私は緩やかに束縛されている。
色々なものを見ながら聴きながら、
色々なものを見ぬように聴かぬように。
穏やかな強烈さで
目隠しをしている{ルビ腕=かいな}は誰なのか。

私の中心 ....
肉を食べたはずなのに、
私はさかなを吐く。
さかなたちは私の咽喉から、
ぴしゃぴしゃ、
躍り出て、
シンクの ....
家の敷居や襖の線や開閉ドアを隔てて 深い河が流れている
隣の部屋なのに、もう渡る舟の手掛かりはなくしたままだ
河の底から 十二年前に口を交わした孫の燥ぎ声が
時々聞こえてくるのが楽しみで  ....
悪評をヒラリとかわすクリントン 静寂のなかで、
何かが明滅する。
明滅は赤い、
悪魔の囁きだ。

(おまえは何が欲しい?)
(おまえは何が欲しい?) ....
引退の好機はもっと前だった 容赦なく時は過ぎるし歳もとるあした天気になりますように 表意文字同士で手を繋ぐ駅裏の小路
休んでいいかいと言った少年の姿はもうない
弦楽器の音合わせに
五本の指は小さな画面の上をひた走る


青年は手を自由にし煙草に火をつける
再び繋ごう ....
どうしてひとは死ぬのか
でも
恐竜やマンモスたちが死んでくれなかったなら
わたしたち、居なかったね

どうして父さんは死んだのか
十余年がんを繰り返して
苦労したから痛かったから我慢はた ....
スズや、スズ、と 呼べば白猫が一匹
呆けてしまった昭和の頭に 鈴の音だけでやってくる

年老いて逝く者の生きがいのために 孤独死を恐れてか
「アパート一室につき猫一匹飼育可能」、の高邁な ....
夜の粒が
とけだしてゆく
空の底は
うすむらさき色にゆるみ

未来が滴らした
おれんぢが
静かに攪拌されてゆく

ここは
宇宙の果てなのだ
あるいは
巨大なグラスに注がれた
 ....
まな板の
イワシのまなこ
可愛らし
ナイフを手に入れろ
くすんだ景色を切り裂くために
ほら こんなに青く 世界は
青く燃えて たゆたい――

ナイフで胸をえぐれ
にぶい痛みを消し去るために
ほら こんなに紅く おまえは
 ....
築十八年になる
カステラハウスと呼ばれる
小さな三階建ての家に住んでいる
毎週日曜日になると
潔癖症の夫と二人で掃除をする

掃除機を抱えて 嬉々と
バトルスーツをきた戦士のように
家 ....
環境に適応していきのびることが
生命のことわりならば
それにしたがうのがあたりまえなのだろう

考えることはない生きればよい
小利口にならずきちんといまを選択する

なにが純粋なのかよく ....
犬の瞳に月が残っている
ブリキの犬の黒い瞳に

声をあげている
七十五日で消えそうな噂


 からだが曇ってる 
 空と海も手をつないでいるわ
 誰も気にせずに声もかけない

  ....
(さびしいと思うこと)

それももうなくなった。
皆、鏡の向こうにいってしまった。
だから、
 ....
;" "ヾ; ; ; ゞ゛;ヾ:.y.ノヾ ; ;ヾ ; ;ヾ ;" "ヾ; ; ; ヾ゛;    `
ヾ ;" " sakura pin ....
もう、疲れてしまった。
美しいものは、等しくコトバにできない、ことや、
瞼を瞑ることでしか、思い出せないと言うことを、
眠らない心が捉えてしまったのだ。

夕焼けすら 同じように見え ....
発熱・咳・くっしゃみ・関節の痛み・逆流性食道炎
薬を飲んでも
ちっとも効きやしない

そうだ、最後の手はアルコール消毒だ!
先人の知恵から生まれた玉子酒は苦手なので
ウイスキーのロック ....
じゃりじゃりになっている
蜜のあわれを
さじで救い取る

