ほんの
一瞬
あなたの笑顔が翳った
冷たい
予感が
わたしの内側を伝う
人の気持ちは葉っぱの上の水玉
いつまでも震えることを止めない水玉
あなたの水玉が ....
君のめざめと
私の眠りのあいだに
淡く時が舞う
どこからどこへ やわらかな伏流水
生まれる前の場所と
死んだ後の場所が
美しいかどうかは知らないけれど
光が光のかたちにな ....
からの貝殻がはなしながら
閉じこもってつきつづけた嘘が
喫茶店でコーヒーをたのもうとしてる
まだまだ寒いのに
君は咲いたんだね
小枝のように細くても
桃色の顔が映えて可愛らしい
小さな苗の君が
年とともに成長し
若々しい目をして
ひとつひとつ笑顔を開く
そのさまが愛おしい ....
「大人になんかならない」
そう言って君は
子どもらしい純粋さと
残酷さを持って
世界と戦っている
長生きはできそうにない
「天使になんかなれない」
そう言って君は
人間らしい限 ....
今度の目的地はmoonだと夫が言う
大昔は地球に最も近い星だったけれど
だんだんと地球から離れていって
今はもう地球からは到底見えない
とても遠いところに在る星らしい
気の遠くなるような ....
娘の卒展へ行くため
阪急電車に乗る
神戸方面へ
降りたのは
懐かしい駅
娘が幼い頃
二人で訪れた動物園
記憶にあるのは
平日で空いていたのと
曇った空
彼女のつむじ ....
{引用=海の見える町に住んでいる少女
概念と図形によって構成された空間
外気は暖かく、音響は風に乗る放物線に乗って
漂う粒子が拡散する市街地まで
通過するバス停前の時刻表に
飛来する戦闘機の ....
憤りのままに
閉めてしまった冷蔵庫の中で
ビンのぶつかりあう音
微細なひび割れでもあったのか
ジャム瓶だけが割れた
ねっとりしたトパーズ色と
雑ざって宝石の様に耀う
....
洗濯機が開かない
開けようとすると
ダメだという
今の賃貸に暮らし始めた
戦友だもんな
おつかれさん
仕方がないから
コインランドリーで
入れて洗うだけなのに
恋人を待つように
....
子どものころ
線の上から落ちないように歩いた
落ちたら地獄だし
ワニに食べられるし
線と一口に言っても
それは幅広い帯かもしれず
ドットや河や霧かもしれず
「黄色い線の内側 ....
ここを出る
それがため
靴をさがす
昔は どんなものでも平気だった
今は、理由や 人目さえも気になり
履く靴を
みつけられない
・
辞書のことばで表現できない ....
靴箱の端の空が
からんと鳴る
きさらぎさらさら
あかぎれ星座を
なぞろうとする親指
さらさら
布団のあかぎれ
じっと見つめる窓が
かくりと折れないように
実家の仄暗い納戸に
新品のおむつが並んでいる
それを使う予定だった父は
この世から旅立っていて
父が使うことはもうない
ひとりになった母は
ひとりで確定申告をして
ひとりで片付けをし ....
大谷翔平がホームラン王を取った日に
子どもを諦めようと思った
爽ちゃんはいつもよりすっきりした顔で
ずるいと思った、のは、ずるいと思った
今年の正月はいつもより冷えると
ニュースキャ ....
まだ寒い気候が続き
山の向こうは雪だというのに
春が待ち遠しくて梅の花見がしたい
田舎の丘に固い蕾が付いただろうかと
そんなことばかり考える
春が来たら
何かが変わるかもしれない
や ....
人間の遺体に感情が持てない
冷たくなった母を見ても
心は閉じこまって出てこなかった
動物の遺体には美しさを感じた
失いたくない思いで
剥製にして愛でた
生まれる前の記憶
母に宿っ ....
草鞋虫を片ほうだけ履いて、
春が土足で入ってきた、
ながらく寒かった和室の畳の上にも、
いっぴきの草鞋虫が入ってきた、
張りつめた鹿皮
ひとつ、あたたかくたたけば
ひとつ、ひとしくはねかえす
まるくゆらいで澄みわたる
水底の
唄をほどいて砂ことば
こより合わせて花結び
細い祈りの息を吐く
きみの ....
素晴らしい
から
花とも
俺は五感
今は
僕は
幸せです
それなら
それで
いいじゃないか
いや
もっと
幸せになりたい
もうええて
まげまげまげ
さんた ....
煙突から、まっすぐ煙が立っていた。
冬の午後。工場の裏手で、ふたり立ち止まる。
「今日は素直だな。」
「何が。」
「煙だよ。曲がらない。迷わない。出たら、出っぱなしだ。」
「 ....
毎日の汚れ
毎夜の穢れ
月夜の気だるさ
悉く泥だらけの
自分をスッキリ
洗ってしまいたい
まとわりつくことごとを
投げ入れて洗える洗濯機が
あればいいな
美しいあれこれに
....
よもぎが「ハーブの女王」とよばれている、と小耳にはさんだ
わたしにとってよもぎといえばよもぎ餅
口のなかでふわっと清涼に香り
みどりの色も美しい
古くからはもぐさとしてお灸になったり
浴槽に ....
朝 仕事場に着く
ユニホームに着替え
掃除道具を用意する
仕事場は介護付き有料老人ホームで
掃除や洗濯をする
居室はみな個室で 沢山あるので
次から次へと掃除していく
入居者はみな様 ....
お気に入りの雑貨屋で
可愛い猫のマグカップを見つけたと
あなたは困ったような眉で
ふんわり笑う
笑うのが苦手な私も
思わず頬をゆるめてしまう
あなたの柔らかな笑顔は
ほとんど魔法 ....
その人の悲しみを
すこしでも
軽くするために
その人の傍にいて
できることを
模索する
それが目下の
やるべき
大切なこと
今日は
蜂蜜紅茶と
笑い話を持参
....
砂を撒く、
乾いたアスファルトに、
人でなしの
首を埋めるために
生き血を吸う白い砂を
さっさと撒く
額に、
汗がにじむ
地下まで続く
迷路、
ビルの街。 ....
あられ雪が帽子のつばで弾け
風は強くなってきた
小さな礫が降りしきり頬を打ち
道を流れる積りもせずに
寒さが身にしみる道で
人の夕べに立ち
黄色信号で止まる
流れるまま考えな ....
{引用=dot dot dot dot dot
歩いてる dot
たくさんの dot
ゆめのなかの都市に
浅いゆめと蒼い Silver
集まる dot すれ違う dot
喧騒 ....
最近、頭のなかで何度もリフレインする世界という概念。
疲れているから人生から逃げているだけのところもある
と知っているのでじぶん対策のおまじないとしての言葉、
「世界が世界を世界した」と呟くと不 ....
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