放射冷却の夜があけて
風もなく
日中の気温は上がる

この穏やかな春霞
雪どけの水蒸気
あふれる陽光に
紛れ込んだ
毒の微粒子

笑顔に溶かした
敵意のように
言葉に塗られた殺 ....
夜明け
窓を開けると
空に明星が瞬いている

テーブルにこぼした煙草の灰を
手で掬いとっているうちに
夜が終わっていく

春先の
暖かい雨は降り止み
朝日が微かにひかる
神経が泡 ....
きみの王国には
ママとパパがいて
きみの法に翻弄されている

きみの王国には
どんなものでも住めるから
かえるもクマもお友だち
くるまも絵本もお友だち

きみの王国には
 ....
揚雲雀メールの返事ありにけり 向かいのホームから出たのが最終電車だったようです    携帯は見ない
   家事はいっさいしない
   仕事のことは考えたくない

   窓も開けないで
   一日中 ボーとして
   無為の時を過ごしている

   病気じゃないけど ....
豆腐屋の娘の口へさくらんぼ ショーウィンドウの前から
ふわりと剥がれた影は
軽やかにステップを踏んで
もうひとつの影にくっついた

大きな紙袋をぶら下げて
せかせかと動き回る影は
スマホを耳に押し当てたまま
 ....
つまづく者を 見守る者は
つまづくことで何かを 掴んで来た者たちだ
つまづかないよう 見守る者は
つまづく度に何かを 失って来た者たちだ

石造りの壁に つながれたなら
不貞腐れてる間に  ....
帰宅する

幹線のJRの駅から田舎電車に乗り換え
一五分ほど奥まった田舎の駅
そこが自分の住む家の最寄り駅である。
妻と子が二人、義父母二人
六人が暮らす自分の家だ

自分の父母は随分 ....
残雪や父を庇いて沈黙す 人も街もかわって帰らぬ日々 花束を君に贈ったのは夏が終わる頃だった
小首を傾げて微笑んだ君との時間をを僕の心の壁にかけてあるんだ

何を約束したのか忘れてしまったが
秋の訪れとともにそれは緩く解けて雲に流れていった

 ....
今日のために
昨日を生き
明日のために
今日を生き
夢のために
明日を生きる

でも

私は知っている
昨日も今日も明日もつながっていることを
だから本当は昨日も今日も明日も ....
子猫を拾った公園
子猫といっしょに
風を切って揺られた

おなかと片手にやわらかさ
ねむくなった子猫
あたしも目を閉じる

上がって下がって
上がりきって下がる瞬間に
子猫が爪 ....
大きく膨らんだお腹に手を当てると

ぐるんと窮屈そうに動いてくれた

明日生まれるよ

君は明日生まれるよ


後ろからそっと抱きしめると

安心そうに身を委ねてくれた

明 ....
ここにはない
何も踊らない
ただ搾り出された絵具のように
眠たげな静物だけ

わたしの中か
わたしの外か

楽しげな人の姿が
ゆっくりと薄れ消えて行く
古いスナップ写真が
毎 ....
      その日、私ははじめて人の死体
を見た。いまからおよそ十年前、三月二十六
日の金曜日のことだった。もちろんそれまで
にも祖父や祖母のそれぞれの葬儀に立ち会っ
たことがあるが、その時に ....
恋愛の駆け引きで打ち続けてた悪手全てをナシにした雨 通夜を終えたタバコの煙が月まで昇っている 妻に物をプレゼントしたことがない
物より思い出ばかりプレゼントしたからだ

それでも妻は物がほしかったようで
時々古ぼけた腕時計を指差すこともあった

あの世でね
と私は言った

私 ....
よく晴れた朝
新しい職場へ向かう
昨日の特訓で疲れているけど
今日も頑張れる
覚えなくてはならないことがありすぎて
頭がぱんぱんになる
あまり眠れなかったけど
ちょうどいい緊張感だ

