ズー




多くの水が
忘れ去られたままに
打ち寄せる
波打ち際で



なぞり損なった
君たちが
みつめる先で
青草のにおいが凍えてしまう



名前は。名前は、
と繰り返していたちいさな子
帰っていった波のすべては
いつもそんなかたちだった



彼の家の前までで
沸騰した
多くの水が
七月生まれ


自由詩Copyright ズー 2013-06-19 01:17:30
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