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わなわなふるえる
ひびの、よろこびかなしみよ
それがこの世のさだめなら
汝のコインに息を吹きかけ
明日の行方へ、投げてやれ!
くるくると…裏表見せる
放物線のその先は
道 ....
君が教えてくれた勿忘草の花言葉を忘れない
ううん、そうじゃなくって、
勿忘草の花言葉を教えてくれた君を忘れない
僕の魂の一部が
川面を流れて行く
自信がなかったので
側にいる人に聞いたら
あなたの魂の一部です
と、確認してくれた
魂の一部はこのまま海まで流れ
小さな生物に消化や分解をされ
....
ひとひらの火が
春の空虚を舞う
それは魚座の一番奥の扉から
あらわれたもの
ほほえんですぎてゆくかすかなもの
霧のなかで河を渡るひとよ
その美しい疲れに
解き放たれた花びらが
....
晩酌は水割りのグラスを手に
ピスタチオを口に含み
わった殻を小皿へ落とせば
ちりん、と鳴る
世界のあちらこちらに
美しい雑音たちは
今も
音を鳴らしている
さあ明日も ....
ちいさく溝を掘って
きのうまで咲いていた黄色い花を埋葬する
名前を考えているうちに
いつのまにか旅立ってしまった
知らないうちに
抜け殻みたいに影だけが残った
通り抜けていったものは
....
無感覚の壁がある
その壁をとおれない感覚が
たえず壁際に降りつもる
無感覚の壁は
何を守っているのだろう
世界から自分を
自分から世界を
あるいは
自分から自分を
君の声がき ....
あなたの形見のランプは、魂の姿に似て
夜になると書斎の椅子に腰かける
僕の仕事を照らし出す
* * *
あの日
この世の時間と空間を離れ
自らのからだを脱いだあなた ....
川の向こう側にある
瓦屋根の
民家の壁に、ひとつ
白いマークがありました
それは鈴の姿をしており
風が吹くと
小さな余白の中から
音のない音が聴こえます
ちりりん ちりりん ....
仕事を終えた電車の中で
ついポケットから取り出すスマホの画面に
誰かからメッセージはないかと、探す
家に着いて
ポストの蓋を開けては
誰かから便りはないかと、探す
忘れた頃に届く
....
机の上に延びる
湯呑みの影が
お地蔵さんの姿に視える、夜
――もしや
目に映る風景の
あちらこちらに宿る
心というものか
何もない
仄昏さだけが立ちこめている
空たちがおとずれてくる
幾枚もおとずれてくる
それぞれの世界を覆うのに
疲れてしまった空たちだ
日や月や星を宿し
雲を抱き雨や雪を降らせることに ....
令和三年・一月三日
三が日の間に息子孝行しようと思い
{ルビ周=しゅう}の小さな手を引いて
川沿いの道をずんずん、歩く
野球場の芝生を
解放していたので
そのまま手を引いて
ずん ....
暮れる
時のなかで
凍土の冷たさの下に
埋められた思惟を思う
それらの骸の無念を
思わずして時は暮れることはなく
それらの物語の無惨を
録せずして時は回ることはなく
それでも日は沈み
....
この街には
音のない叫びが無数に隠れ
僕の頼りない手に、負えない
渋谷・道玄坂の夜
場末の路地に
家のない男がふらり…ふらり
独りの娼婦の足音が、通り過ぎ
酔いどれた僕の足音が、 ....
寒夜の洗面所に、固形石鹸は芯から冷え、それは無垢な恋人のよう。
悪事に染まった我が黒き掌でよければ、優しく包んであげましょう。
遥かな草原に立ち尽くす夏制服の、三限にて早退した僕の、幻影の。
四限のプールの、命の歓びの、それだけが心残りのような細き背の。
風になびく
ススキの穂が
水面を滑る
眼差す太陽にギラリと光り
到来した冬は
情け容赦なく
すべてを裸にし
覚醒の輪郭を
与えていく
透徹として刄の ....
岩には、顔が隠れている
口を開け、叫ぶ顔は恐そうだが
岩の本人は、そうでもなく
案外あかるい、無音の呼び声なのだ
岩と岩のつらなる下に
崩れた岩の口元から、源泉の湯は流れ
心身を温める ....
意識の表面に 皮膜のように貼りついた
夢を剥がす 淡哀しく雪が降る ログイン
ログアウト 扉の向こうに 景色をしまい込んだまま
日々は眠る ログイン ログアウト 小さな痛みが
星のように瞬く ....
いつしか、
日は暮れていて足元は寒くなった
ももに置いた手は静かに落ちた
しばらく眠っていたらしく
目の前で遊んでいた子たちも
いなかった
こうして一人の時間が増えたかわりに
雨や落 ....
白い壁がありました
白い壁に沿って私は歩きました
私には足がありました
私の足は交互に動きます
私はそれを動かしています
白い壁があります
白い壁に沿って草が生えています
私は草をむしり ....
私がその男を目撃したのは、19年前の夏。
井の頭公園野外ステージのオープンマイク。
オレンジ色のTシャツに、黒縁眼鏡、銀ぎら
ぎんのプラスチックのマイクを握りステージ
に立った男は「OK~~~ ....
病と闘うあなたが
病院の廊下を歩き
自らの動悸が乱れた時
どんな思いが過ぎったろう?
お母さんが見舞いに訪れ
病室を去った後
頬に涙の伝うあなたは
窓外の青い空をみつめ、呟いた
....
九月が 群れをなして飛び去ってゆく
胸には 乾いた音階
湖畔を歩きながら
あのひとと約束した
――次に会うのは オールトの雲あたりで
やわらかな忘却が
夢のふちで微笑んでいる
....
体が浮かんでる
こんなに自分は
軽かったのか
見えるのは紺色の空
月が暗い海面に
飲み込まれてゆく
(なぜ)
次第に面積を小さくして
やがて頭まで海にのまれた
....
どうも細かいもの複数抱えると
すったらこったら
になってしまう
枝分かれしずぎて置いてきぼり
選ばれたひとつも枝分かれ
すったらこったら
の繰り返し
ちょっと気になる外のつぶやき
....
その蜩は、おそらく、その日暮らしで生きておられる。
その鳴き声は、その日一日のための鳴き声ゆえに美しい。
この星の何人かは
ちいさめの正方形の紙を見かけると
戦争が終わった後だというのに
戦争のせいで病み 快癒を折り紙に託しながら
亡くなった少女のことを思い出す
紙の角と角を 合わせて
鶴 ....
熱波の到来、渦巻く大気
気の遠くなるような青い空
蝉時雨の下、俺は進む
光の踊る、時の未知へ
夏へ叫んで、夏へ叫んで
遠い木霊を聴きながら
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