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つかれていたのかもしれません。
夏のさなかに
雪をかぶった連峰をみました
海辺を高速バスで走っているときでした
火事の中で氷を幻視するかのように
見たのです 

うたたねの山々は ....
【紙屋町界隈】

ここには来れないあなたを
さがしています
わかりやすい たいどで
わかりやすいことばで
さがしてみます

街のあちこちにカメラを設置し
あなたの陰を
さがしてみま ....
【百合】


昨夜の薪が
まだ ほんのわずか ちろちろと している
寝る前に見た 夜光虫のまたたきと
星々とのまたたきとの
違いがわからなくなくなってしまった
ほんとう ....
   太陽の匂いが漂うんです
   懐かしいあの土手沿いの道の一画に


   両手から
   はみだしてしまう大きさの
   おおきな亀裂のあるトマト
   とうさんが  ....
きえねばならない思いをかかえて
心の溝を覗くとき

淵に足をすくわれそうな闇を前にして
問うてみる
闇は誰のため
誰の物でもない
とてつもなく広がる
だれそれのたそが ....
姉妹は今日も
山間にある店に行く
季節は うつろぐ
路にはスイカズラが咲き
神経の先端が 花の香りに触れると
セカイのことなど すっかり わすれ
やるせなさと はかなさの間に
路が 現わ ....
【空】


ねぇエトワール  たんぽぽの君に エトワールって名前をつけたよ
君の 中芯は 中空に在るよ
精一杯 背伸びする風の最果てを
つかめぬものを つかもうとしている

 ....
【こめる】

ちいさな人が ちいさな声でいった
「あさがおは かさ みたい」
くるくるたたんでいる花は かさみたい
雨の日にひらくと かさみたい

ちいさな傘から
ぬー ....
「いかりを おろせ」


ためいきが でる 
ちからづくだから からだが いたい
つらい かなしいが つづく
てのない ゆうれいが つつみこむ
ともかく もがく 

なんとか い ....
そういうことか
海も空も
まるいんだ

どれくらい走ったろう
眼前には海があり
道端には 菜の花と桜が続いている
ふと 同じところを何度も通っているような気が
して
 ....
かつて 大本営のあった場所は晴天なり
銀のフォークの並ぶ部屋から見下ろせば
ゆっくりと雲は 流れる
ナイルの川ほどではないにしろ ゆたかな水が輝いて

四方形の掘の水が かつて権威のあっ ....
なんの魂胆かしらないけれど 鬼って悪い奴じゃなかったよ
たましいにも ふたつある魂と魄って書くんだって
どうやら 魂は精神を支えていて、魄は肉体を支えているらしいよ
どちらにも 鬼がいるよ ....
初夢はどんな夢を見ましたか
すべての夢は もろ刃のつるぎ
かざして何を想いましょうや

松飾をつけた車が 走っていた
正月だというのに梅が咲いている不思議な一日
うつくしさを か ....
【おへそ】


りんごちゃんと なづけられた おんなのこ
今日は りんごのようにいいにおい
きのうは もものように いいにおい

林檎のおへそは いいにおい
林檎の ほかのどこの部分よ ....
π(パイ)


二畳ほどもある焼き釜は
林檎とシナモンの焼ける
例えようのない良い薫りです

どれほどの林檎が燃え盛る炎に
くべられたか その林檎の数には限りがありません
讃えようも ....
家の目の前が川だから 安心だ
泳ぎ疲れても すぐに家に帰ることができる
天井川沿いに建つ我が家までは
ほんのわずかの距離なので
帰り道は スクール水着のまま 裸足で家に帰る
焼けついたアスフ ....
大脳皮質は、
前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉の四つに区分されますって いうじゃない
それって クローバーみたいなものかしら
だって 四つの葉だもん

鮮烈な夢が炸裂するとき
きっと 脳内の ....
空々漠々 とした
あおぞらも ちぎれるときは
わすれぐさのように 赤く鮮烈に土壌と宇宙との間で炸裂するのだ
きょうも嘘で すべてを汚染しつづけている人々の足元で 蟻は動く
死してもなお ....
ふいに 風がカーテンをゆらし
とおいあの頃が 窓の外にある 気がした
みわたすかぎりの原っぱの向こう側には
そこなし沼に こわれかけの小舟が一双
沼を取り囲む山に続く なぞの けもの道 ....
ぐおんと
いしきの
たきつぼ
おちれば

