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濃い青の空に
白い雲の城砦がいくつも立ち
なかぞらを埋めつくす蝉時雨
他のどの季節にもない濃密さで
夏は君臨する

けれどその夏の中に
巨きな空洞がある
夏のあらゆる濃密さが
そこで ....
夜明け前のベランダからきみが飛ばした紙飛行機が
雨の匂いのする湿った風に乗って海辺までたどりついて
疲れた顔で煙草をふかす港湾作業員の肩に着陸した
薄紫色の空気を震わせるパナマ船籍のタンカーの汽 ....
iqが20違うと
会話が成立しないそうな
高い方が病気扱いですな

おまえには難解でわからないだろ
誰もわからなければ
病気扱いですな

なんかいー感じ
を大事にしてもらいたい
作 ....
カニ味噌を泳ぐ
珍しい形のしゃもじが
私をご飯にする
世界、と口にしてみる
人口よりも多い
イクラを数えながら
父は余生を送った
美味しかった、とだけ
書かれた遺書を見つけて
 ....
亡びたもののあかるさが満ちる夏の庭
もう誰も時刻を読むことのない白い日時計
茂みに囲まれた小さな池

茂みをざわめかせていた風がやむと
あちこちの陰にひそんでいた気配たちが
(それが何の気 ....
話をすればそれらは
すべて白紙になる、例えば
真冬の薄暗い水面を航行してきた
一艘の空気自転車が
小さな港に着岸する
凍てつく畑を耕す幼いままの父や
瓶の底に落ちていく身体
擦り ....
   


土の中の箱の中に
しまい込められた
あの頃の未来の絵は
もうとっくに
古くさい世界で
  
そう
あなたはとっくに
幸せになってるはずだ

 

風の知らせで ....
雨が降っている
雨だと思う
すべてが細くなる
無い言葉
はずれた草花
消えていく庭は
町工場のところで
途切れてしまった
ノートの中にある
わたしの罫線
罫線に隠している
 ....
炎天厳しい8月
森の木々はまっすぐと
燃える円球のような日へと
ごつごつした両手を伸ばす

枝が大事そうに抱える緑葉は
ああ 体に新しい力を抱いた
小さいお前そのものだ

それは決し ....
夜が釣り糸垂らして
月を釣っているよ
風の仕掛けは巧妙で
ぼくの前から消えちゃった
あの日あの娘のサヨナラみたいな
トゲトゲした疑似餌のようだよ
ちょうど煙草屋の屋根の上に
月が昇ったそ ....
計算されたあなたのことばは
きっと0と1からできていて
でも私たちの連座に
きっと馴染む

挨拶はできるわけだから
挨拶したら昼寝しててもいい
なんか好きな本を
こっそりと朗読してもい ....
ああ 満月、真っ正面に輝いて
カーテン開け窓辺に佇めば
白く白く白銀に生き在り、
そして遥か昔から
言祝ぐように
向かいの家に灯った橙の明かり

観てる私は誰?

思考停止し詩想する ....
重なる地層の貝殻は
私がこどもだったときと同じように
だんまってしましまの地層に
連なっている

この貝たちが生きていたとき
夏は夏だったのか
夏と名付ければ
きっと夏であったその季節 ....
夏空青く太陽を欲望し
ギラギラ輝き熱す
燃える光の円球、
爆発し続け
眩む意識、
堕ちる
堕ち続け
深みへ深みに
燃える情動の流出し

開く、魂という無限に

異様な意識の階層 ....
君が「孤独」と名づけた場所
そのさらに奥に
小さな部屋がある

くすんだ象牙色の壁紙
いくつかの黒ずんだ木の棚
そこには本 小函 硝子壜
円い置時計 何処かの土産といった風情の
人形や ....
日差しの刃に斬られ
だらしなく溶けてゆくかき氷の
まだ冷たいスプーンをなめながら
またひとつ星がおちたのに気づく

小豆とぎと河童と
座敷わらしとあと誰だっけ
訃報を連絡するために
黴 ....
不動の時、
伸び広がる瞬間

掴み取り 委ね揺蕩い

濃密に青の空、
響き奏で

なぜ僕ら生きているのか
忘れてしまう 

いつも

声、あなたの
起伏のない温かな
包み ....
野球の音が聴こえる
野球をする音が聴こえてくる
誰もがみんな
胸の中に野球を飼っている
整備の行き届いた市営グラウンドから
夏草の生い茂る河川敷まで
球足の早いゴロが一 二塁間を
抜け ....
剥がれた分度器を
落ちている人のように
並べていくみたいに
拙い息継ぎが
街の柔らかいところに
終わっていくみたいに
コンビ、ニエン、スストアで
スストアで
淡い方の手を近づけ ....
あの日から
降り止まない雨が
心の奥底から言葉を溢れさせ
顕れる魂の穿つ隙間に
零れ落ちるような光滴たち
無数に煌めき散逸する
終わらない旅路の最中
訪れるもの一つさえ
未だ想い描けな ....
草を刈る
草を刈る
草を憎しと
草を刈る

