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不思議だね
夜をいくつもめくったのにそこには
やさしさがあるようだよ
ひかる
ひかるのは星と
ひかるのは愛とそして
ありきたりな日常のようだよ
不思議だね
ことばよ
いつもそこに ....
静けさが鼓膜に当たる
しとん。と打ちつけるひとりの音
風に耳をつけるたびに聴く
傍らに佇むような誰かの鼓動
暗やみを角膜が吸い込む
ひたん。と拡がるひとりの気配
窓辺に佇むと街灯が眩し ....
きらきら
という絵本を
君に読み聞かせるのだけど
結晶の写真がきれいで
君のお気に入り
ひとつ 指さして
パパ! と言う
ママ! ととなりの結晶を指さす
次々に 結晶が
....
ゆうぐれに
訃報がふたつ
覚えたてのことばを使う
無駄な行間を埋める
雷鳴がとどろき
過去に幕を引こうとする
落としてきたものと
忘れてきたものとはちがう
ついばんだ死につ ....
月に秘密を
背中に夕焼けを映す
陰りそして唇
字を燃やす如月
幕開けに
ことばを持たずに臨みたい
髪を切って女という味を色濃くしたなら
フリックで弾いた間奏で涙をながして
愛をいただく年の瀬に助走する
底には濁りがある
ひとさじ掬ってわた ....
白い手先が折り畳んだ黒い風呂敷
角をピチリと揃えてたいそう丁寧に
ポタリと落ちた涙に星辰と名付ける
添い遂げようと恋情を抱いたおとこの
亡骸がひどく軽く腕に抱かれた
丑三つ時にただ月 ....
とつぜん雲が現れる
泣けば楽になると傍らで誰かがいう
雨が降りはじめる
わが子を抱きしめていた腕がするり
ほどけてだらしなく砂を掴んだ
かなしみに浸ることはかんたんで
すべてを捨てる覚 ....
真実というの、
多面体について推測することを
誰かを信じたり信じない
曖昧さを拭い去って
女の果実は甘く
夜を抱けば朝が焦がれる
水槽で泳ぐ
海を知らない魚にとっての、
す ....
指さしをするよう
誰かが泣いていた、場所を
孤独を落としたままの在処を
甘く過ぎる歴史が
引きずってきたものを剥がす
ことばにすぎないよう
私が誰かだったりした、瞬間に ....
やさしく
尊いほどにやさしく接すると
君に対するこころは
透明に近づいていくような気がしている
下手なうそをつくことはとても
出来ない、
まして上手なうそも
雨があけた折
....
あさがた
空がまだ黒いベールをまとっている
そんな頃合い
ささいな物音で目を覚ました
ような気がして
結局同じようには
すいみんに入れないでいる
最近おもうこと
母にな ....