あなたは空を探す
世間体の要塞に閉じ込められて
強固な偏見の鍵をかけられても
逃げ出す知恵を巡らせる前に
小さな明かり取りの窓を見上げて
あなたは空を探そうとする

あなたは空を探す ....
時の意味を問う
午前は
萌黄色の航海である

海に
漕ぎだすための一本のオールは
時間の形をしている
私たちは
沈むまいと
午前を漕ぐ
太陽が昇る所を目指す

失われた午前は
 ....
祈りや想いが届かないなんて

思ったことなど

一度も

ない

 天然の生粋の心に鎧はない
 されど 裸で 晒す 無能もない
 武器を時に操るマジシャン如く
 智慧と悪知恵の二 ....
昨晩
ひとつの恋を失った
ミセス ミスティは
男の不実を責めるでもなく
ピアノの蓋を閉めた

ミとファ
シとドの間に
黒鍵がない理由は
おそらく
その間に
幻想があるからだと
 ....
安売りのプリンを大量に買い込んでもうちょっと生きる 冬に溶けていた
欠片が
今、きらきらと
夜に降る
氷の棘でした

ひとつはカイの目の中に
ひとつはカイの心臓に

結晶というものは
なんて
おそろしいものでしょう

この世に ....
孤独が巷にあふれている ほんの数十年前
空がピンク色に染まった夜の日々
凜として生きていた正義の味方

正義の味方は美しく
正義の味方は気高く
正義の味方は清々しく

誰から後ろ指をさされることもなく
 ....
磨りガラスの向こうの公園で
外国人に話しかけられた
どうやら、フランス語らしいが
何を言っているのか分からない

家に帰ると母親が叫んでいた
ひとつひとつは意味のある言葉
けれど、つなげ ....
雪は降り止み
風も途絶えた
満天の星空は
きりきりと冴えわたる
放射冷却の夜

氷のランタン
雪の壁
立ち止まり
眺める
子どもの頬
母親の手のひら
蝋燭の炎は揺れながら
あ ....
猫になりたい
すまして本を読む
あなたの足もとでじゃれつきたい

猫になりたい
そのページをたどる指先で
やさしくのどを撫でて欲しい

猫になりたい
こんなに寒い冬の日は
あなたと ....
  

異国の少女の瞳のよう 青く澄み
だが雲はお構いなしに夢の中の鰐だ

純白に生れ落ち
気まぐれな冬の微笑みにほだされる
だが夜には冷たくあしらわれ 
朝には固く汚れた肢体を通りに ....
つよいということは
ただしっかりではないこと
しなやかにうつくしく
じゅうなんであること
そしてやさしくかしこくあること
あなたがおしえてくれた
目は開くが光が差さない
肩は動くが負うべき荷がない
節くれ立つ指はしなるが絡めるべき手がない

そのように漠々と日々は吹き過ぎ
引きずった片足は轍を伸ばす
山頂を目指す人々は皆
片足 ....
妻が一歳の周をつれて
立ち寄った鎌倉の教会に、入ると
お告げの鐘は、夕焼け空に響き渡り――
グレーのベールを被った修道女等は
晩の聖歌を歌い始める  

祭壇に姿を現したのは  
私達に ....
夕陽のあたる湊町
古い煉瓦の倉庫街
漂うあの歌 あの旋律は
港の悲しいエレジーで
昔の俺(おい)らの子守歌

港近くの襤褸アパートで
親父も知らずに育った俺(おい)ら
酒場の女のお袋は ....
草や木の輝く霜や鳥鳴けり 葉牡丹や学費のために売りし家 玄関にやたらシーサーがある 蜜りんご食べる時
白雪姫気取って気付く