草を刈る
草を刈る
作物を愛しと
草を刈る

どちらでも力はでるし
同じ作業だ
でも
全然ちがう

身体に蓄積する
疲れが違 ....
ぽっかりひろがる
無限の手触り
虹の根元を逃げていき
あの世と繋がり
あの世に入って

平坦になった魂、
もわんとゆれつつむ
夏の熱気に曝され
夢見がちに目覚め
自らの輪郭整え
 ....
生まれ変わって、小さくなって、街でかわいい服を少しだけ買って、少しだけ仕事して、たまごボーロ分け合って食べて、少しだけの恋愛があって、少しだけ争いと仲直りがあって、春が来て夏が来て春が来て冬が .... 風が入り込み
這いまわり
出てゆくたび
ひとりになる


夜の地に立つ夜の洞
夜を二重に夜にする音
雨は洞を抜け別の夜へゆき
音だけがこちらに残される
 ....
アガパンサスの揺れる向こうから
夏の旋律がこぼれはじめる
空の青と光の白が
みるみるそのまばゆさを増してゆく
そこに君が居た
そのなつかしさは残酷なほどあざやかだけれど
でもそこはもう
 ....
いつもの街道沿い脇に
群れ開いていた紫の花、
今朝一斉に萎み縮んで
この移り変わる命の顕
改めて感じ入る私に
どろんと地平に上がる月、
その赤々とした巨大な異様
纏わり沸き上がる感情襲い ....
部屋の中に集落ができた
小さな集落だった
本家、という男の人が話にきて
畑で採れた作物を
いくつかくれた
学校が無くて困っている
というので、近所の小中学校と
市役所の場所を教え ....
波リズミカルに打ち寄せる
浜辺 灰白にて広がり

貫く漆黒の直線、
後光帯びる弧空、

やがて訪れる
深い夜闇に
点る明澄な灯り

手を繋ぎ寝そべる二人に
対立し合う世界の響き、 ....
灰青色のかなしみが
時計の針にまつわるので
空気が気怠さを増してゆく部屋で

六月の似合うそのひとを
あなた という二人称に委ねないために
窓外に滲むあじさいを
しずかにただ眺めていた
 ....
 給料日 仕事上がりに立ち寄るATM
 その銀行の隣に花屋がある
 軒先、白い看板には飾り文字で「花音」

 店内は細長いスペースで奥行きあり
 入り口に色とりどりの花の苗が陳列していた
 ....
こしごえさんの自由詩おすすめリスト(3680)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏の空洞- 塔野夏子自由詩11*23-8-15
うすむらさきいろ- 大覚アキ ...自由詩723-8-13
病床にて- りゅうさ ...自由詩3+*23-8-11
美味しい食事- たもつ自由詩7+*23-8-10
夏の庭にて- 塔野夏子自由詩14*23-8-7
空気自転車- たもつ自由詩11*23-8-6
入道雲- AB(な ...自由詩623-8-5
落書き- たもつ自由詩14*23-8-3
緑葉- Giovanni自由詩11*23-8-1
夜風/よるかぜ- ちぇりこ ...自由詩7*23-7-31
2053年のソネット- 佐々宝砂自由詩1*23-7-31
夜想70- ひだかた ...自由詩423-7-30
新しい夏のソネット- 佐々宝砂自由詩1*23-7-29
出来- ひだかた ...自由詩323-7-29
小さな部屋にて- 塔野夏子自由詩11*23-7-29
失う夏のソネット- 佐々宝砂自由詩6*23-7-28
断章・あなたと共に- ひだかた ...自由詩4*23-7-28
野球- ちぇりこ ...自由詩14*23-7-27
スストアで- たもつ自由詩10*23-7-26
Across_The_Universe(新訂)- ひだかた ...自由詩8*23-7-25
草を刈る- 日朗歩野自由詩11*23-7-24
無限の感触(改訂)- ひだかた ...自由詩8*23-7-24
プーチン来世- 片野晃司自由詩11+23-7-18
夜_消える夜- 木立 悟自由詩623-7-17
めぐり来る夏- 塔野夏子自由詩5*23-7-17
紫の花- ひだかた ...自由詩5*23-7-9
集落- たもつ自由詩22*23-7-9
浜辺- ひだかた ...自由詩11*23-7-8
あじさい- 塔野夏子自由詩12*23-7-5
花とボタン- リリー自由詩11*23-6-28

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