ピンク色の馬の背中に乗って
教科書ばらまいて
パステルの水玉模様の中
宇宙いっぱいの時刻表
穴があいてどこもかしこも
涙がこぼれて
流れ星こんぺいとうチョキの指で切り取る一秒
黒い暗いタ ....
朝のワールドニュースでは
空港に設置されたカメラが常にテロを監視し

中国の経済的失速が懸念材料となり
世界のあらゆる処であらゆる価値観が往来する

冷凍のピザをオーブントースターでこんが ....
優しい子ならば花筏に乗れる 一生懸命がいいと
祖母は言うけど
結果がすべてだと上司は言うんだよ

今がんばれと先生は言うけど
夢をみなさいと校長は言うんだよ

愛し合ったはずの
父と母は別れ
憎み合うはずの
 ....
「へえ、すごいね」
流れてく広い月


多機能トイレに
死なない程度
埋め尽くす闇
知ってるんでしょ
いらない体液のゆくえ
教えてもっと


すっごい大好きな
絶望を
毎日 ....
そういうことか
海も空も
まるいんだ

どれくらい走ったろう
眼前には海があり
道端には 菜の花と桜が続いている
ふと 同じところを何度も通っているような気が
して
 ....
何かの気配に目という耳を澄ますと、
背後に誰かの指をみた。
振り返ると、
目から耳を、
耳から指を、
指先から声を垂らした、
私が立っていた。

私の指先から垂れる声は、
ひどく力な ....
百均で買ってきた
ミニチュアの黒いうさぎは
手のひらに載せて
選りすぐろうにも
どれもみな
哀しくなるほど同じ顔
同じ姿勢同じ表情
どうしてこんなに正確に
大量生産できるのか
まるで ....
鼠夜桜ひきつれて

にぎやかな繁華街を抜ける
路地は大小二つに分かれ
月を眩ませる
再び斜影/方に肋膜の炎
告知する薄墨色
派手な更紗を纏う老婆を気にとめた
絵柄のカードをな ....
若き日々の夕べには
その日一日が再び始まるような
ばねに似た体が憩っていた
未来は豊饒で過去は僅少で
乏しい過去で圧倒的な未来を
懸命に跳ね返していた
青々とした木の葉のような
 ....
夜明けの群青の空に
透明な風の蛇がうごめいていて
脊椎に貫かれた腹でゆっくりと気流を動かしている

白んだ月は皮膚を通過し波状に広がる光を手放す
朝を迎える前の消印のように
反復ゆえの忘却 ....
ババがふたり
ババは、ふたりでも相当うるさい
今どきのババは、パワフルだ

あら、あーたのジャケット素敵じゃない
どちらで作ったの?
 ××
でも、も少し長い方がおしゃれね

ね、知 ....
霧吹きのような雨はふかみどり

胸の奥まで吸い込んで

わたしは森になる

しばらくすれば

じゅうぶんに水を含み

耳を傾ける

彼らは

永遠を指し示すこと ....
かつて 大本営のあった場所は晴天なり
銀のフォークの並ぶ部屋から見下ろせば
ゆっくりと雲は 流れる
ナイルの川ほどではないにしろ ゆたかな水が輝いて

四方形の掘の水が かつて権威のあっ ....
母の頬を打つ
鋭い音が私の底に弾けて沈む
窓から漏れる灯が全て真っ赤に爆ぜる
影絵が暴れ出す
玄関口を喪服の村人がぞろぞろ出て行く
四角いお供え物に母の骨を携えて

母の頬を打つ音が隣の ....
珠を数えている。
腕に通された木目の珠を。

祖母が亡くなったとき 
父が握っていた大粒の珠を、
父が四角い小さな石塔になったとき 
母の手首に引っ掛かった数珠の珠を、
数えている。
 ....
花月夜パジャマのままで連れだされ 雀始巣
すずめはじめてすくう


佐藤さんちの玄関の
パンジーの寄せ植えから
オハヨウを拾い上げて

鈴木さんちのベランダの
古い室外機の裏側から
サビシイを探し出して

 ....
かなしみが河いっぱいにあふれて
よろこびも一緒にいる

まるで流し絵のように一緒にゆるやかに
色をなしてゆくもう痛みもない河畔に

ちょっと嘘つきでよゆうのない自分が居て
漢字変換ではも ....
爛れ過ぎた夕陽が
一軒の二階の窓を
ギラリと択び
怯えた鴉が見上げた先に
規則的に並ぶ建築の
一面だけを
薄明るい色に染め
足元のザラメにも
一粒ずつ微かではあるが
予兆のように
 ....
 私はカルピスのいちごオーレの底にたまった沈殿物。
五百ミリリットル入っていても果汁は一パーセントにも満たない。
濃いピンクのふりをしても、先生たちは私のことを講堂に響く大きな声で、赤点、ギリギリ ....
夜がすっかり明けて
なにもかも
とりかえしがつかなくなってから
あちらからもこちらからも心優しい人々が
花を抱えてやってきた
涙を流し祈りをささげた