瓶の中で
結晶になった
白い彼女はきれぎれになり

焼かれたパンの熱でそれは
ふたたび脆弱に溶かされてゆく
朝の甘い官能
 ....
月が高い塔に当たりました

夜景は万華鏡の海 光に輝くベットの上


女性の姿で生まれました

悪夢を熱にしながら こぼれる言葉
根の堅州(かたす)まで逃げ果(おお)せるか

その先黄泉(よみ)の暗い道順(みちゆき)

荒神谷の奥深く 
人影も無く、道も無く
鬱蒼(うっそう)とした下草と
室(むろ)を作る地(じ)  ....
みどりの線で世界を描く

翠は鎮静のいろ
緋色が補色

融和と柔らかな背反
それぐらいがいいところだとおもうのだ

ビリジアン
青みがかったみどりらしい

マゼンタ
あかるい紅 ....
『夕暮れ』

寂しいと呟けば
誰かが
肩を抱いてくれそうな
そんな
秋の夕暮れに


『曼珠沙華』

野辺の道に咲く
真っ赤な曼珠沙華が
やけに扇情的で
まるで娼婦のようだ ....
"ね"をあげる秋刀魚野菜に手が伸びぬ {引用=たくらみを実らせた花はもう、少女ではない
女になれば脆弱な季節から嫉妬だけを学ぶ
かなしみ、は 夜を壊し牙をむく
いつも、淋しい姿で佇んではいない、と
教えてくれた あなたの沈黙は深く ....
古い本を開いたら
あったはずの文字が
ところどころ喰われていた
くいしんぼうの羊のやつめ
紙より文字が好きときている

古いインクは美味らしい
いい具合に熟成していて
ひと噛みすれば口 ....
平坦な生き方しかしてこなかった
それでいいと思っている
薄っぺらなままだった
それでちょうどいいと思っている
しかし
味はいろいろ覚えてきたつもり
甘めの醤油味みたいな
ざらざら ....
それまで
水の中を泳いでいたものが
産院のベッドの上で
あし。になる
それはまだ
自分を支えることも
出来ないけれど
あし。と呼ばれる

こんなに
ちいさく
まだせかいを歩いてさ ....
イナエさんのおすすめリスト(3746)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
放流- あおい満 ...自由詩5*15-10-28
ガム- あおい満 ...自由詩715-10-27
核家族- 為平 澪自由詩815-10-27
悪評をヒラリとかわすクリントン- 北大路京 ...川柳315-10-26
人魚- あおい満 ...自由詩615-10-25
引退の好機はもっと前だった- 北大路京 ...川柳115-10-25
容赦なく時は過ぎるし歳もとるあした天気になりますように- 北大路京 ...短歌215-10-24
既視の岸辺_(四行連詩)- 乱太郎自由詩17*15-10-22
おしまいの或る詩- もっぷ自由詩1215-10-22
アパート@猫一匹- 為平 澪自由詩8*15-10-22
リキュールな朝- そらの珊 ...自由詩15*15-10-22
生きるため- レタス俳句215-10-21
旧・青少年非行団の歌- ただのみ ...自由詩17*15-10-21
【_払拭_】- 泡沫恋歌自由詩28*15-10-21
自転- 梅昆布茶自由詩1715-10-20
JokeとDanceとKissは明日- 北大路京 ...自由詩615-10-20
蜜柑- あおい満 ...自由詩7*15-10-18
sakura_pink- 北大路京 ...自由詩14*15-10-18
喪失- 為平 澪自由詩20*15-10-16
懺悔_?- レタス自由詩115-10-15
冬のはちみつ- そらの珊 ...自由詩19*15-10-15
女性の姿で生まれました- 北大路京 ...自由詩915-10-14
バラッドのはじまり- ……とあ ...自由詩5*15-10-14
Colours- 梅昆布茶自由詩1915-10-14
【_秋_三詩_】- 泡沫恋歌自由詩16*15-10-13
"ね"をあげる秋刀魚野菜に手が伸びぬ- 北大路京 ...川柳615-10-12
哀歌- 為平 澪自由詩915-10-12
羊とともに眠る夜- そらの珊 ...自由詩1315-10-11
かじりついてもいい- 乱太郎自由詩25*15-10-9
あし。- そらの珊 ...自由詩1715-10-9

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