら昼寝しててもいい
なんか好きな本を
こっそりと朗読してもい ....
ああ 満月、真っ正面に輝いて
カーテン開け窓辺に佇めば
白く白く白銀に生き在り、
そして遥か昔から
言祝ぐように
向かいの家に灯った橙の明かり
観てる私は誰?
思考停止し詩想する ....
重なる地層の貝殻は
私がこどもだったときと同じように
だんまってしましまの地層に
連なっている
この貝たちが生きていたとき
夏は夏だったのか
夏と名付ければ
きっと夏であったその季節 ....
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