雪のはじまり
さくら

舞う、

それは、かすかに穏やかで
重力と風をさらう

そして、アスファルトへと帰るまで
溶けては消え、溶けては、


あたりは、
そうそうと時をつなげている、師走
風を分けて走っている


静寂が形になる前の
水が結晶になる前の
カタチある、時の色

穏やかで穏やかで、
舞う、雪の白


いつか、手のひらに
掴もうとしたこともあった

掴んで溶けても
気づけないこともあった


カタチをつくろうとしていた



空の裏側を飛んでいるつがいの鳥に
冬の行方を、もう、聞いてもいい?


咲く空に かざした手


白い息、 ふわり


自由詩 雪のはじまり Copyright  さくら 2008-12-13 22:45:42
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