 ....
手賀沼やキラリ水面に春来たり

菜の花や見舞いの窓に陽の光
 
 
今日は昼過ぎ、らーめん萬亀まで散歩に行ったら、いつもは行列なのに余裕で座れた。もしかしたら、昨日の夜、土崎のつけ麺店がテレビで紹介されていたので、そちらに流れたのかもしれない。
それはそ ....
たまねぎの
ちゃいろの
うすかわを剥く
のり、で
はったわけでもないのに
なかみのかたちに
ぴたりとはりついて
かわいてしまった
うすかわは
もう
うすかわ以外の
何者でもない
 ....
初めておばさんと呼ばれたのは
娘を保育園に預けて働き始めた頃だった
仕事が終わって迎えにいくと
小さな子どもたちが
今度は自分の親の番かと
わくわくしながら遊んでいる

時間外保育の部屋 ....
消えない過去重たくまた一歩 不自然な学校のほうが
自然学校よりも
自然がよく解る

ブラック企業のほうが
ホワイト企業よりも
経済がよく解る

クチコミのほうが
マスコミよりも
世間がよく解る

だけど
 ....
フラフラと
朧月の生温い宵に
プラプラと
妄想の尻尾をぶら下げて
ブラブラと
調子っぱずれの自律神経をナビにして

此岸の縁をそぞろ歩く

フラスコの中の
フラストレーション
 ....
「会社が潰れるかもしれない…」
夫が青白い顔でポツリと言う

「そう。じゃあ、じたばたしても仕方ないわね」
私は、パッションフルーツ入りの
プレミアムヨーグルトを食べながら答える
視線はス ....
イナエさんのおすすめリスト(3780)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
大気の中に- Lucy自由詩10*14-3-29
桜の樹の下へ- 小林螢太自由詩20*14-3-29
きみの王国- 千波 一 ...自由詩514-3-29
揚雲雀メールの返事ありにけり- 北大路京 ...俳句214-3-29
向かいのホームから出たのが最終電車だったようです- 北大路京 ...自由詩814-3-29
【_仮病_】- 泡沫恋歌自由詩20+*14-3-28
豆腐屋の娘の口へさくらんぼ- 北大路京 ...俳句414-3-28
影の春- nonya自由詩20*14-3-27
つまづきの歌- クナリ自由詩7*14-3-27
不安−詩想との訣別- ……とあ ...自由詩17*14-3-27
残雪や父を庇いて沈黙す- 北大路京 ...俳句414-3-27
人も街もかわって帰らぬ日々- 北大路京 ...自由詩3*14-3-27
約束- 梅昆布茶自由詩1714-3-26
昨日と今日と明日と- ichirou自由詩10*14-3-26
ぶらんこ- 藤原絵理 ...自由詩6*14-3-26
あたたかい生き物- 中村 く ...自由詩6*14-3-26
死を装う春の詩- ただのみ ...自由詩18*14-3-26
三月のドキュメント- 岡部淳太 ...自由詩314-3-26
恋愛の駆け引きで打ち続けてた悪手全てをナシにした雨- 北大路京 ...短歌514-3-26
通夜を終えたタバコの煙が月まで昇っている- 北大路京 ...自由詩814-3-26
ロマンス- 小川 葉自由詩414-3-26
バイオリンを弾く猫の絵のついたマグカップ- Lucy自由詩22*14-3-25
春二題- ……とあ ...俳句10*14-3-25
秋田散歩- 小川 葉散文(批評 ...414-3-24
うすかわ- そらの珊 ...自由詩20*14-3-24
【_おばさんラプソディー_】- 泡沫恋歌自由詩22*14-3-24
消えない過去重たくまた一歩- 北大路京 ...自由詩114-3-24
不自然学校- イオン自由詩8*14-3-23
FR/PR/BR- nonya自由詩19*14-3-23
プレミアムヨーグルトを今日も買いに- 夏美かを ...自由詩31*14-3-23

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