笑い声に聞こえるように泣いた 罪を滅ぼして何になる

罪という概念自体に罪はない

罪は罪を犯した者の罪ではないか


皆がいつも使う罪滅ぼしという言葉の意味は
罪を償うことだ

罪を犯した者が
悔い改めよう ....
 愛を映す鏡に
 己を見た者はいない

 けれど、
 もし、いたとしたら

 その人は
 どんな姿を
 していたろう?

 イエスや、仏陀の姿を
 多くの人々が、想像しては
  ....
取り出したばかりの粘土は
幾通りもの生を含んで
ぐにゃり
柔らかく在る

指で押せば
くぼみが現れ
手のひらで転がせば
丸を成す
いびつな複雑さは
魅力的である代わりにとてももろい ....
固いつぼみを こじ開けようとも
春を待たねば 時期早々
滲み出た 乳白色の液体が
フェルメールの「牛乳を注ぐ女」の
器に混ざり込み 静謐な
長方形の世界に留まってしまう


暖かさを待 ....
冬になる前に
庭のバラを剪定した

咲き遅れた蕾の枝を
花瓶に挿しておいた
膨らみかけていた他の蕾は
次々に開くのに
その白薔薇の蕾は
しばらくはじっと蒼いまま

ある時
限界を ....
 
祈りが、ケーキにすりかわる頃

ベツレヘムの星は、LEDの光となり

讚美の歌は、ソリッドステートの箱に閉じ込められる


 
 空に延ばされた
 無数の手が
 草原のように
 なびいていて

 その上を漂う
 タンポポの種が一つ

 象徴とは、多分
 そのようなものだ

 手の届かない
 約束のような ....
すみれの咲く秋がある
すみれが好きな少女のために

春の庭に生まれた夢が孵る時がいまなんだ
と秋の実りにそよぐすみれ
常冬に住む老婆の許の菫色の裁縫箱には
針と糸と針刺しと並んでセピア色の ....
最後の店が閉じ
町は死んだ
残された者達は
買い物をする術もない
やがて人も死んでいく

国会議事堂前で今日も汗を流す人々
天下の悪法を廃案にすべく集う人々
大勢の人々
悪法が国会を ....
強い風が吹いて森が泣いている 赦した自分が赦せない 地球の役に立たない人間はたくさんいるけど
地球の役に立たないミミズは一匹もいない

という娘の乱暴な発言に対して
父親としては毅然とした態度で
たしなめたいところであるが
いちいちもっとも ....
仕事場のドアを開けると
早く来て掃除をしている筈の君がいない
代わりに卵がひとつ床に転がっていた


とうとう君は卵になってしまったのか
私には何も言ってくれなかった
淡いピンク色を ....
空が雲を指導している
 雲は雲で空を無視している
海が船を可愛がっている
 船は船で海に甘えている
丘が木々に恋している
 木々は木々で丘を愛している

過疎化した町が設けた
こころづ ....
咳をしてもひとりじゃない  この折り紙を広げたら
 思い出がひとつ
 消えていく

 ここは
 思い出の小部屋
 一日の最後に訪れて
 折り紙を一つ置いていく

 その日、私が
 過ごした時間が
 一つの ....
駐車場の一角
水面を撫でた風を受け
首を伸ばすと
視界が開けた眼下に湖
列島の海岸線から遙か遠く
ぽつんと置かれた水たまり

湖岸にぽつりと楓の木
秋の風に朱くなり

ここには敗者 ....
パリにたどり着くと僕は
ドミトリーにたどり着いた
不思議な男のウインク
素っ気ない学生の案内
やっとたどりついた
それ以上の疲れ
北駅は渦のよう
東欧と
イベリア半島とを結びつける ....
昔の君に恋をしている 深い眠りから眼を覚まし
目覚めるまでのひと時迄
混沌とした靄の中にいる

身体は動いているけれど
意識は朧な霞が晴れる迄
混沌とした靄で息を吸う

今日のゴミ出しに気付き
もう遅い時 ....
疾走しながら 失踪した
あいつの行方など
知ったことじゃない

ひそひそ話をして 潜んでいる
あたしの行方など
知らなくてもいいじゃない

あいつとあたしは
いくら離れていても
こ ....
新しい家が建つ
白い壁の真新しい
まだ誰のにおいも
染み付いていない
新しい家が建つ

そこに小鳥が住むとして
わたしは祝いに何を贈るだろう

わたしは熱い熱い珈琲を飲む
冷えた体 ....
ただの壁だと思っていた面に
白い花が
ちらほらと咲き始めた

家と道
内と外
隣人と自分
向こうとこちら
静けさと騒音
過ぎ去った時間とやってくる時間
何かと何かを隔てるための境目 ....
長い夢から覚めた後の
そこから動いてはいけない心
何もしてはいけないと
ただただそこにたたずむ心


いつか何もかもを
消し去りそうなものへの
あこがれと恐怖から
 ....
掃除してエアコンつけて誰も来ない  人には身体があって
 それを包む心があって
 更には世界がそれを包み込み

 玉ねぎのように、
 剥いても、剥いても
 涙しか出てこない

 私たちは
 芯なのか

 それとも ....
真夜中の扉を開けて
裸足で駆けて行こう
たくさんの流れ星が降るという
星降る森へ走って行こう

キーンコーン
いろんな色の流れ星が
きらめきながら落ちて行く

金属的なその音は
真 ....
車の前を
カラスとっとっとと横切る十二月
二本足で
黒い姿がひかってる

そのもっと後ろ
まっかな山
急いでいるのは私だけかな午後

カラスの地についた二本の足が
私の目をもってっ ....
「すみません。おひとりさま1パックまでなんです。」

その日
特売の卵を2パック
かごに入れていた老人は
無情なレジ係にそう言われ
1パック取り上げられていた

解けかけた雪が
昨夜 ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
笑い声に聞こえるように泣いた- 北大路京 ...自由詩813-12-10
罪滅ぼし- ichirou自由詩5*13-12-10
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白い蕾- Lucy自由詩18*13-12-9
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象徴- まーつん自由詩13*13-12-8
秋のすみれの走馬灯- もっぷ自由詩813-12-8
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強い風が吹いて森が泣いている- 北大路京 ...自由詩213-12-7
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エコロジカル_ヒステリー- ichirou自由詩4*13-12-7
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日々、折り紙- まーつん自由詩9*13-12-6
諏訪- ……とあ ...自由詩7*13-12-6
パリ北駅から寝床- 番田 自由詩313-12-5
昔の君に恋をしている- 北大路京 ...自由詩413-12-5
今日の始まり・・・- tamami自由詩1313-12-5
静と動と武器と- 小川麻由 ...自由詩4*13-12-5
新しい家が建つ- 小原あき自由詩8*13-12-4
垣根- そらの珊 ...自由詩19*13-12-4
ひとつ_離れて- 木立 悟自由詩513-12-3
掃除してエアコンつけて誰も来ない- 北大路京 ...自由詩613-12-3
玉ねぎと宇宙- まーつん自由詩18*13-12-3
星降る森へ- 未有花自由詩20*13-12-3
地についたカラス- 朧月自由詩413-12-2
卵2パック- Lucy自由詩23+*13-12-2

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