あぶくに
つつまれ
呼吸の
できない
じぶんが
いた

『 尾鰭よ!』
と、つよく
念じる

「 ねぇ、きみ ナイーブ とりか ....
神は、にんじんを創り
にんげんは きんぴらを造る
そう かみさんとして、あまじょっぱく 造るはずだった
ところが にんじんの花が咲いてしまった
うっかり収穫時期を のがしたのだね  ....
【 流石の沢蟹】


沢蟹は、歩く
沢を 歩く
さわさわとした沢を歩く

沢蟹も 花見をする
タンポポの花が 咲いている
その花弁を
器用に 切り取り
 ....
とうめい が
好きですよ

漆黒も
好きですよ

漆黒が とうめいな日が 好きなのです

玄武の闇漆黒の岩石の中でケイセキは ちかっと 輝いて

その輝きは あまりに ちいさいので ....
胸を、はる




待ちに待った春に、咲くのは
リニューアルではなく 
ニュー リアル

満身に光を受け 白妙沙織
光源氏は 桜襲(さくらがさね)を纏ったという
透 ....
新月 


  新月の夜 一つの石を 拾い上げる 
  波打ち際にいる者は他に誰もいない
  静かに拾い上げると遠い星の
  みたことのない惑星の記憶が めくるめく
  展開し ....
めざめは はるかとおく
めざましは なりやまない
汽水域からの 電話の呼び鈴が 
あんなに激しく鳴っているというのに
あらたな就職口からの
電話だというのに

めざま ....
【そいつのまえでは おんなのこ】



あの子にあったのは 友達三人で小旅行をしていたときだった。私には 遠距離恋愛中の彼が居て、そうそう彼には会えないので 大抵の週末は友達夫婦と過ごしてい ....
おびただしい雫という雫が
都市と都市の間で あらゆる物と物の間で
たがいに伴を呼ぶ
満月のような視座で みえないその糸に命を与えようとしている男のポエジは
蜘蛛の意図のよう
雫と雫がつながり ....
【大草原の星の王子様】



いつしか はだかになれない自負が
少年を呼び寄せたのだろうか
ひつじの絵を書いてと言われて
ツノを書いてしまった

ダメじゃんぼくの星で おじさんの思い ....
水溶性キネマ


記憶の階段を一段一段昇るたびに
潮のように満ちてくる

おじぃちゃんの机のうえには
馬の毛
たぬきの毛
頬にやわらかいリスの毛
お米にも描けそな ....
イナエさんのるるりらさんおすすめリスト(82)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
あいづち- るるりら自由詩15*16-8-29
紙屋町界隈- るるりら自由詩10*16-8-13
百合- るるりら自由詩12*16-8-2
真赤な太陽- るるりら自由詩20*16-7-18
消える- るるりら自由詩9*16-7-17
姫たちのお茶会_下- るるりら自由詩4*16-5-31
喰う寝るトコロに住むトコロ- るるりら自由詩11*16-4-20
ちいさな_三つの声_- るるりら自由詩17*16-4-4
えーぷるな_ぷーるたちによせた_三つのポエム- るるりら自由詩5*16-4-1
指折り数えるクリノリン_- るるりら自由詩14*16-3-28
【Paradox_Japan】(パラドックス・ジャパン)- るるりら自由詩6*16-3-22
鬼の豆ください- るるりら自由詩20+*16-2-2
かざしことば- るるりら自由詩16*16-1-10
おへそ- るるりら自由詩16*15-12-22
アップルパイの2乗- るるりら自由詩23*15-12-12
川岸- るるりら自由詩10*15-8-31
恋かし蘭- るるりら自由詩22*15-8-7
わすれぐさの_みそら- るるりら自由詩13*15-8-6
おしえて_のすたる爺- るるりら自由詩15*15-7-14
黒曜日- るるりら自由詩12*15-6-16
【仏】南無きんぴら菩薩- るるりら携帯写真+ ...7*15-5-29
流石の沢蟹- るるりら携帯写真+ ...21*15-4-13
とうめい- るるりら自由詩25*15-4-1
【蘇】胸を、はる- るるりら携帯写真+ ...715-3-26
つきのない日に- るるりら携帯写真+ ...9*15-3-12
はるか- るるりら自由詩12*15-2-17
そいつのまえでは_おんなのこ- るるりら自由詩7*15-2-12
がうでぃな_さざなみ- るるりら自由詩17*15-1-29
大草原の星の王子様- るるりら自由詩1515-1-9
水溶性キネマ- るるりら自由詩15*14-12-12

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