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深くまでつづいている
いつか見失った道の先にある、森で
夏の日
ぼくたちは、生まれた
頭上には空があった
ぼくたちと空の間を通り過ぎてく風があった
ふりそそぐものは、光
光とも見 ....
皮膚が邪魔だ
熱だけが祭りのようで
街灯までが青白く貫く
ああ、皮膚が邪魔だ
この世界と私を
容赦なく隔てる
この外套を捨て去ってしまえば
多少は見苦しい液体を
ばら蒔くかも知 ....
君がぽかんと口を開けているのは
口の中で風が吹いているからだ
その正体が何であるのか
問う方法も知らないまま
ある日突然に
君は君であることに気づくだろう
そしてそれは
君が君で無いこと ....
わたしは宇宙人を見つけた
自分でそう言っていたから
たぶん宇宙人なんだと思う
宇宙人はロックバーのトイレで煙草を吸っていた
フロアが混みすぎていたからだと思う
ずいぶん痩せているから
....
本日は快晴 太陽がほらこんなに笑ってる
温かい夏の空気を思い切り吸い込んだら
オキニに自転車で飛び出そう
身体を撫でていく風 タンポポの子供たちと一緒の旅路
見上げれば雲一つ無 ....
なつくさを
くさかりしながら
じぶんのこころも
ちょっとかりこんで
さわさわと整える
刈ったぶぶんは
お日様に干して
お月様の光も吸わせて
冬に着るふと ....
まず、最初に言っておくけどね。
冷凍室から取り出したばかりのアイスキャンディーを
すぐに舐めてはいけないよ ホワイト
表面を白く覆う 霜という物が消えてから
静かに舌で突っついてさ 甘 ....
モスキートにキスされて
わたしのあんよは
はれもよう
えらいこっちゃ えらいこっちゃ よいよいよいよい
サンバのリズムが吹き荒れて
かゆさの神輿が湧きあがる
夏の祭 ....
僕は一羽の小鳥
左利きの小鳥
優しさと思いやり
静かな暮らしを願い生きてきた
一羽の左利きの小鳥
いつも片目を閉じて
楽しさにかまけて
見て見ぬ振り
まわりばかり気にして生きてきた ....
おばあさん たべねば だめだ
見舞いにきた人が
そう 励ましてから
おばあさんの 体調は悪化した
食べれねぐなったがら もうだめだ
と 急に思いつめたらしい
看護婦さんがみかね ....
姉弟は祭の晩を歩いていた
姉は弟の手を引き歩いていた
弟は姉に引かれて歩いていた
揺れる提灯が線を描く
揺れる提灯が線を描く
暗くなる暗くなる
提灯の灯が溶けてゆく
弟は 親から ....
適当に掘られているようなトレンチ
きちんと測量されて
合理的な設定なのだと
発掘で変な日焼けあとのついた
汚いヘルメットの学芸員
掘り出された破片は
プラスティックのコンテナで研究所に ....
伸びた髪が視界を遮る
一瞬 目を閉じ
吹き抜ける風
潮の香りを探す
どぉんと岩に打ち寄せる波
白い泡が風に混じり
こちらへ届く前に消える
今日の空は青い
波が作る白い泡のように ....
夜の野を
羊たちは走る
帰るところなく
羊たちは大群となって
夜の腕の下を疾走する
月の微笑に照らされる夜
野の果ては地平線で切断されている
人はひとり凍えて横たわる
夜は ....
遠くの丘の教会の厳かな鐘の音が届く
私は
{ルビ如雨露=じょうろ}を止めて
目を閉じた
愛の門出のサインであろうか
永き眠りのサインであろうか
私がこの手に
掴め ....
少女のために
空き地のために
泥靴のために
良かれ、とついた嘘
自分の肩幅も
かえりみず
良かれ、とついた嘘
あの頃は
そうでもしなければ
苦しくて
....
君は脱ぐ
同時に着る
どんなに脱いでも
君は君の核心から遠ざかっていく
まばゆい光の中
生まれたての姿になり
男たちの暗い瞳でできたプールを泳ぐ
淵に腰掛けていた男たちは
....
泣きそうになったこととか
そのおもいとか
もらったことばとか
なんだか忘れたくないいろいろなものが
あふれだしていくのがむしょうにさみしくて
消えてしまいそうな感動を
すこしでもあたし ....
ふらふらと酔っ払いの千鳥足
さみしがり屋のピエロは口笛吹いて
今宵も月夜の道を歩いています
膝を落とし 手を差しのべ 愛を乞う
寒がりな裸の心を胸に{ルビ潜=ひそ}めて
夜空 ....
曇った窓の水滴
悲しそうだから
笑って欲しくて
指でなぞってみた
表面張力の君の笑顔は
もうこれ以上
笑っているのが
つらそうで
張り詰めた思いが
寄り集まって
耐えられず ....
両刃の上では
留まれない
赤い靴は血の色で
ガラスの靴は涙色
愛している
愛していない
両刃の上では
留まれない
赤い靴は血の色で
ガラスの靴は涙色
愛している
愛し ....
あけらかんと
ゆみをいだいて
まひるのつきを
ねらいうつ
とどくどくろは
笑みをたやさず
かすれたくもに
キスしてる
リネンきろくの
ひるまのゆめ ....
空へ
大好きです
空へ
雲間から差し込む光のすじの神々しさがたまりません
空へ
夕焼けの少し前
あなたは虹色に染まります
空へ
朝焼け時 ....
ところで
夕暮れはもう間近に迫り
みんな精一杯に迷っているので
その足元を照らす明かりも
その足で踏みしめているものも
記憶は近さも見せないくらいに
空で燻るものだから
こうやって今日も ....
全国から観光客がえっさほいさとやってくる
そんな地元の夏祭り
北の短い夏だからこそエネルギー爆発!
なんていうキャッチフレーズ
どうなのかなあ
どうだっていいけど最近ずいぶん積雪量も減りまし ....
暮れそうで暮れない夜を抱えて
西の空は橙色の熱さを振り絞る
雲はたそがれいろに染まらずに
うっすらとはい色のヴェールで
どこかに逃れるのを阻んでいる
境界線を緩め昼と変わ ....
私の葬式がささやかに執り行われ
友人らが久しぶりに集まった
青空には透明な道が果てしなく続き
新緑に人々の喪服が映えて美しかった
一滴の涙も流されず むしろ
想い出を懐かしむ声で
小さな式 ....
しあわせは
すりぬける風
ひとときのやすらぎ
明日のことは
わからない
しあわせは
すくいあげた水
たやすくこぼれるけれど
歩けるぶんだけ
あればいい
....
その岩は岩でしかない。
だからただ、そこに居る。
雨が降り、風が吹き、雪が積もり、雷が落ちても、
その岩は岩でしかない。
ただそこに居続ける。ちっぽけなふやけた岩だ ....
刈り入れ、葉、枯れ
わたしたち。
貧窮は カタカタ 呼ばわる
明るさについて。
茎が折れ、そのあたりを、
嗅ぐ。 鼻孔、ひらき、
足も萎え、
何度もなぐられた ....
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