風が大河のように重い土地で
腰を落とし 捻じれて育った
樹は 首を傾げ 雲を聞いている
節くれだった片目で
ヒレンジャクたちのお喋りに
口をはさむでもなく
遥かな海や
見渡す限りの黄金の ....
風を読もうとして
青空の中に人差指を立てた
風上から風下へ
紙飛行機は滑っていった

時を堰き止めたくて
夕焼けの中で小指を絡めた
川上から川下へ
笹舟は忘れ去られた

水面に ....
我が子には隠したかったココア飲むときは心に痣ができてる 手のひらの奥から、
沸き立つ海の声は、
私の睫毛を掠めながら、
空に向かい飛んでいく。

私は罪という罪を、
毎日犯している。
誰もが罪と認めないことでも、
私のなかでは ....
孤独だと言えず大きな雪だるま たなごころにスマホ
便利な無力感が軽すぎる朝

瞳に飛びこむ首のない鳩
飛沫で君の顔はぐしょぐしょになる

また一人死んだ
霧雨が沈黙を湿らせて

僕らが知っていることは
きっと一 ....
何のために存在するのか
そんな問いを無効にするため雪は降る
世の不条理と人間の不条理との
遠い血縁を否定するため雪は降る

雪の冷たさは仮面の冷たさ
雪の素顔のうごめきは
辺りを ....
一人の母親から生まれた兄弟たちが
殺戮を繰り返している

遠くにいる母の涙は絶え間ないだろう

宇宙の法則は静かに無常を湛え
現象をただ見つめているだけ
街のはずれの廃校の廊下に気配の何すらもなく
ただ一枚の絵が残されていた
おさなさのめいっぱいの「四年三組」そして名前そして
描かれている 理由のないふうを装った
それは遺言だった から、
割 ....
溜め池の波紋が大きく揺れた
葦原に身を隠してはこちらの様子を伺っていた餓鬼どもが小石を投げ入れたのかと思った
そうか、いつまでも泣いてばかりは居られないのだ
ここから先はこの御玉ヶ淵に架 ....
味噌汁に
浮かんだネギの
香りにも
いま亡き母の
面影浮かぶ

忙しく
朝の立ち食い
せわしなく
天玉そばを
一気にすする

12時に
正直な腹
なににしよう
ガッツリい ....
  しろい板の上に
  まばらに わたしたちは穿たれ
  見つめていた 雨だれが いつの間にか
  うすぐらい煙に変わっていくのを見ていた
  わすれていった 哀しみもいつしか 草叢の ....
 断章として出会う
わたしたちは
繋ぎ合わされた
死に往く者の断片として
齟齬と違和で腫れ上がりながら
ひとすじの清流であろうとした
 二人の詩人


                ....
日常風景の只中に、立つ
そこを掘るべし。
――{ルビ足下=あしもと}に隠れた、天への通路。

  *

(君の投げたボールは
 君に返ってくるだろう)

  *

昔々、葉蔭の下 ....
晴れた空が広がっているのは
誰かが空に感謝を投げたから
海がいつまでも青いのは
誰かが海に感謝を流したから
「ありがとう」は持続する響き
どこまで遠くへ行っても決して衰えない
 ....
真夜中の吉野家には
わけのわからない親爺が一人
何かを呟いている

苦役の連続で
おれは特盛に玉子をふたつ
紅生姜を盛り
ただただ牛丼をかきこむばかり

夜中の視線に注意して
俺は ....
あまりにも透明なソーダ水は
一体何処へ行けばよいのだろう
透明なコップの中ではしゃぎながら
君たちは好きな歌を歌っていた
少し口に含めたなら
君はイタリアのオペラを歌ってくれた