いつもそうだ
愛されていた人が
 ....
母になれないこのままで
あなたに名前を名付けたい
あなたは黒い目玉を輝かせ
きょとんと笑ってくれるでしょうか

母のになれないこのままで
あなたを産んだといってみたい
海のな ....
蛇口が
みずうみにつながっているように
蜜柑は
五月の空へつながっている
かぐわしい白い花
まぶしい光に
雨だれに
ゆっくりと過ぎてゆく雲に

蜜柑をむくと
その皮は
しっとりと ....
3月に入る前のふぶき
一晩が明けてブルーの大空に変った
卒業生が丸めた証書を持って談笑しながら通り過ぎる
きょうのひを刻みこむことを照れかくすようにして


たしかめ合うには
言葉も ....
キムチトーストにはまっている
いまさら短時間高収入の仕事に就くすべもなく

ちぎられた時間のなかでファーストフードならぬ
簡単な食事と全自動洗濯機
電子レンジとオーブントースター
せまい部 ....
いつからだろう、
胸になにかができたのは。
胸のなかの何かは、
柘榴のように真っ赤に青い。
柘榴のなかにはちいさな
部屋があって、
その部屋のなかには、
ちいさくなった私がいる。
 ....
手塚治虫が死んだ歳まであと十四年だ

一日十八時間起きてるとして

十八時間×三百六十五日×十四年

まだ九万二千時間もあるじゃあないか


これからの人生でいちばん大切なこととは
 ....
たくさんのてのひらが、
胸のうちをなでてくる。
私はその愛撫のあたたかさに、
目がくらみ、
行くべき路を忘れてしまう。
たくさんのてが、
雨を耳にあびせた。
たくさんのてが、
子どもた ....
雪の下の
肌色の蝶
何もかも
左目の隅に置き忘れた朝


血の涙を流す鳥の背に
雪と鉄の音は降る
水のなかから空を見る径
光の傾きに消えかけた径


なかば沈ん ....
イナエさんのおすすめリスト(3781)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
どこにでもある地獄- モリマサ ...自由詩316-3-29
朝のレポート- 梅昆布茶自由詩1216-3-29
優しい子ならば花筏に乗れる- 北大路京 ...俳句216-3-28
- 朧月自由詩516-3-28
イタミノ- モリマサ ...自由詩4*16-3-28
指折り数えるクリノリン_- るるりら自由詩14*16-3-28
指先の声- あおい満 ...自由詩5*16-3-27
ベンジャミンバニー- Lucy自由詩22*16-3-26
スベトラーナ春に酔鼠- アラガイ ...自由詩8*16-3-26
葉の色- 葉leaf自由詩316-3-25
紡ぎ合う- 由木名緒 ...自由詩14*16-3-25
ツーババ- 森の猫自由詩7+*16-3-24
休園日- 自由詩37*16-3-23
【Paradox_Japan】(パラドックス・ジャパン)- るるりら自由詩6*16-3-22
- 為平 澪自由詩6+*16-3-21
かぞえる- 為平 澪自由詩10*16-3-20
花月夜パジャマのままで連れだされ- 北大路京 ...俳句116-3-20
雀始巣- nonya自由詩18*16-3-19
be_happy- 梅昆布茶自由詩1516-3-17
春の正体- Lucy自由詩9*16-3-15
足並み- 為平 澪自由詩716-3-8
少年の夜- Lucy自由詩14+*16-3-3
母になれないこのままで- 為平 澪自由詩816-3-2
蜜柑をむく女- そらの珊 ...自由詩21*16-3-2
奪われぬ春- 唐草フウ自由詩6*16-3-1
途上にて- 梅昆布茶自由詩1316-3-1
白い増殖- あおい満 ...自由詩4*16-2-29
手塚治虫まで- 吉岡ペペ ...自由詩1016-2-28
喝采- あおい満 ...自由詩12*16-2-28
しずく_交錯- 木立 悟自由詩516-2-27

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