すべてのおすすめ
あてもなくふらつく夜の地下道
家の無い汚れた列が うようよと 笑ってる
バケツに入った配給の{ルビ雑炊=ぞうすい}を待ちわびて
地上への階段を登る
雨に濡れた新宿ミロードの傾斜を
危う ....
シェルターの中は安全なのよ と
おかあさんはいう
外に出たらみんな死んでしまうんだ と
おとうさんはいう
てんじょうによじのぼって
あけちゃいけない外も見えないまどに
そっとほおをあて ....
夜風に杉の葉が揺れる
誰かの約束が
ほろり
足先に落ちてころがる
さあ 準備はOK? わたし
夜露でつめたいブルーシートに
さかなたちの影が泳ぎくる
さらりひらり木の葉よりかるく ....
ちょうど何処まで行っても追いつけない陽炎のように
安寧の地はますます遠ざかるだけだ。
コノママデハイケナイ
でもあたしはまだ貴方を憶えて居る。
買い物籠の中にはチョコレート
とコ ....
1.
先を急げば
見失うものが沢山あるけど
先回りして
待つのもいいかな
なんて思うこともある
2.
夏の日の雲は
柔らかくて大きくて
わたしの悩み事 ....
眠りの中心にたたずむ
黒いしずかな球
その球を無垢な白い身体で抱きしめて
いつまでも眠っているのは誰だろう
みどりにくもる朝の窓辺 (2005/06/11 09:31)
あざけるような混声合唱、そして (2005/06/11 09:31)
井戸を覗けば満天の星 (2005/06/11 09:31) ....
深呼吸の意味を教えて下さい
と、遥か空に問うのです。
朝鳥が木々を揺らして
飛び立つ足元から 追いかけてくる
化学物質を溶かし空 空間を
切り裂き 切り裂き飛んで行く
....
ら
うたが
ら
らら ら
うたが聞こえる
ら
静寂のみが記された
らら ら
白紙のページに埋もれた夜に
....
瞬き一つで
百の竜巻と
千の地震が起きるくらい
長いあなたのまつげ
震わせて
百万の津波と
いちおくの洪水
引き起こす涙で
「心配になるくらい好きだった、たまに
それしか出来なく ....
ぼくたちはきっと
とても遠いところから
やって来たのだろう
永い旅の果てに
僅かな智慧も
言葉さえも失くし
全くの無力な姿で
ようやくここに辿り着いた
その握り締めた掌は
大切な ....
僕は誰よりもはやく
今朝を発見したかった
遮光された窓の外を
僕の両足だけが駈けてゆく
(街と空は素顔で目覚め
朝陽からは人々の匂いがします)
頭上一面に広がる
果てのない青空
雲も 霞も 霧もなく
手を伸ばしても届かない
高みに
もっと高みに
果てのない青空
抱えきれないほどの
太陽光の乱反射
中空に浮かぶのは
ピン ....
日曜の朝のイメージは白
だったのは子ども時代の名残
めざめるとそこかしこに
ラメみたいに散る朝陽
日曜日だけは
がっこうの一時間めのじかんに
テレビアニメをやっていて
だから ....
国語は嫌いでした。
算数は嫌いでした。
さりとて体育は苦手でした。
モテナイ君でした。
9人兄弟の末っ子で、中卒でした。
情けなくてある日つい白状してしまいました ....
東京武蔵野にある井の頭公園
アルバイト帰りの夕暮れに
二人でいろいろ話したね
「そんな考え方でいいのかしら」
「どうしたらいいのかしら」
「一緒にいていいのかしら」
あの頃の二人にとっ ....
すべてが終わると
その町にも銃を担いだ人たちがやってきた
彼らはこの国の言葉や
この国の言葉ではない言葉で話すものだから
町の人々はますます無口になった
少年は喧騒と沈黙でごったがえ ....
はっぱをめくればなめくじ
みんなにきらわれて
しおをまかれたりする
おまえなめくじ
うまれてからずっと
からだじゅうでないている
おれだっておなじ
みんなにきらわれて ....
{引用=(どうか、ユーエフオーと発音してください。)}
光
光る
夜の光
それは星でも 月でも 街の灯りでもなければ
眠る人々の心に点る
ささやかな光でもない
それはやってく ....
なんてことはないんだ。
今朝、母は雪を見ながら(正確には彼女にしか見えていない雪だ)卵焼きを作った。
キッチンに立つ母を見るのは久しぶりだけれどやはり、しっくり、とくる。
料理をするために洋 ....
毎日は同じことの繰り返しのようでも
少しずつ違っているものだから
通勤電車の吊革をつかむ
君はまるで風に揺れる果実のように
その身を進行方向に傾けている
列車のドアが開くたび
....
種もつ闇の
ちらかる 真昼
夜から じっと
はりめぐらせた
たんたん ひとつぶ あまい 夢
たんとん ひとなみ ふるい 風
かすれた なきごえ
かみきる したあご
....
ちょっと感情を培養し過ぎた
いらない試験管を廃棄しておくか
郵便受けに溜まった新聞が日焼けしていた
古い日付は、風に晒されて
更に風化した遠いあなたの
背中に張り付いて
帰ってこない のに
201号室の、窓から入る西日を受けながら
忘れて ....
まとはずれなあしおとに響く暗がりの笑いごえ
思い出そうのは3日前の出来事だけ
鮮明に繰り返す、記憶というフィルムのループ
ちぎれてゆく不必要なコマだけをはじきとばして
赤い羞恥の花を彩りよくそ ....
涼しい初夏の頃
大空に泳ぐ風
緑をざわめかせ
色 そめあげてゆく
目をとじても感じるよ
新しい季節のドキドキ
見えるものが全てじゃない
Feeling everything
in ....
野菜の苗を
手に受けて
指から白い
根っこが生えた
「植物の三大栄養素は窒素・燐酸・カリです。
これを8:8:6で配合し、苗を植えつけて行って下さい。」
手に取った苗は
陽の輝き ....
ありふれた演算子でも
洗練された定理でも
複雑な感情を記述することはできない。
明解な文法でも
思案尽くした形容詞でも
あなたの核心に接近することはできない。
....
悲しい夢を見たあとに
声を上げて泣いてしまったのは
その夢が悲しかったからではなく
その夢が現実にほど近い
記憶だったからかもしれません
昔のことですから
もう数えきれないくらい繰り返 ....
双子の兄弟が天秤の右と左に乗った
同じものを食べ同じものを着ているのに
右にのった弟の方が重かった
弟が髪の毛を数本抜いて
ようやく天秤は釣りあった
天秤から降りると
母親は二人の ....
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