アマポ ....
この腕にしがみついた、
性という薄皮の、
一枚一枚をゆっくりと剥いでいく。
そこには薄く赤みを帯びた痛みが咲いている。

煙で見えなくなった、
風呂場の鏡に映る、
あらわになった腕や脚、 ....
明け方 季節を忘れた
冷え行く寒さの中で
冬は姿を消し
沈黙は空気を透明に染めた

朝 差し込む光を浴びて
言葉を忘れた
荒涼とした会話が砕かれ
鳥の鳴き声は静寂に木霊した

昼  ....
七草を七つ言えないまま食べた 入院は今週も木曜日
になるまで自宅でゆるゆるしよう

精神病院には其処に住民票が有る人が多いから
三年経った今も顔見知りは居るだろう
三階は重度のジャングルらしいけれど
ぼくは1階で済む
 ....
あらゆる毛皮という毛皮を剥いで、
あなたをただ見つめる。
そこからはまるで、
万華鏡か走馬灯になった
私たちが見える。
私は手元を見つめる。
もうこれしかない。
新宿東口の街の片隅で、
 ....
数えているのは何?
そうやっていつまでも頭の中にいるのね
皮算用をして準備したことも
夢の泡沫に消える
選んだのは誰
選んだのは何

まるの形をしているのは
八の数字でも
六の数字で ....
初夢はどんな夢を見ましたか
すべての夢は もろ刃のつるぎ
かざして何を想いましょうや

松飾をつけた車が 走っていた
正月だというのに梅が咲いている不思議な一日
うつくしさを か ....
暖冬も兜町には続く冷え …屋根から滴り落ちる水滴を見つめて

少しだけ ほんの少しだけ
水の音に耳を澄ませたい
鯉の泳いでいる 石に囲まれた
あの光景を思い出すから

かつての敗者だった僕に
送り届ける安らぎ ....
ミルフィーユ仕立て高層マンション
晴れとも曇りともつかない冬ぞらに
めりこんだ白い実体は陽炎にゆれて
二十年前には無く二百年後にも無い


     むすう むすうのカゾクが
      ....
     広場の木立ちが さけんでいる
       黒い北風の渦まくなかには
           行くなゆくな と
             両手を振って
          だが・・・・ ....
ひとの心は果てしなく彷徨う
距離や時間を超えてゆく

痕跡にすぎないものに捉われ
憶測の触手をあすに伸ばしておののく

ときどき何かを削ぎ落しながら
変わってしまうことをおそれながらも
 ....
晴れた日の会場内に 用意された百脚の椅子

来賓者、関係者、招待者、出席者、
名簿に記載された ずらりと連なる固有名詞

司会者は叫ぶ
(百人満席、晴れた日に、)
新聞は語る  ....
イナエさんのおすすめリスト(3746)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
冬眼鏡- ただのみ ...自由詩17*16-1-23
- nonya自由詩17*16-1-19
我が子には隠したかったココア飲むときは心に痣ができてる- 北大路京 ...短歌216-1-18
海の声- あおい満 ...自由詩5*16-1-17
孤独だと言えず大きな雪だるま- 北大路京 ...俳句616-1-16
現実という嘘つき- ただのみ ...自由詩13*16-1-16
朝の雪- 葉leaf自由詩316-1-16
何故- レタス自由詩2*16-1-15
たとえば金平糖のような- もっぷ自由詩416-1-14
そして始まりと終わりにミンク鯨を食べたものたち- アラガイ ...自由詩12*16-1-14
一日- チーズオ ...短歌316-1-14
nadeshiko- 草野春心自由詩116-1-13
断章遊戯- ただのみ ...自由詩13*16-1-13
この足下に___- 服部 剛自由詩416-1-13
感謝- 葉leaf自由詩916-1-13
日々- チーズオ ...自由詩116-1-13
消えゆくものへ- レタス自由詩316-1-13
- あおい満 ...自由詩1116-1-12
忘却- 鷲田自由詩1016-1-12
七草を七つ言えないまま食べた- 北大路京 ...川柳716-1-12
暖冬- レタス自由詩416-1-12
毛皮- あおい満 ...自由詩616-1-10
数字の泡沫- 這 いず ...自由詩416-1-10
かざしことば- るるりら自由詩15*16-1-10
暖冬も兜町には続く冷え- 北大路京 ...川柳316-1-10
鯉の様に- 陽向∮自由詩7*16-1-10
ウェヌス遠景- ただのみ ...自由詩18*16-1-9
芥子色の北風(八)- 信天翁自由詩516-1-9
越境- 梅昆布茶自由詩2216-1-8
空席- 為平 澪自由詩816-1-7

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