きのう、ふった雨が
アスファルトをくろくおおっている
ひざしがあたれば
すこしずつ気化されて
雲になり
めぐる日々になり
(どこまでゆくんだろう)
なにごともなかったように
わたしたち ....
砂漠の
何もない空を
枯木が凝視し、
砂塵が舞上がる
空の破片を剝がすように
密やかに虚空をぬけ
旅の終焉に
翼をやすめる時を迎えた
けれど、
イヤダ
シニタクナイ/シ ....
去年の十二月から
見守る越冬サナギ
今日も
葉っぱで巻かれたように
微動だにしない
もしかして
羽化を忘れて
もう何年も越冬している
のかもしれない
もしや誰かが ....
野菜売り場で出くわした
退院して間も無い友が手に取る
少量パックのミニトマト
旦那のお弁当にと選んだ幸運の黄色、
私はいつもの赤だけど
友人宅のリビングルーム
....
冬には欠かせない土鍋です
冷えた手も温まる土鍋です
残っていた野菜は放り込んで
鶏肉でも豚肉でも投入しましょう
練り物などあればありがたい
一番人気になり ....
夜の八時四〇分
ベランダに出ると
真ん前に月
後片付けが済んで
やれやれな時間
この月は
世界の色んな所で同じ
この月を
どんな状況で
どんな ....
アルバムのモノクロ写真で
満面の笑みの父と小さな私
何枚も重なって
愛情も重なって
胡座の中で
不安の埃も入り込めない
家族の始まりは
おっぱいの匂いで甘くて
むちむちのころんころ ....
古文書のようなカルテを
棚に そっとしまう
このときが
いちばん気を遣う
開院当初からの
患者様が多い
カルテは自然と分厚くなり
傷みがひどい
修復しても追いつかない
....
壊れゆくこの世界
君は笑う
違う世界を見ている
僕と交わらない世界線
今はもう世界大戦
ジリジリと近づいてくる破壊に
気づいてほしくて振る手は空振り
物価は上がり続ける
日用品を買 ....
なぜ過去がうつくしいのか
それは今がくすみきっているからだ
今を疑ってしまうのは
こんな不安も誰にも届かないからだ
今、君が見ているのは
どんな風景をしている
はやくそこまでたどり着きたい ....
思いがけず
昔の知り合いに会って
微笑み合い
孤立無援に帰れよ
シャッターが閉まっている
商店街を 朝
抜けてゆくのもいい
螺子のしなり
詩の為に 詩を書いた春の思いも ....
こどもは
やさしさとあめ玉を
ポッケにたくさん詰めているから
いいよと いいよと
何でもかんでも 許してしまうんだね
遠回りした帰り道
持ち物みんな取られちゃって
おなかがすいた顔 ....
なにげない午后
知らない私がいる
歩き方をわすれてしまった日
腕さえ 独りよがりの
振り子の揺れで、
裸足でたつ
ありふれた海辺の砂
ひんやりとする 爪先
来た ....
三年間、お世話になった学び舎だけど
何の思い入れもない
息苦しい校風、なじめなかったクラスメート
喧騒から離れ、凛と咲け、私
寄せ書きは、心を殺 ....
季節外れに霧になって降ってくる
音も立てずに
信号機だけが明かす雨
空気が暗い
店の外灯がぼやぼやとし
雨脚が見えないまま
アスファルトを濡らして
春の雨は
雫のマスカラ
薄 ....
アンモニャイトなお昼寝時
アンモニャイトの真ん中に
ホソホソっとグー侵入
期間限定解禁のぽんぽん
ああなんて、なま温かい世界
マシュマロなおふとんと
岩盤浴な温度設定
もうここに住ん ....
朝の通勤
今日から上着は春用
とことこ歩き
いつもの畑にさしかかる
すぐ横で
おじさんが葱を抜く
とたん
土の匂いに包まれて
胸いっぱい
深呼吸したら
からだ ....
桜の樹の下にポエムを埋めて
春を待ちわびる
風はあなたにやさしいですか?
かなしい夢は忘れましたか?
遠くの空を流れる雲に
今あたたかく ....
ロバート・ハンバルジェ
抱擁
クリスチャンたちがマーケットで歌っている、
主を誉め讃えて、自分たちの幸福で舗道をいっぱいにしながら。
そいつらが主の名を唱えて祈っていると、
....
悲しくても
ほとんど
泣けなくなった
悲しくても
泣けない 悲しみ
・
私をゆるしてくれた
おじいちゃんは
その後も私に
愛情をそそいでくれた。
本物の愛を頂いた
・ ....
子供の頃の瞳に
もう一度戻れたら
あなたに会えるかな
失うことを恐れずに
今だけを見つめられたら
あなたは見つめ返してくれたかな
目を閉じていた
ずっと
だから見えない
あな ....
失われた命の面影を
ヘルメットに託した
世界中のマスコミの前で
競うより未だある悲劇を
一握りのための大勢
いつだって困難なのは大勢
制度を隠した奴隷
遺された者にしか見えない幽霊
....
忘れた
こころの傷が
うずく
こころの
墓で
おもいだしているから
たいせつな
こころの傷を
おもいだして
忘れた
遠く
遠く
おもいだして
忘れた
始まりが
あったの? ....
人はみな大人になれば見失う
心の中にドラえもんいて
この〇が塗り潰されて●になる
それが大人になるということ?
雷が止んで本棚ふと見れば
一茶の文庫倒れてました
....
電車はなぜ走るのだろう
電車は いつも ここから
そして 着いた その駅で
人を下ろして走り出す
足はそこに入るわけだが
ドアに挟まれないようにして ガコっと
今日も閉まる前に ....
コンクリートの地面に転がっている、二つに割れた卵の殻。そのどちらも中身はからっぽ。そんな卵の殻の中身について考える。それは雛鳥が微笑ましく孵ったあとに風に飛ばされた殻なのか、それとも黄身も白身すらも生 ....
目隠しをして
あなたの息遣い
私の体をなぞる指
ひそめた声の交歓
感覚がとらえたものに
意識を集中したら
背中を突き破った翼が
暗闇を薙ぎ払い
私は光に包まれる
もうすぐ私
....
愛を奏でる音が焦げついて
なにもかもを壊すのならば
大事にする理由など
どうでもよくなってくる
母性に溺れてなかったら
こんなに脆くないだろう
知らず知らず求めている
勘違い野郎に
....
喧嘩した翌日に
何の言葉も交わさず
倒れて入院し亡骸と
なって帰って来た、
胸はまだ命の温もり
を抱えていた
生きた残火で膨れて
跳ねて行きそうな体
大きな体躯を入れて
抑える棺桶は ....
ユウスケはこの日も深夜に起きてしまった。シャワーを浴びて、あたらしい服に着替える。
やっと落ち着いて書斎のノートパソコンの前に構えたが、やがて方々にメッセージ、具体的にはお詫び文を書いている内に、 ....
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