やべぇ 王子様いねぇ……
消耗品リストを
作成しました
エクセルで

ボールペン
メモ帳
コピー用紙
ホチキスの針

ふと
私は手を止めて

愛は
消耗品ですか

ボールペンも
コピー用紙も
 ....
そんなに
目を点にして
俺を見つめるなよ

普段父親らしいことしてあげらないけど
週末はできるだけ帰るから

だから
あんまり俺を見つめると
鼻をひん曲げて
目隠しするぞ
まっている
K帯の着メロが鳴るのを
まっていたくない

TVをつけて見てるふりして
CDをかけて聴いてるふりして
お湯をわかしてお茶をいれたり
ベランダの花に水をやったり

まっ ....
次女の髪を梳いた櫛に付着していた
薄茶のフケのようなもの
それが動いた!
二ミリにも満たない生物が
私に与えた衝撃
一体どこでうつされたのか?
GHQが散布した白い粉によって
やつらは絶 ....
虫歯を気合で治そうとしている 食べ終えてからおしぼりに気づいた ご先祖様のため息が聞こえた 選択肢がない街の
未来図は完成しない

更新されることが前提だから
豊かさは新しさに両替される

> 懐かしさは噛み終えたら
> 紙に包んで捨てましょう
> それ ....
詩を書くという事は

誰か見知らぬ他人に向けて

宛てのないラブレターを書き綴るのに似ている

もし、あなたがとても昔の詩人の詩にときめいたとしたら

それは何千年も前のその詩人が
 ....
黒いアイリスは
男の喪に服した女だ

ジョージア・オキーフが描いた
花の絵は
どれも女の顔に見える
花が儚く美しいという概念は
もしかしたら幻想なのではないか
もうこれ以上
対象に接 ....
イナエさんのおすすめリスト(3780)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
空を探す- nonya自由詩21*14-2-5
失われた午前を求めて- 塩崎みあ ...自由詩7*14-2-5
祈りや想いの片目瞑り- 朝焼彩茜 ...自由詩12*14-2-5
【ミセス_M】詩サークル「群青」の一月のお題「霧」への提出作 ...- そらの珊 ...自由詩15*14-2-5
安売りのプリンを大量に買い込んでもうちょっと生きる- 北大路京 ...自由詩414-2-5
氷の棘- そらの珊 ...自由詩18*14-2-4
孤独が巷にあふれている- 北大路京 ...自由詩214-2-4
蛙の快楽- ……とあ ...自由詩14+*14-2-4
バベル- 自由詩27+14-2-4
アイスキャンドルを灯す夜- Lucy自由詩12+*14-2-3
猫になりたい- 未有花自由詩24+*14-2-3
冬晴れの陰影- ただのみ ...自由詩22*14-2-2
つよさ- 梅昆布茶自由詩1014-2-2
同伴者- 由木名緒 ...自由詩11*14-2-1
神のいたずら- 服部 剛自由詩414-2-1
挽歌- ……とあ ...自由詩9*14-2-1
草や木の輝く霜や鳥鳴けり- 北大路京 ...俳句314-2-1
葉牡丹や学費のために売りし家- 北大路京 ...俳句214-2-1
玄関にやたらシーサーがある- 北大路京 ...自由詩4*14-2-1
まあ小人もいませんけれども- あかりん ...短歌5*14-2-1
消耗品- umineko自由詩11*14-2-1
そんなに見つめるなよ- ichirou携帯写真+ ...15*14-1-31
Waiting_for...- 藤原絵理 ...自由詩2*14-1-31
ミクロの脅威_マクロの奇跡- 夏美かを ...自由詩23*14-1-31
虫歯を気合で治そうとしている- 北大路京 ...自由詩714-1-31
食べ終えてからおしぼりに気づいた- 北大路京 ...自由詩514-1-31
ご先祖様のため息が聞こえた- 北大路京 ...自由詩414-1-31
35_41_22_N_139_41_30_E_2014- nonya自由詩15*14-1-30
詩はラブレターのように- yamadahifumi自由詩514-1-30
閉経- そらの珊 ...自由詩24+*14-1-30

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